著者
越中 康治 高田 淑子 木下 英俊 安藤 明伸 高橋 潔 田幡 憲一 岡 正明 石澤 公明
出版者
宮城教育大学情報処理センター
雑誌
宮城教育大学情報処理センター研究紀要 : COMMUE = COMMUE (ISSN:18847773)
巻号頁・発行日
no.22, pp.67-74, 2015-03-31

本学の授業評価アンケートでは、学生からの意見を求めるために、各授業について自由記述を求めてきた。平成25 年度は通年で3,000 件を超える自由記述が得られている。しかし、これらの多数のデータを概観し、客観的に全体的な傾向を把握することは極めて困難である。また、要約しようにも分析者の恣意的・主観的な解釈となってしまう危険性からは逃れ難い。そこで、こうした危険性を可能な限り回避すべく、本稿では、「テキストマイニング」と呼ばれる手法を用いた分析を行った。①テキストから自動的に語を取り出し、頻出語を確認した上で、②それらの語の共起関係を探ることを通して、恣意的になりやすい手作業を極力廃した分析・要約を試みた。
著者
黒川 修行 菊池 法大 秋山 駿介 阿部 由佳 瀨川 琴子 千葉 卓 土井 妥剛 若生 成 犬塚 剛 池田 晃一 木下 英俊 前田 順一
雑誌
宮城教育大学紀要
巻号頁・発行日
vol.55, pp.199-207, 2021-01-29

運動後の手掌冷却がその後の持久的運動のパフォーマンスに及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。運動習慣のある男子大学生10名(20〜22歳)を対象者とした。1回目の多段階漸増負荷試験後に,回復期に手掌冷却を実施した時としなかった時で,2回目の漸増負荷試験の結果と1回目との変化を比較した。手掌冷却はバケツにためた10〜15度の冷水に手を浸漬した。手掌冷却により回復安静期における鼓膜温は有意に低下した。これは冷却部の放熱量が大きくなり,冷やされた血液が身体の深部に戻ることで深部体温が下がったため,深部体温と相関のある鼓膜温が低下したと考えられた。また、手掌冷却により走行距離や最大酸素摂取量の有意な低減抑制が認められた。これは、深部体温の低下により,蓄熱容量が増大したためであると解された。最大酸素摂取量は中枢性疲労により低下する。手掌冷却により蓄熱容量が増大し,中枢性疲労が抑制されたため最大酸素摂取量の低減抑制が起きたと考えられた。運動後の手掌冷却はその後の持久的運動パフォーマンスの低減を抑制し,バケツにためた冷水に手掌を10分間浸漬する程度でも十分な効果が得られると示唆された。
著者
小野 敦史 細矢 光亮 鈴木 奈緒子 木下 英俊 村井 弘通 前田 亮 菅野 修人 大原 信一郎 陶山 和秀 川崎 幸彦
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.159-163, 2017

<p>前立腺囊胞性疾患は,外表奇形の合併がない場合,幼少期に発見されることは稀な疾患である。今回我々は,尿路感染症を契機に画像検査で偶発的に発見された前立腺小室囊胞の1 例を経験した。症例は1 歳男児。発熱と排尿時の啼泣,異常な尿臭を主訴に当科を受診した。膿尿の他,腹部の造影CT 検査と造影MRI 検査で膀胱と直腸の間に長径約40 mm の囊胞性病変を認めた。抗菌薬による治療で尿路感染症は改善し,その後の膀胱尿道鏡検査で前立腺小室囊胞と診断された。抗菌薬の予防投与で経時的に囊胞は縮小し,画像検査で確認できなくなったため,外科的切除は行っていない。現在,予防内服中止から1 年以上経過したが,再発は認めていない。小児の尿路感染症では,しばしば尿路異常を合併する例があるため,発症時には腎尿路系の精査を行うことも多い。自験例のように,前立腺小室囊胞が尿路感染症の合併症の1 つとして関与することを念頭に置く必要がある。</p>