著者
髙田 賢 大河内 博 緒方 裕子 栗島 望 原 宏 木村 園子ドロテア 高柳 正夫
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.26-33, 2014-01-10 (Released:2014-07-18)
参考文献数
23

東京都心から約30 km離れた東京農工大学FM多摩丘陵(東京都八王子市)にある30 m観測タワーの7高度で、大気中酸性ガス (SO2、HNO3) とエアロゾル (SO42-、NO3-) の鉛直観測を行い、森林フィルター効果の検証を行った。酸性ガスの鉛直分布は高度の低下に伴う濃度減少が見られ、森林フィルター効果が確認された。酸性エアロゾルでは粒径によって鉛直分布が異なり、微小粒子領域で高度の低下に伴う濃度減少が見られた。樹冠上空 (30 m) と樹冠下部 (6 m) の大気中濃度を用いて、森林フィルターモデルを適用したところ、酸性ガスでは両者の濃度差と樹冠上空濃度との間に高い正の相関があり、樹冠捕捉率はSO2で0.55、HNO3で0.43と推計された。酸性エアロゾルは微小粒子領域で樹冠フィルターモデルが適用可能であり、樹冠捕捉率はSO42-で0.52、NO3-で0.45と推計された。
著者
吉村 季織 高柳 正夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
pp.2014-0001, (Released:2014-05-17)
参考文献数
17

近年,化学データを数学的・統計的手法により解析する「ケモメトリクス」が頻繁に用いられるようになってきた.しかし,日本の大学の化学教育の場ではほとんど取り上げられていない.ケモメトリクスや数値計算の専用ソフトウェアを使うことなく,現在最も普及しているソフトウェアのひとつであるMicrosoft Excel (Excel)の基本機能を用いてケモメトリクス計算を行うことができれば,多くの教育・研究機関で役立つものと思われる.シリーズ6回目は,ケモメトリクスの多変量による定量モデル作成において,最も頻繁に用いられるPLS (partial least squares) 回帰 (PLSR)を取り扱った.これまでと同様に,スペクトルの解析を例に挙げた.モデル構成試料および未知試料のスペクトルの生成,潜在変量を抽出するPLS1 (1化学種の場合) とPLS2 (多化学種の場合) の実行,PLSRによる濃度定量モデル作成を行うワークシートを作成した.生成したスペクトルを使いPLSRとPCRの定量性能について比較を行った.その結果,PLS1によるPLSRでは特定の化学種の濃度データを用いるため,目的とする化学種に関して少ない因子数で良好なモデルが得られた.一方PLS2によるPLSRでは,複数の化学種に対して安定して濃度予測できるモデルが得られることが分かった.少ない因子数においてPLSRがPCRと比較して優位であることは示されたが,最適なモデルが得られるとは限らなかった.モデル化手法と因子数を変えて予測性能を比較しながら最適なモデルを得る必要があることが示唆された.
著者
吉村 季織 高柳 正夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.149-158, 2012-10-25 (Released:2012-10-25)
参考文献数
12
被引用文献数
9 10

近年,化学データを数学的・統計的手法により解析する「ケモメトリクス」が頻繁に用いられるようになってきた.しかし,日本の大学の化学教育の場ではほとんど取り上げられていない.ケモメトリクスや数値計算の専用ソフトウェアを使うことなく,現在最も普及しているソフトウェアのひとつであるMicrosoft Excel(Excel)の基本機能を用いてケモメトリクス計算を行うことができれば,多くの教育・研究機関で役立つものと思われる.シリーズ5回目は,スペクトルなどの観測データの前処理として用いられる平滑化と数値微分を取り扱う.平滑化や数値微分の代表的手法として最小二乗法を基にしたSavitzky Golay法(SG法)が広く知られている.我々はSG法と同原理の平滑化・数値微分法をExcel上で実行する方法を開発したので報告する.まず,SG法の畳み込み係数に相当する係数を求めるワークシートを作成した.さらにGauss関数を例に平滑化・数値微分を実行するワークシートを作成した.平滑化および数値微分値が,Gauss関数及びその導関数とよく一致していることを確認した.本法の平滑化・数値微分係数と,SG法の畳み込み係数を比較し,両者が等しいことを示した.また,畳み込み係数表の誤りも見出すことができた.これらの結果によって,本方法が平滑化・数値微分法として有用であると示された.
著者
白 文明 吉村 季織 高柳 正夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.33-38, 2014-01-21

近赤外分光光度計あるいは可視近赤外用ハイパースペクトルカメラでの測定結果にPLS (Partial least squares)回帰法を適用して,ブルーベリー果実の糖度,酸度,アントシアニン含量の測定が可能かどうかを検討した。透過測定と拡散反射測定のいずれが有利か,検量モデルの作成には品種の区別が必要か,測定部位を選ぶ必要があるか〔萼(がく)の部分で測定しても大丈夫か〕などを検討した。その結果,測定と解析を適切に行えば,十分に実用レベルの精度での分析が可能であることが明らかになった。
著者
吉村 季織 高柳 正夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.149-158, 2012
被引用文献数
10

近年,化学データを数学的・統計的手法により解析する「ケモメトリクス」が頻繁に用いられるようになってきた.しかし,日本の大学の化学教育の場ではほとんど取り上げられていない.ケモメトリクスや数値計算の専用ソフトウェアを使うことなく,現在最も普及しているソフトウェアのひとつであるMicrosoft Excel(Excel)の基本機能を用いてケモメトリクス計算を行うことができれば,多くの教育・研究機関で役立つものと思われる.シリーズ5回目は,スペクトルなどの観測データの前処理として用いられる平滑化と数値微分を取り扱う.平滑化や数値微分の代表的手法として最小二乗法を基にしたSavitzky Golay法(SG法)が広く知られている.我々はSG法と同原理の平滑化・数値微分法をExcel上で実行する方法を開発したので報告する.まず,SG法の畳み込み係数に相当する係数を求めるワークシートを作成した.さらにGauss関数を例に平滑化・数値微分を実行するワークシートを作成した.平滑化および数値微分値が,Gauss関数及びその導関数とよく一致していることを確認した.本法の平滑化・数値微分係数と,SG法の畳み込み係数を比較し,両者が等しいことを示した.また,畳み込み係数表の誤りも見出すことができた.これらの結果によって,本方法が平滑化・数値微分法として有用であると示された.
著者
梅田 大樹 澁澤 栄 高柳 正夫 岡山 毅 平子 進一
出版者
The Spectroscopical Society of Japan
雑誌
分光研究 = Journal of the spectroscopical research of Japan (ISSN:00387002)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.245-251, 2006-08-15
被引用文献数
1

A new technique applying polarized near-infrared spectroscopy is proposed for precise measurements of moisture content in soil. Diffuse reflectance spectra of seven kinds of soil samples were measured. Linear relation between the moisture content and the signal intensity due to water is lost when the moisture content of the soil is high, presumably because intense direct reflection at the sample surface interferes measurements. Application of polarized light was found to improve the precision of quantitative measurement. In the scheme, by using a polariz-ing plate for each of the incident and reflected light, p-polarized light was irradiated on a soil sample, while only the s-polarized light from the sample was detected. The technique is expected to be applicable not only for precise measurements of moisture content but also for diagnosis of texture of soil with high concentration moisture.
著者
高柳 正夫 岡本 裕巳
出版者
社団法人 日本分光学会
雑誌
分光研究 (ISSN:00387002)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.131-145, 1997-06-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
56
被引用文献数
1 1