著者
渋沢 潮 林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.3_20-3_28, 2007 (Released:2007-09-30)

質問応答技術の分野において,Who,When,Where,What型の質問に対する回答をWebから自動抽出する研究はさかんに行われている.しかし,Why,How型の質問を対象にした研究や実用的なシステムはほとんどない.Why型の質問の回答は,単語ではなく文であることが多いため,その抽出に従来の手法を適用することは難しい.そこで本論文では,Why型質問を表す文と,その回答を表す文の,文章内における位置関係に着目し,Why型質問の回答をWebページから自動抽出する手法を提案し,試作システムRE:Whyを実装した.本システムにおいて20問の質問を用い,精度と再現率を求める実験を行った.実験結果に基づき,従来の検索エンジンに対する本システムの有効性を考察した.
著者
二村 良彦
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.343-351, 2004-09-28

インタープリタを用いて形式的に記述されたプログラミング言語のセマンティクスと現実のコンパイラとの関係およびインタープリタからコンパイラを自動的に作成する方法について述べる.この方法は計算過程の部分評価の一種である.この方法を応用してできるコンパイラ・コンパイラと既存のコンパイラ・コンパイラの相違は,プログラミング言語のセマンティクスを記述するさいに,既存のものが翻訳過程を記述しなければならないのに対して,本方式によるものは評価手順を記述すればよいことである.
著者
倉岡 寛 藤井 信忠 上田 完次
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.62-69, 2007-01-26
被引用文献数
2

生態系や社会システムなどの現実のシステムにおいて,いかにして協調行動が創発するかということは,大きな関心事である.また,近年,複雑ネットワーク研究によって,多数の構成要素からなるインターネットやタンパク質の化学反応などのネットワークは,スケールフリー性やスモールワールド性の性質を有し,そのような性質がネットワークの機能に深く関わっているということがわかっている.複雑ネットワークにおいていかにして協調行動が創発するのかということは大きな関心事である.その際,ネットワークの構造自体が構成主体の意思決定の結果として進化するということと,ネットワーク上でのダイナミクスは不可分な関係にあると考えられるため,これらは同時に扱う必要があると考えられる.また,実世界では構成主体間で情報は局在性を有しているため,情報の局在性を陽に考慮する必要がある.本研究では,ゲーム理論における空間囚人のジレンマに対し,情報の局在性を導入してモデル化し,エージェントの相互作用の結果創発する協調行動について,計算機実験による検証をおこなった.その結果,情報の局在性が頑健な協調行動を形成する上で有効である,ということが示された.

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著者
辻井 潤一
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.162-165, 1987-04-15
被引用文献数
1