- 著者
-
北條 大樹
- 出版者
- 日本テスト学会
- 雑誌
- 日本テスト学会誌 (ISSN:18809618)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.1, pp.177-190, 2023 (Released:2023-06-30)
- 参考文献数
- 36
本研究では,教育アセスメント,特にCBTにおけるプロセスデータ(ログファイル)に関する研究を(1)プロセスデータとログファイルの定義と両者の違い,実務で使用されるプロセスデータの種類,(2)プロセスデータ研究の主な目的,(3)プロセスデータの統計解析と統計モデル,(4)Evidence centered designに基づいたプロセスデータの妥当性に関する議論,の4つの観点から概観した。そして最後に,今後のプロセスデータ研究について,学術的な観点と倫理的な観点から議論を行った。プロセスデータを用いた研究を実施するためには,多くの課題があるものの,CBTの継続的な発展を支えるために,テスト領域全体として研究成果を蓄積していくことが必要であり,重要であるだろう。