- 著者
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大谷 愛
竹林 崇
友利 幸之介
道免 和久
- 出版者
- 三輪書店
- 巻号頁・発行日
- pp.1141-1145, 2015-10-15
Abstract:今回われわれは,慢性期の脳卒中患者2名にCI療法を実施する際,日常生活における麻痺手の使用を促すためのディスカッション時に,従来法の言語のみによる対話に加え,麻痺手に対する訓練における意思決定補助ツールであるAid for Decision-making in Occupational Choice for Hand(ADOC-H)を開発し,用いた.結果,介入前後でFugl-Meyer AssessmentとMotor Activity Logの向上を認めた.加えて,ADOC-Hを用いた議論に関する感想として,2名からは「文字や言語だけよりもイメージが湧きやすい」等のポジティブな感想も聞かれた.しかし,上肢機能が比較的保たれ,介入前から生活で麻痺手を積極的に使用していた患者には,「すでに麻痺手で行っている」といった選択肢の少なさに対する問題提起も聞かれた.今後は,ADOC-Hが従来法に比べ有用であるかどうかを,対象者の選定とともに,調べていく必要があると思われた.