著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.697-711, 2014
被引用文献数
4

わが国における研究不正の低減に向けた検討に資するため,文献情報をもとに諸外国の国家研究公正システムの特徴を分析した。研究活動における公正さ(Research Integrity)を確保し,研究不正の低減を図っていく国全体としてのシステムのことを,本報では「国家研究公正システム(National Research Integrity System: NRIS)」と定義する。近年,NRISの比較研究は広く世界的な規模で行われている。そこでまず,先行研究におけるNRISの比較・分類の考え方を整理し,調査対象国のNRISの分類を行ったところ,米国をはじめとする「法的な調査権限を有する研究公正当局のある国」に分類される国は,全体としては少なかった。さらに主要国の研究不正の状況と研究開発やNRISの特徴の関係について俯瞰的な分析を行った。その結果,NRISの検討に当たっては,各国の研究不正の特徴や国情を踏まえ,さまざまな特徴あるシステムを検討していくことが重要であることが示唆された。
著者
長部 喜幸 治部 眞里
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.685-696, 2014
被引用文献数
8

日本版NIHや製薬企業における,政策決定・戦略立案に資するエビデンス提供のため,新しい指標に基づいた医薬品産業の現状俯瞰・将来予測を試みた。今回は,パイプラインを有する事業主体の規模や種類に着目し,医薬品開発のカギを握る事業主体について分析した。その結果,米国の強みは中小企業・ベンチャー企業にあること,また一方で,日本の中小企業・ベンチャー企業は米国のような働きを担っていないことが明らかとなった。
著者
長部 喜幸 治部 眞里
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.685-696, 2014
被引用文献数
8

日本版NIHや製薬企業における,政策決定・戦略立案に資するエビデンス提供のため,新しい指標に基づいた医薬品産業の現状俯瞰・将来予測を試みた。今回は,パイプラインを有する事業主体の規模や種類に着目し,医薬品開発のカギを握る事業主体について分析した。その結果,米国の強みは中小企業・ベンチャー企業にあること,また一方で,日本の中小企業・ベンチャー企業は米国のような働きを担っていないことが明らかとなった。
著者
原 修
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.669-676, 2014
被引用文献数
1

化学情報協会(JAICI)は,30年以上にわたるSTN,SciFinderの販売・ユーザーサポート,CAの抄録・索引作成業務に加えて特許庁登録調査機関として特許審査のための先行技術調査をほぼ10年間行っており,多くのインフォプロを育成してきた。近年,特許を主体とする一般向け調査・検索サービスを開始するにあたり総合的なインフォプロを育てることになった。その背景と過程を化学および化学関連分野のインフォプロ育成の一例として紹介する。
著者
長部 喜幸 治部 眞里
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.448-458, 2013-10-01 (Released:2013-10-01)
参考文献数
5
被引用文献数
7 10

日本版NIHや製薬企業における,政策決定・戦略立案に資するエビデンス提供のため,新しい指標に基づいた医薬品産業の現状俯瞰・将来予測を試みた。第1回目は,製薬企業等が有する研究開発パイプラインに着目した。パイプラインを研究開発段階ごとに整理し,すでに上市された医薬品数との比較などにより,各国の現在及び将来における研究開発能力が把握できることを示した。その結果,研究開発における米国の優位性,日本の特異性などが浮き彫りとなった。
著者
原 修
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.669-676, 2014-01-01 (Released:2014-01-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

化学情報協会(JAICI)は,30年以上にわたるSTN,SciFinderの販売・ユーザーサポート,CAの抄録・索引作成業務に加えて特許庁登録調査機関として特許審査のための先行技術調査をほぼ10年間行っており,多くのインフォプロを育成してきた。近年,特許を主体とする一般向け調査・検索サービスを開始するにあたり総合的なインフォプロを育てることになった。その背景と過程を化学および化学関連分野のインフォプロ育成の一例として紹介する。
著者
柳 与志夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.492-500, 2007 (Released:2007-11-01)
参考文献数
6

公共図書館への否定的イメージ,全国一律モデルの弊害,国家政策の欠如,公務員制度における司書職の矛盾といった問題に直面し,日本の公共図書館は改革を迫られている。これらの問題に対し,新しい公共図書館経営のあり方を示すひとつの試みとして,新千代田図書館の構想から開館までの経緯,開館によって実現したサービスと運営体制の特徴について紹介する。新千代田図書館は,区内に集中する豊富な文化資源への入り口としての役割を目指し,地域特性を活かした知識経営的サービスを提供する都心型公共図書館モデルを構想している。運営に際しては,指定管理者制度の導入により専門的人材を確保しつつ,運営連絡会の開催や運営実績評価の仕組みを策定することにより,官民協働によるサービスの向上を図っている。この実践は,従来の行政サービス制度における官民の枠を超えた,新しい公共図書館サービスのあり方を提案するものである。
著者
医薬情報ネット21
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.28-41, 2001

昨今のインターネットの普及には目をみはるものがある。我々医薬情報ネット21(PINET21,以下PINET)は,無料で入手できるインターネット情報源について情報交換を行い,若干の成果を得たので報告する。まずメンバーが手分けして製薬企業にとって有用なサイトを収集し,編集してVirtual Libraryを構築した。その中で製薬情報について特にユニークで有用なサイトをいくつか紹介する。次に無料のインターネット情報源を積極的に活用する手段として注目される自動巡回ロボットについて紹介する。さらに,無料情報を活用する際の留意すべき著作権上の問題点についても検討を加えた結果を報告する。これらよりインターネット上の無料情報源には有用なものがあり,ますます利用が拡大するに違いないことを確認した。最後に,企業内の情報担当者は情報収集力に加えて情報の解析力をも備えるべきであると提言し,そのためにはPINETのような人的ネットワークが重要な手段となることを強調したい。
著者
平尾 啓
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.284-293, 2013

筆者は,2001年からキリンビール社技術開発部の情報調査担当として,また2012年からはキリンホールディングス社知的財産部においてキリングループ全体(医薬除く)に視野を拡大して情報調査および調査環境の整備を行ってきた。その取り組みは会社,部門の状況に応じて試行錯誤の連続であった。当初は調査担当者がほぼすべての調査を行っていたが,次第に調査担当者と研究者は調査の種類によって役割分担をすべきであることに気がついた。しかし,研究者に対する声掛けと説明会だけでは研究者による調査は浸透しなかった。そこで,調査担当者として,「情報調査とは本来誰がすべきなのか」そして「どのような調査環境を整える必要があるのか」などさまざまな取り組みをしてきた。現在進行形の取り組みをも含め紹介する。