著者
高木 幸一郎 雨宮 真人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.58, pp.67-74, 2001-06-07
被引用文献数
3

本論文は、従来すべて手作業で行われていたRPGの戦闘のバランス調整を自動化することを最終目的とする研究における基礎段階の研究報告であり、RPGの戦闘のバランスとは何かを分析しそこから自動化のために必要な要素を考察、実験を行った。RPGの戦闘のバランスにとって重要な点はプレイヤーが感じる楽しさにあるが、このため心理学的な要素の考慮が必要である。そこで本研究では利用者の嗜好(UP)をテストプレイによって取得しバランス調整に利用する方法を提案する。実験では、戦闘を単純化したゲームにおいてUPを適用した強さの調整を行なう事例を示した。This paper is the primal report of our effort aimed for developing automatic balance configuration program of battle part in role playing games (RPGs). This paper analyzes what the balance of RPG means, and concludes that psychological analysis is important in order to configure it. Aiming for the design and development of our system, we propose the way of extracting user preferences(UP) from their behaviour. In the experiment, we apply UP to simple game and inspected the utility of UP.
著者
高木 幸一郎 雨宮 真人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.28, pp.31-38, 2001-03-16
被引用文献数
3

本論文は、従来すべて手作業で行われていたRPGの戦闘のバランス調整を人工知能によって半自動化することを最終目的とする研究における基礎段階の研究報告であり、1対1で、コマンド型、ターン制の戦闘の分析を行った。戦闘を単純化したモデルの作成にあたって、マルコフ遷移過程上を遷移する「状態遷移ゲーム」を定義し、乱数による数値の変動を考慮し、ヒットポイントを部分的観測可能な情報と見なした。このモデルでは、回復を行うタイミングが重要となるため、実験を行ない、RPG経験者の回復戦略の使用タイミングを測定した。結果、殆どの被験者は最適な戦略を学習していたが、一部乱数の関係で間違った学習をしたケースも確認された。This paper is the primal report of our effort aimed for developing semi-automatic balance configuration program of battle part in role playing games(RPGs). This paper defines "state transition game" based on markov decision processes(MDP) in order to make simple model of 1-on-1, command-typed, discrete-turned RPG. By introducing the term of randomization, this model becomes partially observable MDP(POMDP), where HitPoint is partially observable information. The experiment proves that the players who have the experience of RPG almost always learn the best strategy, but sometimes takes mistake because of biased value observation.
著者
松尾 賢司 高木 幸一 小池 淳 松本 修一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.13-18, 2002
参考文献数
6
被引用文献数
4

MPEG-4のFGSは,可変ビットスケーラビリティを実現し,ネットワーク上での帯域変動に対して高い適応力を持った動画像伝送を可能とする.しかし,FGSで用いられるビットプレーン符号化方法は,下位プレーンにおいて符号化効率が低下するという問題があった.そこで本稿では,ビットプレーン符号化の効率を改善する方法を提案する.まず,有意係数の分布に基づいてDCT係数の各ビットを有意ビット群と既有意ビット群に分類する.次に,それぞれのビット群に対して最適な効率を実現する符号化方法を適用する.この際,符号化の順序は,復号画像の品質を向上させる度合いの高い情報から順番に行う.本提案方式により符号化効率は改善され,復号画像品質はFGSと比較して0.2dB程度向上する.
著者
高木 幸一 宮地 悟史 滝嶋 康弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.79, pp.13-17, 2006-07-14

本稿では、MP3ビットストリームからAACビットストリームへの効率的な変換方式について提案する。一般に、異コーデック間における変換を実現するためには"トランスコーディング"と呼ばれるデコードおよび再エンコ―ドが必要となる。しかしながら同方式における再エンコードは音質の劣化を伴うばかりでなく、大きく時間を要すると言う問題がある。そこで、本稿では、MP3のフレーム構造と量子化スケールサイズをAACに継承する手法を提案する。同手法により、音質を劣化させることなく、AACの符号化プロセスにおいて最も時間を要する繰り返しプロセスが簡略化でき、結果として高速化が実現可能となる。実験結果により、提案手法が高音質を保持したまま符号化ドメインにおける高速変換が可能であることを検証した。In this paper, we propose an efficient conversion algorithm from an MP3 stream into AAC. Generally, this kind of conversion, "transcoding," requires full-decoding and re-encoding. However, the re-encoding based transcoding process may cause quality degradation and take a longer time. This paper proposes a transcoding method where the AAC encoding process inherits the frame structure and the quantization scale from the MP3 bitstream. This enables a reduction of iterative procedure which requires the most of processing time of AAC encoding without incurring quality degradation. Experimental results show that the proposed method realizes high speed coded domain transcoding while maintaining a higher level of audio quality.
著者
高木 幸一 宮地 悟史 滝嶋 康弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.161, pp.13-17, 2006-07-07

本稿では,MP3ビットストリームからAACビットストリームへの効率的な変換方式について提案する.一般に,異コーデック間における変換を実現するためには"トランスコーディング"と呼ばれるデコードおよび再エンコードが必要となる.しかしながら同方式における再エンコードは音質の劣化を伴うばかりでなく,大きく時間を要すると言う問題がある.そこで,本稿では,MP3のフレーム構造と量子化スケールサイズをAACに継承する手法を提案する.同手法により,音質を劣化させることなく,AACの符号化プロセスにおいて最も時間を要する繰り返しプロセスが簡略化でき,結果として高速化が実現可能となる.実験結果により,提案手法が高音質を保持したまま符号化ドメインにおける高速変換が可能であることを検証した.