著者
宮﨑 瑠理子 岩坂 英巳 植村 里香 武藤 葉子 加藤 寿宏 宮﨑 義博 笹井 武広 高畑 脩平
出版者
奈良教育大学教育実践開発研究センター
雑誌
教育実践開発研究センター研究紀要 = Bulletin of Center for Educational Research and Development (ISSN:21865841)
巻号頁・発行日
no.22, pp.107-113, 2013-03

奈良教育大学特別支援教育研究センター及び奈良県総合リハビリテーションセンターで実施しているSSTプログラムには、発達障害等で対人交流において支援を要する子ども達が参加している。この子ども達に対して、感覚統合面の評価を行った。結果、視覚・聴覚・固有感覚・触覚において感覚調整に困難さをもつ子ども達が多いことと、「姿勢平衡機能」「両手の協調運動」「身体模倣」「表情模倣」に困難さをもつ子ども達が多いことが分かった。また、通年プログラムを通して、参加児達の「身体模倣」のスコアが向上したことも確認できた。子ども達への対人交流を支援するには、「感覚」「運動」の要素が活かされた、体のイメージや運動を組み立てる力の育ちを支援できる遊びプログラムも重要であることが示唆された
著者
中川 愛
出版者
奈良教育大学教育実践開発研究センター
雑誌
教育実践開発研究センター研究紀要 = Bulletin of Center for Educational Research and Development (ISSN:21865841)
巻号頁・発行日
no.21, pp.139-147, 2012-03

本研究では、乳児期の弟とそのきょうだい一組における自然なやりとりに焦点をあて、児童の乳児への発話について発達的変化を検討した。姉(8歳)や兄(6歳)が弟に向けた発話には、様々な発話機能や育児語の使用がみとめられた。発話内容の特徴としては、生後1ヵ月ごろでは、弟の表情や発声から、弟の気持ちを代弁するような発話が出現していた。生後2ヵ月ごろでは、弟の発声に意味づけをしたり、応答したりする姿がみられた。生後3ヵ月ごろでは、行動が活発になった弟の動作に言葉をつけたり、弟の視線の先にあるものの情報を与えたりするような発話を行っていた。育児語の使用は、生後1ヵ月ごろからみられ、生後3ヵ月までの観察データから、擬音語擬態語、音の反復、音韻の転用、接尾辞の付加などの特徴がみられた。また、母親がやりとりに加わった場面では、母親の弟への発話を真似するきょうだいの姿がみられた。