著者
髙岡 昂太 坂本 次郎 橋本 笑穂 北條 大樹 古川 結唯 菊池 愛美 佐藤 瑛洋 先光 毅士 山本 直美 鈴木 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1D4GS1305, 2020 (Released:2020-06-19)

日本では推計で毎年500人の子どもが虐待で死亡している。親が嘘をつく場合や、子どもが加害者から脅され話せないなど、正確な情報収集が難しい課題がある。ベテラン職員であっても判断を誤ることがあるため、虐待対応には判断の質の向上が喫緊に求められる。さらに、増加する虐待通告件数に対応する施策も満足に打てていないことが問題である。申請者らは現場職員の判断を支援し、かつ虐待件数増加に対応する施策決定に向けたAI実証実験を2019年7月より始めた。現場と達成目標をすり合わせた上で、一時保護すべきケースの見過ごしを無くすため、予測精度の高い勾配ブースティングを実装した。また、将来的な再発率や重篤度の算出には、現場の説明責任を担保するため、因果推論を行う確率モデリングを採用した。試行の進捗として①現場の業務フローの差異の把握、②データ収集の調整、③パラメーターチューニング、④UI/UXの改修を含むアジャイル開発、⑤ICTが得意または苦手なユーザーへの研修の配慮など、社会課題解決に向けた社会実装で得た知見について発表を行う。
著者
中田 康夫 田村 由美 澁谷 幸 平野 由美 山本 直美 森下 昌代 石川 雄一 津田 紀子
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.27-32, 2003
被引用文献数
1

本研究は、基礎看護実習Iの実習日誌として学生に課した2002年度および2001年度のリフレクティフシャーナル(以下、RJ)の内容を分析検討し、RJにおけるリフレクションに必須なスキル(以下、リフレクティフなスキル)の活用状況を明らかにするとともに、リフレクティフなスキルの修得促進のためのRJの早期導入の意義について検討することを目的とした。両年度の相違は、2002年度は基礎看護実習Iに先行して開講している演習に演習日誌としてRJを導入したが、2001年度は演習にRJを導入していないことてある。2002年度の実習期間中に毎日提出された64名のRJにおいて、リフレクションの必須スキルが活用されているかどうかについて、各々の定義をもとに詳細に分析・検討を行い、2001年度の58名のそれと比較した。その結果、「自己への気付き」のスキルの活用が、5日間のRJのうち少なくとも1日分のRJにおいてみられた学生の割合は155%から344%へ増加し、また、「分析」のスキルの活用がRJ上でなされていると判断できた学生の割合はO%たったものが14.1%認められた。一方、「記述描写」のスキルの活用がRJ上でなされていると判断てきた学生は、両年度とも全員であり、相違は認められなかった。以上のことから、RJの早期導入は、学生のリフレクティフなスキルの活用修得をより促進することが示唆された。したがって、実践的思考能力育成のためにも看護基礎教育においてRJを早期に導入することは意義があると考えられた。
著者
山本 直美 登喜 和江 澁谷 幸 矢田 眞美子 澁谷 幸 日坂 ゆかり 山添 幸
出版者
千里金蘭大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、無症候性脳血管障害患者のQOL支援する包括的看護活動の探求を目的とした。方法1は、未破裂脳動脈瘤で自然経過観察患者の生活体験に注目した。その結果、『動脈瘤を忘れる』『生活を変えない』『病気ではない』という認識の一方で、患者の背景ごとに特有な体験も明らかになった。方法2は、脳卒中看護に関わる看護師91名に質問紙調査を実施した。看護師は未破裂脳動脈瘤の発見を良い傾向と認識し、自然経過観察患者の「心理的サポート」「生活改善」に関心が高いことが分かった。結果より、看護師と患者の認識には若干の乖離を認めた。今後は看護プログラムの個別化や医療と患者のつながりを維持するシステムの検討が示唆された。