著者
齊藤 秀行 渡部 高久 小川 郁
出版者
JAPAN SOCIETY FOR HEAD AND NECK SURGERY
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.237-242, 2008-02-29 (Released:2010-09-27)
参考文献数
9
被引用文献数
5

鼻中隔矯正術は,鼻閉に対する手術として最も広く行われている手術である。従来本邦では,鼻中隔矯正術として,Killianの粘膜下切除術ないしはその変法が多く用いられてきたが,この方法では,鼻中隔の前尾側端(caudal end)付近,即ち鼻弁部を構成する部分の矯正は難しかった。我々は,このような症例に対してCottleが1958年に報告した,maxilla-premaxilla approachで矯正を行った。Cottle法は,鼻中隔軟骨尾側端を明視化に置き矯正が可能であるのみならず,視野が良好で鼻中隔全体の構造が立体的に把握され,粘膜の損傷も少なく,再手術例や外傷症例にも応用可能であった。