著者
宮﨑 瑠理子 岩坂 英巳 植村 里香 武藤 葉子 加藤 寿宏 宮﨑 義博 笹井 武広 高畑 脩平
出版者
奈良教育大学教育実践開発研究センター
雑誌
教育実践開発研究センター研究紀要 = Bulletin of Center for Educational Research and Development (ISSN:21865841)
巻号頁・発行日
no.22, pp.107-113, 2013-03

奈良教育大学特別支援教育研究センター及び奈良県総合リハビリテーションセンターで実施しているSSTプログラムには、発達障害等で対人交流において支援を要する子ども達が参加している。この子ども達に対して、感覚統合面の評価を行った。結果、視覚・聴覚・固有感覚・触覚において感覚調整に困難さをもつ子ども達が多いことと、「姿勢平衡機能」「両手の協調運動」「身体模倣」「表情模倣」に困難さをもつ子ども達が多いことが分かった。また、通年プログラムを通して、参加児達の「身体模倣」のスコアが向上したことも確認できた。子ども達への対人交流を支援するには、「感覚」「運動」の要素が活かされた、体のイメージや運動を組み立てる力の育ちを支援できる遊びプログラムも重要であることが示唆された
著者
松浦 直己 岩坂 英巳
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.203-209, 2009-03-31

特別支援教育でCBTを応用した事例を報告する。その際、対象児の情緒と行動の問題をCBCL-TRFで評価した。対象児は9歳の男児。選択性緘黙及び学習障害を有していた。対象児の認知・行動特性として、①自罰的認知、②原因帰属の歪み、③恣意的で極端な行動様式が挙げられた。約2年後のCBCL-TRFの結果、いくつかの下位尺度で改善が認められた。 "不安抑うつ" 及び "社会性の問題" では大幅な改善が認められた一方で、 "ひきこもり" "思考の問題" では臨床域のままであった。本事例ではCBTの技法を4つの構造に分けて適用した。通常学級におけるCBT適用の有効性や、タイミングについて考察した。また、奈良教育大学で実施されている、認知行動療法に関する実践研究についての紹介を加えた。
著者
中村 哲 岩坂 英巳 根來 秀樹 サクリアニ サクティ 戸田 智基 Neubig Graham 田中 宏季
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

自動ソーシャルスキルトレーナと題して,ソーシャルスキルトレーニング(SST)の過程を人間と対話エージェントの会話によって自動化する研究を進めてきた。これまでに開発したシステムは、自閉スペクトラム症での効果測定をしていなかったという問題があった。最終的な実験的評価として、自動ソーシャルスキルトレーナを使用し、10 名の自閉スペクトラム症者における訓練の効果を調査した。50 分間のシステムを使用した訓練実験により、有意に話のスキルが向上していることを示し、自動ソーシャルスキルトレーニングが有効であることを示してきた。これからも希望者がいつでもどこでも手軽に使用できる SST を目指していく。