著者
山本 和奈 岩島 覚 西尾 友宏 塩澤 亮輔 久保田 晃 三牧 正和
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.967-973, 2019-05-01

ブラインドやカーテン留め等のひも状部分が偶然,子どもの頸部に絡まり,縊頸をきたす事故が報告されている.この事故は世界的にも問題になっており,判明しているだけでも世界15か国で250件以上の死亡事故が報告されている.残念ながら,本邦でもブラインドひもによる小児縊頸事故は発生している.ほとんどの事故死は,啓発により予防することができると考えられるが,本件に関しては発生件数が減少していないのが現状である.われわれ小児科医は保護者や企業,行政と協力し,小児縊頸事故の予防,対策に徹底的に取り組む必要がある.最近,われわれは「ブラインドひもによる縊頸の1例」を経験した.本稿では,小児縊頸事故についての現状を把握し,この事故を防ぐために,現状ではどのような問題が存在し,事故を予防するにはどのような対策が必要なのか,具体例を交えて考察する.
著者
光嶋 勲
出版者
金原出版
雑誌
小児科 (ISSN:00374121)
巻号頁・発行日
vol.45, no.13, pp.2327-2330, 2004-12
著者
新井 麻子 中川 栄二
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.961-965, 2016-06-01

症例は4歳女児で、生直後より筋緊張低下、および特異顔貌多発奇形を認めた。吸綴が不良なため経管栄養管理となった。生後3ヵ月頃より体幹、四肢にリング状の襞を認め、ミシュランタイヤ児症候群と診断した。徐々に襞は顕著になり、2歳頃最も著明になったが、以後次第に軽快した。1歳まで経管栄養を施行したが、その後経口摂取可能となった。運動発達の遅滞を認め、2歳で座位可能となったが、つかまり立ちなどは認めていなかった。また精神発達の遅滞もあり、有意語はなかった。FISH解析を行ったところ、46,XX,ish del(1)(p36.3)(D1Z2-)と染色体異常を認め、1p36欠失症候群と確定診断した。4歳時に朝食中に突然無呼吸、チアノーゼが出現、脳波検査にて両側後頭部に高振幅徐波、右前頭・中心部に棘波を認めた。てんかんによる無呼吸と診断し、抗てんかん薬内服となった。4歳になり、つかまり立ち、伝い歩きを認めるようになったが、有意語は出現していない。
著者
加來 浩器
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1917-1924, 2018-12-01

マスギャザリングは,「一定の期間,限られた地域で,同じ目的の人が多く集まる状態」と定義され,さまざまな健康危機管理事態を想定した備えが重要である.マスギャザリングによって公衆衛生基盤の一部が破綻すれば,① 病原体の増加,② 非土着の病原体の侵入,③ 空間環境による感染リスクの増大,④ 感染経路対策の不徹底,⑤ 外来種節足動物による感染,⑥ 土着種節足動物による感染,⑦ 感受性者層の増加,などが起こり,感染症の発生のリスクが増加する.国際的なマスギャザリング時には,① 輸入感染症の発生,② 国内の流行疾患の発生,③ イベント会場から国内の他地域への拡散,④ 輸出感染症,などの影響が発生する.
著者
長田 枝利香 三谷 麻里絵 江原 和美 本田 尭 荒木 耕生 後藤 正之 楢林 敦 津村 由紀 安藏 慎 番場 正博
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.405-408, 2016-04-01

症例は5歳女児で、26日前にインフルエンザワクチン2回目を接種、14日前に日本脳炎ワクチンを追加接種した。右下腿前面に紫斑が出現し、翌日は左下腿前面と体幹に紫斑が拡大した。血液検査で血小板数は6000/μLと減少、他の2血球系は正常値であった。凝固系に異常はなかった。PaIgGは軽度上昇を認めた。骨髄像は正形成、巨核球数・赤芽球・顆粒球の数と形態は正常であった。血小板数は、翌日には2000/μLまで低下を認め、はじめて口腔粘膜出血を認めた。免疫性血小板減少症(ITP)の診断で、大量免疫グロブリンを投与した。血小板数は速やかに改善を認め、粘膜出血と紫斑の消失を確認した。その後も重篤な出血症状の合併はなく、入院9日目に退院した。退院後、外来で通院し、半年後の血小板数は17万/μLを維持している。
著者
小谷 信行
出版者
金原出版
雑誌
小児科 (ISSN:00374121)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.375-382, 2012-03
被引用文献数
2
著者
髙橋 紳吾
出版者
金原出版
雑誌
小児科 (ISSN:00374121)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1017-1023, 2001-05
著者
秋谷 進
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.751-754, 2021-07-01

場面緘黙とは特定の状況において1か月以上声を出して話すことができないことが続く状態である.不安や対人緊張が強く,診察時に医師と話をすることができないなど,普段の状態と異なり得られる情報が少ないため,緘黙児のアセスメントには苦慮することがある.今回,不登校と場面緘黙を主訴に受診した女児で,家族からの聴取によると年齢相当の発達段階であると考えられたが,知能検査の結果では知的発達障害が疑われた症例を経験した.知能検査において時間制限を気にしていたため女児の不安が高まったと考えられたことから,2年後に不安軽減のための時間的配慮をしたうえで再度知能検査を実施した.その結果,正確なアセスメントが可能となった.
著者
岡部 信彦
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.575-580, 2021-06-01

予防接種の副反応は,ワクチン液そのものによる有害反応としてとらえられることが多かったが,予防接種を行うという行為そのものが多彩な症状を誘発する可能性がある.WHOのワクチンの安全性専門家会議(GACVS)では,「予防接種ストレス関連反応(Immunization Stress-Related Response:ISRR)」という概念を提唱した.ストレスに対する個人の反応は身体的因子,心理的因子および社会的因子が複合的に絡み合って生じた結果であり,これを理解しておくことはストレス反応の予防,診断,そして適切に対応をするうえで重要であり安全な予防接種に結びつく,というものである.
著者
古荘 純一
出版者
金原出版
雑誌
小児科 (ISSN:00374121)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.1277-1282, 2016-09
著者
川崎 富作
出版者
金原出版
雑誌
小児科 (ISSN:00374121)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.205-214,巻頭グラビア(目でみる小児科)2p, 1968-03
著者
今村 明 金替 伸治 山本 直毅 船本 優子 田山 達之 山口 尚宏 黒滝 直弘 小澤 寛樹
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.679-686, 2017-07-01

近年,統合失調症をはじめとしたpsychosis への移行が危ぶまれる状態を,「精神病リスク状態at︲risk mental state( ARMS)」と呼ぶことが増えており,それについて盛んに研究報告がなされている.ARMS は「脆弱性グループ」「減弱精神病グループ」「短期間間欠型精神病症状グループ」の₃ つのグループで構成される.ARMS は,必ずしもpsychosis へと移行していくものではないことがわかってきており(移行は₃₀〜₄₀%程度),それ自体に対応を必要とする状態像の一つとして考えられている.ARMS に対しては,まずは心理社会的治療が推奨されるが,早期に薬物療法を開始する場合もある.