著者
東 由美子 時実 象一 平野 桃子 柳 与志夫
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.35-40, 2019-01-07 (Released:2019-02-18)
参考文献数
20
被引用文献数
1

欧米と比較すると、我が国ではデジタル編集導入以前の過去に発行された地方新聞のデジタルデータは、活用以前に公開自体ほとんど進んでいない。しかし、古い新聞原紙の劣化の進行、地方紙の地域における役割の重要性等に鑑みて、過去の地方紙のデジタル化は今後の我が国のデジタルコンテンツ形成、及びデジタルアーカイブ構築にとって極めて重要な課題といえよう。筆者らは2017年2月から5月に日本新聞協会の協力を得て、協会に加盟する地方新聞社73社に対し、デジタル化に関するアンケート調査をおこなった(回収率64.4%)。本稿ではその概要について報告し、地方紙のデジタル化やデータの公開に関する課題、問題点等を検討する。
著者
柳 与志夫 久永 一郎 前沢 克俊
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.123-126, 2022-08-01 (Released:2022-10-05)
参考文献数
2

ビヨンドブック(BB)の機能として、デジタル文化資源のもつオープン化・ネットワーク化・インタラクティブ性、マイクロコンテンツ化など5つの要件を可能な限り取り入れた。利用形態としては自分の専門外で仕事・趣味・生活上の有用な知識を得る手段となること、利用者としては新しい知的潮流に関心のある若いビジネスパーソンを想定した。BBの利用継続性を担保するための収益モデルの可能性についても検討した。これらの要因を満たすためのコンテンツとして講談社ブルーバックスシリーズの「お酒の科学」4冊をテキストデータ化した。最後にBBプロトタイプ制作のための制作フローを設定した。
著者
柳 与志夫
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.120-122, 2022-08-01 (Released:2022-10-05)
参考文献数
10

書籍とインターネット情報源のメリットを最大限生かし、そのデメリットを最小化した、デジタル時代にふさわしい新しい知識構成体「ビヨンドブック(BB)」の開発に取り組んだ。そのために先ず過去の開発事例及びその問題点をレビューした。またそれを実施するための研究チームを、多様な分野からの人材で編成した。図書や資料が図書館やアーカイブの中核をなすように、デジタルアーカイブにとって、将来BBがコンテンツの中核を担うことが期待される。
著者
井関 貴博 谷川 智洋 中澤 敏明 中村 覚 野見山 真人 前沢 克俊 美馬 秀樹 柳 与志夫
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.s1, pp.s122a-s123a, 2022 (Released:2022-02-28)

現在東京大学情報学環DNP寄付講座では、書籍・電子書籍のようなパッケージ型ではなく、デジタルコンテンツ本来の特性・メリットを生かしたネットワーク型・オープン型の知的構成物(「ビヨンドブック」略してBB)の研究開発に取り組んでおり、その最初の成果としてプロダクトデザインがまとまったところです。本セッションでは、その成果を披露し、パネリスト、会場からのご意見をいただき、今後の改善の参考にしたいと考えています。また、出版界が担ってきた書籍・電子書籍の制作・流通の中で、BBがどのような新たな役割を果たせるか、社会的側面の議論も行いたいと思います。
著者
柳 与志夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.492-500, 2007 (Released:2007-11-01)
参考文献数
6

公共図書館への否定的イメージ,全国一律モデルの弊害,国家政策の欠如,公務員制度における司書職の矛盾といった問題に直面し,日本の公共図書館は改革を迫られている。これらの問題に対し,新しい公共図書館経営のあり方を示すひとつの試みとして,新千代田図書館の構想から開館までの経緯,開館によって実現したサービスと運営体制の特徴について紹介する。新千代田図書館は,区内に集中する豊富な文化資源への入り口としての役割を目指し,地域特性を活かした知識経営的サービスを提供する都心型公共図書館モデルを構想している。運営に際しては,指定管理者制度の導入により専門的人材を確保しつつ,運営連絡会の開催や運営実績評価の仕組みを策定することにより,官民協働によるサービスの向上を図っている。この実践は,従来の行政サービス制度における官民の枠を超えた,新しい公共図書館サービスのあり方を提案するものである。