6 0 0 0 OA 味覚と嗜好性

著者
鳥居 邦夫
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.49-58, 2000-04-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
28
著者
二宮 くみ子 鳥居 邦夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.100, no.7, pp.468-477, 2005-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17

日本人が継承してきた和食は充分な蛋白質を含み, 動物性の脂質が少なく, 食物繊維も多く含むことから, 近年, 健康面からも優れたものと見直されている。今回, 著者らに, 基本的な味を感じる仕組みから, 日本人と米, そして味噌, 醤油など発酵調味料のアミノ酸のうま味や, 昆布, 鰹節の「だし」の文化が如何にして取り入れられ, 次世代に継承されるかについて, 詳細に解説いただいた。
著者
畝山 寿之 鳥居 邦夫
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.97-108, 2010-08
被引用文献数
1

日本人が低栄養の危機にさらされていた前世紀初頭に、グルタミン酸塩がうま味物資であることが1千年以上の歴史を誇る伝統食素材(昆布)から発見された。近年、グルタミン酸は味覚を通じて、単に「食べものをおいしくする」だけではなく、摂取後は消化管からの内臓感覚を通じてたんぱく質の摂取や消化吸収など生物が生存していく上で根本的な生理機能に深く関わっている事実が動物実験やヒト介入試験で示されている。そして、昆布以外に世界中の調味料(醤油、オイスターソース、トマトケチャプ、ナンプラーなど)や調味素材(トマト、チーズなど)に遊離グルタミン酸は豊富に含まれていることが分かるにつれ、人類はおいしさを指標に経験的にグルタミン酸を食事に取り入れる食文化として継承し、グルタミン酸のもたらす生理作用の恩恵に授かってきたと考えられるようになった。発展途上国では依然として深刻な栄養不良の問題を抱え、先進諸国においては高齢化・少子化社会による独居や入院高齢者の低たんぱく栄養の問題が深刻化している。本総説では、たんぱく質の摂取及び消化吸収におけるグルタミン酸の栄養・生理学的意義について我々の最近の研究成果を交えて紹介する。そして、日本の発見であるうま味のもつ健康価値とその利用について考える。
著者
鳥居 邦夫
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.245-254, 1995-06-01 (Released:2010-06-28)
参考文献数
21
被引用文献数
1

われわれは摂食時に口腔内に遊離してくる栄養素等の小分子量の物質を味覚として認識することにより, 食物を上手に選択して生存に必須なエネルギー源, 電解質源, 蛋白質源を, それぞれ甘味, 塩味, うま味として過不足の生じないように食べ, そして味が好ましくない毒物や腐敗物の摂取を拒否している.グルコースはエネルギー産生系の中心的な基質であり, 主として炭水化物を分解し, そして肝などで糖原性アミノ酸などから生合成されて得ており, 体温の維持と行動の熱源として利用される.運動等による熱源不足そして糖尿病発症により甘味嗜好性が惹起される.体液の恒常性維持, 特に血中電解質濃度や体液量は神経系, 内分泌系により厳密に調節されている.主要なナトリウムが欠乏すると強い食塩嗜好性が発現する.又, 本態性や高アルドステロン性高血圧症患者では, 唾液中Na濃度が上昇し, 並行して塩味閾値も上昇, 強い塩味嗜好性を示す.うま味物質はアミノ酸 (特にグルタミン酸) と核酸関連物質であり調味料として我国で発見された.うま味物質は動植物の組織に普遍的に分布し, 蛋白質摂取と密接に関わっていると考えられる.個々のアミノ酸はそれぞれ異なる味をもち, 特定アミノ酸の欠乏においては人も動物も味を手がかりに定量的に選択摂取することが出来る.味覚は又, 消化吸収を調節し生体恒常性維持に役立っている.
著者
鳥居 邦夫
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.8-12, 1998-12-31 (Released:2011-01-31)
参考文献数
5
著者
鳥居 邦夫
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.197-204, 1994 (Released:2013-02-19)
参考文献数
22
著者
有尾 一郎 池田 清宏 鳥居 邦夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.513, pp.169-178, 1995-04-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
13

近年構造物の対称性の利用法としてブロック対角化法が提案されている. 本研究はこの手法を減衰を持つ対称構造物の動的問題に適用するものである. 系の幾何学的特性に基づく座標変換を用いて, 剛性行列, 減衰行列, 質量行列, 制御系の行列等を同時にブロック対角化することにより, 運動方程式を複数の独立な式に分解する. 従来の方法と異なり, 対称構造物であれば任意の減衰行列に対して適用できる点がこの手法の大きな長所である. 数値解析例として各種の軸対称構造物を取り上げ本手法の数値解析効率と収束安定性の高さを示す.
著者
鳥居 邦夫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.110, no.supplement, pp.28-32, 1997 (Released:2007-01-30)
参考文献数
12
被引用文献数
2 3

Taste preferences are altered to reflect physiological needs and to support the recovery from nutritional disorders. The central mechanism both recognition for and adaptation to a deficient essential nutrient, i.e. L-lysine, have been unveiled that the feeding center in the hypothalamus is a primary center nucleus to induce a neuronal plasticity responding to dietary intake of deficient nutrient in the brain and peripherally, such as sense of taste and its concentration change. Changing preferences may act as an alarm, signaling protein malnutrition or metabolic adult disease, such as hypertension for saltiness, diabetes for sweetness, etc. In addition, our consumption of alcohol beverage is still increasing despite of one of candidate to induce the hepatic disorders, because pharmacological function of alcohol in the brain is welcome for people enjoying meal or being relieved from stresses. Preference for both L-alanine and L-glutanine was observed when alcoholic rats fell in the hepatic disorder. Acute alcohol loading induced suppression of motor activity and the hepatic dysfunction, but both amino acids did obviously protect these alcoholic symptoms. People should have to require a little bit more specific L-amino acid physiologically and pharmacologically depending upon different states among aging, lifestyle, metabolic diseases and various stresses.