- 著者
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髙岡 昂太
- 出版者
- 一般社団法人 日本児童青年精神医学会
- 雑誌
- 児童青年精神医学とその近接領域 (ISSN:02890968)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.5, pp.730-737, 2016-11-01 (Released:2017-05-17)
- 参考文献数
- 29
本稿は, 性虐待の定義, 性虐待をめぐる多職種・多機関ネットワーク, 専門職が知っておくべき最低限の知見, そしてグローバルスタンダードとなった性虐待の多職種・多機関連携を行うためのChild Advocacy Center(CAC)モデルを検討する。介入と支援を一箇所で展開するCACが機能するには10個の認定基準があり, ①医療-福祉-司法の多職種・多機関連携(Multi-Disciplinary Team), ②文化的多様性と問題への対応力, ③司法面接, ④被害者支援とアドボケイト, ⑤全身医学的評価, ⑥メンタルヘルス支援, ⑦チーム全員での事例検討会, ⑧ケースの追跡調査, ⑨組織的な能力(研修など), ⑩子どもを最優先にした設定がある。今後日本においても性虐待をめぐるネットワークを進化させるために, 医療-福祉-司法のMDT構築を促進する仕組みが必要である。