著者
高崎 裕治 永井 由美子 井上 馨 真木 誠 大中 忠勝 栃原 裕
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.99-106, 2011-11
被引用文献数
3

冬季における高年者の入浴習慣について,札幌,秋田,大阪,福岡の4地域における特徴を比較し,入浴事故死亡率の地域差に関連する要因を検討するため,質問紙による調査を実施した.高年者の半数以上は何らかの治療を受けており,特に高血圧症の治療を受けている者がいずれの地域においても最も多かった.札幌より大阪や福岡の高年者の方が冬季の浴室を寒いと感じていた.暖房器具として,脱衣場所ではストーブがよく使用され,浴室では暖房乾燥機が専用のものとして使用されていた.脱衣場所や浴室に暖房器具を設置していない者は,その必要性を感じていなかった.ロジスティック回帰分析を行うと,入浴事故死亡率が低い札幌での冬季の入浴習慣として,入浴回数が少なく,浴室への滞在時間や浴槽に浸かる時間が短く,入浴中はあまり寒さを感じていないという傾向が示された.同様な入浴習慣を形成できれば,致命的な入浴事故を防ぐために有効と思われる.
著者
高崎 裕治 大中 忠勝 栃原 裕 永井 由美子 伊藤 宏充 吉竹 史郎
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.29-34, 2006-05
被引用文献数
4

浴槽死亡事故の地域差に影響する因子を検討するにあたり,本研究の目的は日本の各地域における入浴実態を比較してその差異を明かにすることである.質問紙による調査を全国11の地域(札幌,秋田,仙台,北千葉,南千葉,静岡,富山,大阪,広島,福岡,鹿児島)で実施した.各地域で約30戸の戸建て住宅を対象に,質問紙を夏と冬の2回配付した.建築後の経過年数,住宅の設備や温冷感,入浴行為等について質問を行った.その結果,以下のような入浴実態やその地域差が認められた.すなわち,保温性や断熱性という観点からは比較的新しい住宅や北日本の住宅が優れていること,予期に反して冬期に南日本の人たちの方が北日本の人たちよりも浴室を寒く感じていることなどである.また,入浴頻度,時間や最初に入力する人にも地域差が見られた.各地域の入浴実態と浴槽事故死亡率には関連がありそうであるが,さらに検討が必要である.
著者
高崎 裕治 大中 忠勝 栃原 裕 永井 由美子 伊藤 宏充 吉竹 史郎
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.65-71, 2010 (Released:2018-03-22)
参考文献数
16
被引用文献数
2

パイロットスタディとして大阪と秋田で冬期に入浴と排泄の模擬行動を観察し,高齢者におけるヒートショックの状況を検討した.さらに,全国調査で収集した室内温熱環境の資料を用いて,浴室とトイレの暖房設備等と気温の関係,居間との気温差,高齢者の温冷感を検討した.パイロットスタディでは寒冷地において居間と他の部屋の気温差が大きく,居間から浴室やトイレに移動したときに大きな血圧上昇を示すものがいた.全国調査の資料より,居間と浴室やトイレとの気温差は夕方8時前後に最大となった.同じ温冷感であるにもかかわらず,浴室やトイレでの実際の気温は居間の気温よりも低かった.高齢者は身体にストレスを受けているが,浴室やトイレの寒さには寛大であるように思われる.居間と浴室の気温差は浴室での死亡率と相関する傾向にある.
著者
伊藤 慎吾 高崎 裕治
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 人文科学・社会科学自然科学 (ISSN:1348527X)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.83-87, 2015-03-01

To assess physical load of doubles soft tennis match, heart rate was measured in male college students. Sixteen softtennis players belonging to the college sports club, aged 19 to 22 years, took part in the measurement. They were at a levelof competing for the top of local tournaments. A bracelet type receiver was mounted on the wrist of the subject and theheart rate sensor was attached to the chest using the strap as a transmitter. A total of 13 matches were held in the outdoorcourt through September to October. As a result, exercise intensity during the doubles soft tennis match was between 140and 150 beats/min with an average heart rate, corresponding to approximately 60% of Vo2max. Soft tennis was consideredto be a little stronger in exercise intensity than tennis played with a hard ball. Multiple times of the matches showed thatthere was no difference in exercise intensity between forward and back players. Comparing service and return games, it wasfound that significantly higher heart rate values during service than in return games, especially the trend was clear in backplayers. Heart rate during tennis match would be also somewhat influenced by other conditions such as competition level,tactics, sex, and age.