著者
友田 努 黒木 洋明 岡内 正典 鴨志田 正晃 今泉 均 神保 忠雄 野村 和晴 古板 博文 田中 秀樹
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.715-721, 2015 (Released:2015-08-15)
参考文献数
25
被引用文献数
12

マリンスノーの供給源となる可能性のある餌料生物を培養し,それらの産生物質を含んだ培養水について,ふ化後 5-28 日齢ウナギ仔魚に対する給与効果を観察した。微細藻類 4 種を用いた事例では,10-28 日齢仔魚が藻体とともに増殖過程で産出される透明細胞外重合体粒子(TEP)を摂取することを確認した。一方,尾虫類を用いた事例においても,9 日齢仔魚が発生段階初期の幼生と放棄ハウスを摂取することを確認した。これにより,飼育条件下の人工仔魚が天然仔魚と同様にマリンスノーの起源物質を摂取することを追認できた。
著者
増田 賢嗣 谷田部 誉史 松成 宏之 古板 博文 鴨志田 正晃 島 康洋 桑田 博
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.131-133, 2016 (Released:2016-04-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1 7

初めて人工シラスウナギが得られて以来,ニホンウナギ仔魚はサメ卵を主原料とする飼料でのみ給餌開始期からシラスウナギまでの安定した飼育が可能であった。サメ卵以外の飼料原料も探索されており,既に魚肉タンパク分解物(FPH)を主原料として,ニホンウナギ仔魚がわずかに成長することが報告されている。本研究では,既報の FPH を改良した飼料によりニホンウナギ仔魚を摂餌開始期から変態期以降まで飼育し,シラスウナギを得ることができた。