著者
西野 成昭 福谷 康二 上田 完次
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

本研究は,従来では価格が固定されている映画などの劇場型産業において,コンテンツや座席の質の違いを考慮した効率的な配分を可能にする新しいオークションメカニズムを提案し,被験者実験やマルチエージェントシミュレーションによって有効性を検証する.
著者
山田 和明 大倉 和博 上田 完次
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.266-275, 2003-03-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
27
被引用文献数
3

We describe a distributed approach to controlling autonomous arm robots. The robots need to acquire cooperative behaviors in order to smoothly lift an object. Each arm robot has its own reinforcement learning unit for decision-making. In investigating this task, we are primarily interested in the question of how to design a reinforcement learning control system for a multi-agent system. An applied reinforcement learning algorithm uses Bayesian discrimination method to segment continuous state and action spaces simultaneously, thereby generating of a set of effective rules. The proposed approach is examined empirically with two real arm robots. The basic dynamics of the reinforcement learning process are also analyzed.
著者
伊藤 宏司 湯浅 秀男 淺間 一 新 誠一 上田 完次 藤田 博之
出版者
東京工業大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1995

1.機能モジュールの開発マイクロ技術を用いて多数の素子を製作し,それらが機能モジュールを構成できるような人工システムを開発した.2.機能モジュールの理論解析1)機能モジュール群の追加・削除及び結合形態とシステム全体の安定性との関係をH∞制御におけるLMI設計法を適用し解析した.2)機能モジュール群の相互作用を反応・拡散、分散・波動などの発展方程式により記述し,秩序形成を獲得する仕組みを明らかにした.3)動物のロコモーションや上肢動作の時空間パターンの創発機構とそのモデリングを理論・実験の両面から解析した.3.人間とロボットの行動創発1)免疫ネットワークの工学モデルを構築し、未知環境における自律移動ロボットの行動発現に適用した.2)概念の相違の定義並びにその検出法を与えるとともに、ヒューマンインタラクションにおける概念構造の発見や知的操作のプロセス創発と呼び、そのプロセスを決定木により可視化することを試みた.3)ロボットが共通の座標系を獲得する問題、衝突回避問題、長尺物運搬時の経路決定問題を理論的に解析し、多様な行動パターンを生成させた.4)ロボットと環境との局所的な情報交換に着目し、その通信手段として小型可搬のインテリジェントデータキャリア(IDC)を製作した.5)自律ロボットが他のロボットと競合を起こさない適切な行動戦略を自己組織化する手法を強化学習的なアプローチにより解析した.6)数10台のマイクロロボット群を製作し、個々のロボットの知能とマクロ的な群知能の関係を実験的に検証した.4.生物指向生産/経済システム1)個体の発生・成長および生物集団の進化・適応の特徴を取り入れた生物指向型生産システムのモデリングとプロトタイプの開発を行った.2)セルラ-・オートマタによる流行モデルを提案し、初期条件の微妙な違いによって消費者の行動パターンが全く異なってくることをシミュレーションにより示した.
著者
大倉 和博 松村 嘉之 上田 完次
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.14, no.8, pp.409-417, 2001-08-15 (Released:2011-10-13)
参考文献数
17

Evolutionary Programming (EP) belongs to a class of general optimization algorithms based on the model of natural evolution. EP has also been applied to real-valued function optimization since the early 90's. However, recent research results have proved that EP is not so robust as expected; EP performs very well only when the lower bound of strategy parameters is adjusted to each problem. In order to overcome this difficulty, an extended EP, called Robust EP (REP), is proposed. A major feature of REP is that genetic drift is introduced as another source of changing strategy parameters. Computer simulations are conducted in order to illustrate the robust performance of REP against the lower bound on a set of popular benchmark problems. Some evolutionary characteristics of REP are also clarified by calculating basic statistical values.
著者
岩田 一明 上田 完次 奥田 孝一
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.510-515, 1982-04-05
被引用文献数
8

本研究はバリ生成機構を解明することを目的としている.このために, 走査型電子顕微鏡内で微小切削試験装置を用いて, 二次元切削実験を行い, バリ生成過程における被削材の動的挙動を直接観察した.また, 三角形要素を用いたVisioplasticity法および有限要素法を適用することにより, 相当ひずみ増分および相当応力の分布を求めた.実験より, 3種類のバリの形態, すなわち塑性曲げ変形により切削方向に押し出される正のバリ, 破壊により被削材から引きちぎられてできる負のバリ, 被削材から切りくずが完全に分離されずに部残留するバリが観察され, また, 切削終了部で切れ刃近傍から被削材端面にかけて塑性変形域が形成されるのが観察された.この負のせん断角をもつ変形域を負の塑性域と呼ぶことにする.これらのことより, 負の塑性域の形成およびこの領域におけるき裂の成長挙動がバリ生成機構に重要な役割を果たすことがわかった.
著者
井寄 幸平 鳩野 逸生 小田 宗兵衛 上田 完次
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.16, no.9, pp.468-475, 2003-09-15

This paper describes how people establish or fail to establish long-run cooperation in the Prisoner's Dilemma Network (PDN), where subjects are allowed to nominate a subject with whom they want to play the Prisoner's Dilemma (PD) game at the beginning of each round. We have done a series of experiments with undergraduates and computer simulations of the PDN games. In the experiments most subjects either continued to play the PD game cooperatively with the same partner or never played the PD game cooperatively in the long run, and those who were more cooperative earned more. Since the simulations reproduced the results of the experiments, we can guess the subjects' strategies, which were not as apparent and controllable as the programs of agents.
著者
倉岡 寛 藤井 信忠 上田 完次
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.62-69, 2007-01-26
被引用文献数
2

生態系や社会システムなどの現実のシステムにおいて,いかにして協調行動が創発するかということは,大きな関心事である.また,近年,複雑ネットワーク研究によって,多数の構成要素からなるインターネットやタンパク質の化学反応などのネットワークは,スケールフリー性やスモールワールド性の性質を有し,そのような性質がネットワークの機能に深く関わっているということがわかっている.複雑ネットワークにおいていかにして協調行動が創発するのかということは大きな関心事である.その際,ネットワークの構造自体が構成主体の意思決定の結果として進化するということと,ネットワーク上でのダイナミクスは不可分な関係にあると考えられるため,これらは同時に扱う必要があると考えられる.また,実世界では構成主体間で情報は局在性を有しているため,情報の局在性を陽に考慮する必要がある.本研究では,ゲーム理論における空間囚人のジレンマに対し,情報の局在性を導入してモデル化し,エージェントの相互作用の結果創発する協調行動について,計算機実験による検証をおこなった.その結果,情報の局在性が頑健な協調行動を形成する上で有効である,ということが示された.