著者
山口 桜子 友利 幸之介 齋藤 佑樹 高畑 脩平
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.630-637, 2023-10-15 (Released:2023-10-15)
参考文献数
17

学校作業療法が円滑に実施できるまでには様々な障壁があることが先行研究にて明らかとなっているが,作業療法士はその障壁をどのように乗り越えているだろうか.今回,複線径路・等至性アプローチ(TEA)を用いて,学校作業療法を円滑に実践するためのプロセスの理論化を目指した.その結果,広範囲に安定的に学校作業療法を実施するためのターニングポイントとなる6つの分岐点と,分岐点での行動選択を方向づける5つの信念や価値観が抽出された.これらの価値観に共通する概念として,作業療法士は常に相手の理解に努め,利他的に相手を活かす姿勢を貫いており,これが学校作業療法の障壁を乗り越えていく基本となっていると推察された.
著者
宮﨑 瑠理子 岩坂 英巳 植村 里香 武藤 葉子 加藤 寿宏 宮﨑 義博 笹井 武広 高畑 脩平
出版者
奈良教育大学教育実践開発研究センター
雑誌
教育実践開発研究センター研究紀要 = Bulletin of Center for Educational Research and Development (ISSN:21865841)
巻号頁・発行日
no.22, pp.107-113, 2013-03

奈良教育大学特別支援教育研究センター及び奈良県総合リハビリテーションセンターで実施しているSSTプログラムには、発達障害等で対人交流において支援を要する子ども達が参加している。この子ども達に対して、感覚統合面の評価を行った。結果、視覚・聴覚・固有感覚・触覚において感覚調整に困難さをもつ子ども達が多いことと、「姿勢平衡機能」「両手の協調運動」「身体模倣」「表情模倣」に困難さをもつ子ども達が多いことが分かった。また、通年プログラムを通して、参加児達の「身体模倣」のスコアが向上したことも確認できた。子ども達への対人交流を支援するには、「感覚」「運動」の要素が活かされた、体のイメージや運動を組み立てる力の育ちを支援できる遊びプログラムも重要であることが示唆された