著者
宮﨑 瑠理子 岩坂 英巳 植村 里香 武藤 葉子 加藤 寿宏 宮﨑 義博 笹井 武広 高畑 脩平
出版者
奈良教育大学教育実践開発研究センター
雑誌
教育実践開発研究センター研究紀要 = Bulletin of Center for Educational Research and Development (ISSN:21865841)
巻号頁・発行日
no.22, pp.107-113, 2013-03

奈良教育大学特別支援教育研究センター及び奈良県総合リハビリテーションセンターで実施しているSSTプログラムには、発達障害等で対人交流において支援を要する子ども達が参加している。この子ども達に対して、感覚統合面の評価を行った。結果、視覚・聴覚・固有感覚・触覚において感覚調整に困難さをもつ子ども達が多いことと、「姿勢平衡機能」「両手の協調運動」「身体模倣」「表情模倣」に困難さをもつ子ども達が多いことが分かった。また、通年プログラムを通して、参加児達の「身体模倣」のスコアが向上したことも確認できた。子ども達への対人交流を支援するには、「感覚」「運動」の要素が活かされた、体のイメージや運動を組み立てる力の育ちを支援できる遊びプログラムも重要であることが示唆された
著者
吉川 茂 武藤 葉子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.635, pp.13-18, 2001-02-15

ホルン奏者の上唇の運動を3次元的に理解する目的で, 透明のマウスピースとナチュラル・ホルンを用いて唇の運動を正面と横からのストロボによる擬似スロー・モーションとして観測し, さらに座標軸を設定して1コマごとに運動を解析した。上唇の開閉運動は上唇の先端を追跡することによって分かる。この開閉運動に重なってはいるが, 別種の波動が上唇表面に発生しており, その伝搬経路と伝搬速度は唇を横から観察するときに現れる可視化映像上の輝点(波頭に相当する凸部)の運動を解析することによって知れる。最低の2次モード音F_2(87.3Hz)を上級者が吹奏すると, 波動はマウスピースのリムに接する唇の端点から発生し, 唇の中央まで水平に伝搬し, そこから上方に曲がり, リムで反射されて元に戻る。波動が唇の中央まで水平に伝搬するとき, 唇は外向きに開いていく。高次モード音のF_3やF_4では波動は主に垂直方向にのみ伝搬する。伝搬速度は約1〜4m/sの範囲にあり, 唇の張力や吹奏圧の影響を除外すると, 約1.8m/sと推定された。さらに波動をレイリー型表面波と仮定すると, 唇のずり弾性率は約4×10^3N/m^2となった。また, 波動伝搬と開閉運動を再現できるような1質量-3バネモデルを提案した。