著者
髙橋 秀子
出版者
修紅短期大学
雑誌
修紅短期大学紀要 (ISSN:13498002)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.23-30, 2022-09-01 (Released:2022-10-06)

L-アスコルビン酸は熱に対して安定で、酸化型のデヒドロアスコルビン酸は熱に対して不安定で分解 されることが報告されている。本研究は、L-アスコルビン酸の熱に対する安定性を詳しく調べることを 目的とし、4mg/ml L-アスコルビン酸標準溶液とレモン果汁を試料として、40℃・60℃・80℃・水の 沸騰温度において、加熱をはじめてから90分間あるいは120分間までのL-アスコルビン酸濃度の経時 変化を調べたものである。両試料とも40℃および60℃で120分間加熱ではL-アスコルビン酸濃度に有 意な減少はなく、80℃ 90分間加熱では両試料とも緩やかな減少がみられた。沸騰温度90分間加熱で有 意に減少し、4mg/ml L-アスコルビン酸標準溶液とレモン果汁で加熱前よりそれぞれ47.8%と40.0% に減少した。なお、レモン果汁の減少率が高かった。L-アスコルビン酸は熱に対し60℃までは120分 間の長時間加熱でも安定であること、沸騰温度では90分間加熱で半分以下になると判明した。
著者
冨岡 佳奈絵 松本 絵美 岩本 佳恵 髙橋 秀子 長坂 慶子 魚住 惠 菅原 悦子 村元 美代 渡邉 美紀子 佐藤 佳織 阿部 真弓
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, 2021

<p>【目的】岩手県の伝統的な家庭料理を次世代に継承することを目的に地域ごとに聞き書き調査を行った。その中から、行事食の特徴と地域による違いについて報告する。</p><p>【方法】調査は、岩手県を7地域(県北・県央・中部・北上高地南部・県南・沿岸・奥羽山系)に分け、平成24〜26年に実施した。対象は、地域に30年以上居住している61〜96歳の女性18人とし、昭和30〜40年代の食事と、この頃から伝わる家庭料理について聞いた。その調査結果から、行事食の特徴について比較検討した。</p><p>【結果】正月の雑煮は、しょうゆ仕立ての角もちが基本で、沿岸では「くるみ雑煮」、県南では「ひき菜の雑煮」、かつて沿岸北部では、雑煮ではなく「まめぶ」のところがあった。雑煮のほか、沿岸では「氷頭なます」、県北では「手打ちうどん」があった。桃の節句には、県央・北上高地南部では「ひなまんじゅう」「きりせんしょ」、中部では、くるみを散らした「ごまぶかし」があった。田植えの小昼(おやつ)に、北上高地南部では「小豆まんま」があった。県南では、農作業の節目ごとに餅を食べ、冠婚葬祭にも餅は欠かせず、婚礼の際は「餅本膳」があった。一方、県北では、冠婚葬祭に「手打ちそば」だった。盆には、沿岸・北上高地南部・奥羽山系では「てん(ところてん)」、さらに奥羽山系では「カスべの煮つけ」があった。御大師様の日には、県南では「果報団子」があった。年取りには、全域で「なめたがれいの煮つけ」がみられ、沿岸では「干し魚(はも)入りの煮しめ」、奥羽山系では、ぜんまいの一本煮や凍み大根、身欠きにしんの入った「煮しめ」があった。各行事において、その時季の地場産物や気候風土をいかした食材を調理し、地域・家庭で継承されていた。</p>
著者
髙橋 秀子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.176, 2015 (Released:2015-07-15)

目的 2004年に一関市内の保育所の給食とおやつの実施状況に関する調査を行なった.その調査から10年経過しており,その後乳幼児の給食とおやつの嗜好は変化したのか,食育指導はどのように行われているのかをアンケート調査した.一関市内の保育所の10年後の状況を報告する.方法 調査へのご協力のお願い,協力同意書,アンケート項目を作成した.事前に許可を得た保育所2014年10月中旬に,書類を郵送または訪問で渡した.回答の期限を10月中,返信方法は郵送とした.回答を,Ⅰ保育園の全体に関すること,Ⅱ給食,Ⅲおやつ,Ⅳ食育に関する4つの項目に集計をした.結果 20ヶ所でアンケートを実施し,18ヶ所から返信があった.各年齢で最も好まれた給食献立はカレーあった.0,1歳児は味噌汁,2歳児以上は唐揚げやハンバーグなどの肉を使用した献立であった.手作りするおやつはおにぎり,蒸しパン,がんづきなどで好まれるおやつはゼリー,せんべいがあげられた.おやつと給食に関しては,10年前の調査とほぼ同じ結果であった.保育士が主となって毎日食育指導をしている保育所が多かった.その内容は,箸や食器の持ち方,食べ物についての紙芝居や絵本の読み聞かせ,クッキング,3色食品群など食べ物の栄養,さつまいもとトマトの野菜作りがあった.乳幼児は食材に興味を持ち,意識し,好んで食べるようになったと報告された.
著者
髙橋 秀子 東海林 明弘
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.512-520, 2015 (Released:2015-10-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1

We investigated the substance of a lecture book used in “discipline dojo” performed in Okutama, Senmayacho, Ichinoseki, Iwate prefecture until the mid sixties.   A section referring to “notes on torimochi and guests” in the text book provides information on the protocols that must be observed during a wedding ceremony and the ensuing reception. The ceremony and reception took place in both the homes of the bride and bridegroom. A bowl, which represented the bride, was passed from the mother of the bride to the matchmaker, and then from the matchmaker to the mother of the bridegroom. The ceremony and reception were conducted by an emcee, known as “torimochi” who led people in chanting “utai”. At discipline dojo people learned about wedding ceremony protocols and how to chant “utai”. We were the first people to use this lecture book as part of academic research.