著者
黄 河 松田 文子 三澤 哲夫
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.12-19, 2011

中国の金属加工労働者100名を対象に,日本の「蓄積疲労度自己診断チェックリスト」「自覚症しらべ」等を用いて疲労の状況を調査した。結果,調査対象者全体の傾向として,蓄積性疲労が基準値と比べてやや高いことが伺えた。自覚的な疲労感としては,上肢と下肢に訴えが集中していることがわかった。調査対象者の6割以上が「休み時間が短い」「休憩施設が無い」などの理由で,「昼休みで十分な休みがとれない」と回答し,7割以上が,昨年1年間で,風邪,腰痛などの病気をしたこともわかった。残業に関しては,「仕事の量が多い」「仕事が急に入ってくる」等の理由で,8割が日常的に経験していた。本研究では,労働者の健康を守るために,労働時間の短縮とともに,労働環境や人間工学的条件の改善が必要であることを明らかにした。(表1,図4)
著者
佐々木 司 南 正康 尾之上 さくら 山野 優子 北島 洋樹 松元 俊 吉川 徹
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.143-147, 2012 (Released:2014-03-25)
参考文献数
10

第二世代の抗ヒスタミン薬は,自動車運転実験においても眠気がないと報告されている。しかし眠気は,昼間の概半日リズムの影響を強く受けもする。そこで本論文では,第二世代抗ヒスタミン薬のこの時刻帯の自動車シミュレータ運転時の眠気への影響を検討した。被験者は男性スギ花粉症患者16名であった。そのうち8名が午前群(10~12時)に,残りの8名が午後群(13~15時)に割り振られた。午前群は午前9時に,午後群は午後0時に服薬し,服薬60分後に1施行15分の運転を4試行×2セッション行った。その際,覚醒時脳波が測定され,シータパワー密度が分析された。薬剤は,服薬60分,120分,180分,240分後の採血によった。その結果,薬剤の血中濃度は,服薬60分目のみ高かった(p=0.04)。シータパワー密度は,両方のセッションで午後群に高かった(ss1; p=0.005, ss2; p=0.024)。したがって第二世代の抗ヒスタミン薬であっても早い午後に服用する際には,自動車運転は避けるべきと結論付けた。(図3)
著者
三浦 豊彦
出版者
労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.p375-389, 1986-08
被引用文献数
1