著者
鷹岡 亮 光原 弘幸 瀬戸崎 典夫 舟生 日出男
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.283-294, 2021-12-20 (Released:2022-03-18)
参考文献数
41

ネットワーク,クラウドコンピューティング,AI,IoT,ロボティクスといった先端技術の著しい進展に伴い,社会全体でのデジタル化が急速に進んでいる.このデジタルデータとデジタル技術はこれからの新しい社会を構成する中心的な要素となり,これらの技術を駆使して新たな価値を産み出していくことが求められている(経済産業省 2021).教育の世界においても,教育データやデジタル技術を活用したデジタル化のみならず,教育サービスや教育モデル,さらには新しい時代に適した教育に変革していくための教育DX の推進が求められている.そこで本稿では,この教育DX を実現するために,初等中等教育を対象にして,新たな教育(学習)モデルやサービスの変革や拡張を創りだす学習支援技術・授業支援技術の動向と今後の展望について解説する.特に,VR/AR/MR 技術と技術活用事例,そして協調学習支援技術に焦点をあてて説明を展開する.
著者
佐藤 禎紀 柏原 昭博 長谷川 忍 太田 光一 鷹岡 亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1P3OS2103, 2019 (Released:2019-06-01)

Web調べ学習では,Web空間を探索して与えられた課題(初期課題)に対して網羅的,体系的な学習が求められる.一方Web空間では,学ぶべき項目や順序(学習シナリオ)は与えておらず,学習者は学習課題に対する知識構築と次に学ぶべき課題の展開を並行して行うため,認知的負荷が高い.筆者らはWeb調べ学習におけるプロセスをモデル化したWeb調べ学習モデルを提案し,そのモデルに沿った学習を促すシステムiLSBを開発した.一方で学習者はiLSBを用いても初期課題と関係ない課題を展開する場合があり,学習シナリオの診断が必要である.しかし一般的な,解となるシナリオと学習者のシナリオの比較による診断は学習者の主体性を阻害してしまう.そこで本研究では,Web上の関連データをリンク付けしたLOD(Linked Open Data)を用いて,学習者の主体性を阻害せず課題展開を診断することで,より妥当なシナリオ作成を促す手法を提案する.また,本稿では提案手法の評価実験を行った.その結果,提案手法は学習者の課題展開への見直しを促し,妥当なシナリオ作成に有効であることが示された.
著者
平田 謙次 鷹岡 亮 瀬田 和久 仲林 清
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本年度は、以下に上げる3つの目標領域を定めて研究をすすめました。(1)eポートフォリオ共通インターフェイスの特定eポートフォリオの規格化をすすめているISO国際標準化機構での会議に参加し、研究発表を介して、eポートフォリオ規格の調査研究とのデータ定義について最新の研究を把握しました。韓国教育情報学術院での共同プロジェクトも進めています。国内の学会の年次大会において、課題セッションの企画と運営、および発表をおこない、品質と学習者情報との連携の方法について多様な視点から発表をおこない普及しましたが、国際学会でのスペシャルセッションの企画は叶いませんでした。(2)コンピテンシーセマンティック情報モデルの開発コンピテンシーセマンティック情報のデータ要素、属性について国内関連団体と共同により標準規格開発をおこない、その基礎となる2本の論文を執筆し書籍として刊行されました。また、当該テーマについてISO国際標準化機構会議においてプロジェクトの運営、研究発表、および規格提案をおこなってきています。(3)学習要求-学習活動ログ一致度測定機能企業組織における人材開発の要求調査を実施し、分析をし、アジア欧州会議の生涯学習委員会(ASEM-LLL)仕事場学習研究小委員会の運営と、会議での発表、および論文の執筆をおこないました。また、効果的学習活動について論文を執筆し、書籍の一節として発行しました。さらには、具体的な一致の連携についての方法論について、国際学会で発表し、その後、選抜された論文として書籍の一節として発行されました。
著者
鷹岡 亮 新脇 尋子 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.368, pp.59-64, 2003-10-10
被引用文献数
1

近年、学習支援機能を実現する手段としてエージェントが利用され、教授機能を実現する教授エージェント(Pedagogical Agent)や擬似的な学習者を演じる仲間エージェントなど様々な学習支援環境が提案されている。このような学習支援環境では複数のエージェントが関与することも考えられ、これらエージェント間のコミュニケーションやエージェントの構成法が論じられなければならない。そこで、本研究では、教育タスクを対象としたエージェント構成法に関する基礎的研究として、複数の教授エージェントが関与する学習支援環境における協調プロトコルを開発することを目的としている。本稿では、学習支援プロセスにおける教授エージェント間の協調タスクを分析して定義する。また、そこで必要とされるパフオーマティブと協調プロトコルについて検討する。