著者
野口 美幸 佐藤 容子 野呂 文行
出版者
筑波大学心身障害学系
雑誌
心身障害学研究 (ISSN:02851318)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.237-247, 2005-03

本研究は、第1に不注意や多動を示す児童が示す攻撃的行動の実態を明らかにすること、第2に不注意や多動を示す児童の攻撃的行動の高低によって、抑うつや孤独感の状態が異なるかどうかを明らかにすることを目的としていた。研究1では、不注意・多動群の児童(N=85)と統制群の児童(N=86)の攻撃的行動を比較した。その結果、不注意・多動群は統制群よりも攻撃的行動尺度の得点が有意に高いこと示された。研究2では、まず、不注意・多動群と統制群の抑うつと孤独感について比較したところ、不注意・多動群は有意に孤独感の得点が高かった。次に、不注意・多動群と統制群をそれぞれ攻撃的行動高群、低群に分け、4つの群の間の抑うつおよび孤独感について比較した。その結果、抑うつについても孤独感についても群間に有意差は見られなかった。今後は攻撃的行動を細かく分類し、怒りや敵意を考慮に入れて検討してゆくことが重要であると考察された。