著者
伊東 昌子 平田 謙次 松尾 陸 楠見 孝
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.305-312, 2006-10-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
30

個人営業における熟達を, ATS理論に基づき知識スリップを制御する準備行為の観点から検討した. 実験では, 事務機器販売領域の高成績者と平均的成績者がビデオ視聴により顧客情報を把握したうえで, 初回商談前の準備行為を報告した. 次に, 彼らは商談場面 (営業担当者が顧客の話を十分に聞かずに提案を勧めたため顧客は興味を失う) を視聴して, 担当者の不適切行為の診断と自分が行う行為を報告した. その結果, 高成績者は, 急がずに顧客の問題状況を理解するとの趣旨と行為目標を定め, 彼らの診断も商談行為も趣旨と目標に沿っていた. 平均的成績者では, 顧客ニーズの発見と関係の構築が趣旨と行為目標であり, 彼らの商談行為はニーズを問う点では目標に沿っていたが, 得た個別ニーズに対し早くも解決案を示す状況行為が報告された. この結果は, 商談前に生成される趣旨や行為目標が熟達により異なることと, その差が知識スリップの制御に影響することを示唆する.
著者
田中 伸之輔 南谷 圭持 中村 優花 平田 謙次 松本 裕希子 原 有希
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR MANAGEMENT INFORMATION (JASMIN)
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
pp.143-146, 2024-01-31 (Released:2024-01-31)

本研究では、組織開発の構造的・技術的側面だけでなく人間的側面を重視する方法として開発された「人間中心設計・実践コミュニティに基づく組織開発手法」が、A社内に導入・展開された約3年のプロセスを事例分析した。その結果、従業員が「組織開発の主体」に成長する、対話型の学習・実践プログラムが段階的に設計されていたこと、人間の認知・感情・行動に着目する人間中心設計の考え方が、従業員のポジティブな感情体験を生み出す組織文化を支えていたことが示された。
著者
河崎 宜史 伊東 昌子 平田 謙次 星 幸雄 初田 賢司
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.373-377, 2007-03-15

従来高い成果を上げるプロジェクトマネージャに関しては個人のスキルや能力に焦点があてられてきた.しかし,複雑で大規模のプロジェクトを成功に導くには既有知識やスキルの適用ではなく,状況から学び状況に埋め込まれた知を活用した新たな適応行為の創出が不可欠である.この行為は所有知の適用と区別されノウイング実践として知られる.本研究では,複雑なプロジェクトを任せることのできる手腕の高いPMと複雑さがそれほど高くないプロジェクトを任せることのできるPMの差の解明と理解をめざして,ノウイング実践の観点から,両群の実践行為の差を明らかにするための調査を行った.
著者
平田 謙次 鷹岡 亮 瀬田 和久 仲林 清
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本年度は、以下に上げる3つの目標領域を定めて研究をすすめました。(1)eポートフォリオ共通インターフェイスの特定eポートフォリオの規格化をすすめているISO国際標準化機構での会議に参加し、研究発表を介して、eポートフォリオ規格の調査研究とのデータ定義について最新の研究を把握しました。韓国教育情報学術院での共同プロジェクトも進めています。国内の学会の年次大会において、課題セッションの企画と運営、および発表をおこない、品質と学習者情報との連携の方法について多様な視点から発表をおこない普及しましたが、国際学会でのスペシャルセッションの企画は叶いませんでした。(2)コンピテンシーセマンティック情報モデルの開発コンピテンシーセマンティック情報のデータ要素、属性について国内関連団体と共同により標準規格開発をおこない、その基礎となる2本の論文を執筆し書籍として刊行されました。また、当該テーマについてISO国際標準化機構会議においてプロジェクトの運営、研究発表、および規格提案をおこなってきています。(3)学習要求-学習活動ログ一致度測定機能企業組織における人材開発の要求調査を実施し、分析をし、アジア欧州会議の生涯学習委員会(ASEM-LLL)仕事場学習研究小委員会の運営と、会議での発表、および論文の執筆をおこないました。また、効果的学習活動について論文を執筆し、書籍の一節として発行しました。さらには、具体的な一致の連携についての方法論について、国際学会で発表し、その後、選抜された論文として書籍の一節として発行されました。