- 著者
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矢嶌 裕義
高梨 知揚
高山 美歩
高倉 伸有
- 出版者
- 東京有明医療大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2017-04-01
当該研究は、術者及び患者をマスクした状態(ダブルブラインド下)で、非特異的腰痛に対する鍼治療の効果を観察することを最大の目的としている。この研究で用いる最も重要なダブルブラインド鍼について現時点では、これまでに開発してきたダブルブラインド鍼を臨床研究に使用しつつ、製品として安定的に供給できるダブルブラインド鍼の開発を目指している。この鍼は、通常の鍼(刺さる鍼)と皮膚に圧迫を与える鍼(刺さらない鍼)、これらの鍼を支える内鍼管、この鍼管内には術者に生じる刺入感覚を相殺する為のシリコン、これら全てを支える台座、及び鍼を叩き入れる際に用いる外鍼管で構成されている。これまでにこれらの各パーツの製作が終了し、臨床研究で使用可能とはなったものの、研究中に何本かの鍼においては、刺入操作時に鍼が進まなくなり刺鍼できなくなってしまう事態に見舞われる事が確認された。しかしながら、現在はこれらパーツを使用しながら臨床研究は進めているものの、こうした欠点が見つかっていることから、シリコンと内鍼管については、スムースな刺入を目指し現在も試作を繰り返している状況である。また平成30年度は、本学においての臨床研究が附属の鍼灸センターでなされるのが初めてであったこと、附属のクリニックとの共同の臨床研究も実施されたことがなかったことなどから、研究に参加していただく患者様に生じる金銭的および時間的なご負担を軽減するための方法についてクリニックや本学事務局と協議し、よりスムースな臨床研究の実施が可能となるルール作りを行った。そのため研究開始の時期が当初の予定よりも遅れたものの、事務局の協力のもと、現在20名の非特異的腰痛患者に対する研究を実施することができた。