著者
竹前 三喜夫
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.373-375, 1995

マルチメディア時代の到来と共にデジタルスチルカメラが大きくクローズアップされてきている。当社でも業務用分野に焦点を合わせたSLRタイプデジタルスチルカメラを開発した。一般に此の分野のデジタルスチルカメラは既存の銀塩SLRカメラとの混用が多く, 交換レンズやアクセサリーの共用, 違和感のない操作性が重要となる。しかしながら, これまでのカメラバック方式のデジタルスチルカメラではファインダーの見難さ, 測光領域や測距領域の不都合, 撮影レンズの長焦点距離化等の問題点があった。この為, 新規開発の縮小光学系を採用してこれらの問題を解決し, 更にスピードライトのTTL調光をも可能とした。
著者
瀧宮 和男 杉野 寛佳
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.244-247, 2015 (Released:2016-12-21)
参考文献数
19

有機半導体を用いる薄膜トランジスタにおいて高い移動度を実現するためには,有機半導体の分子構造に加えて,分子集合体(結晶,薄膜など)の構造も重要である.本稿では,幾つかの高移動度有機半導体について,報告されている薄膜トランジスタにおける移動度を参照しつつ,それらの結晶構造を基に分子間の移動積分値を見積もることで,分子集合体における電子構造の次元性を評価した.その結果,高移動度の薄膜トランジスタを与える有機半導体の多くは,分子配列が異なっていても,等方的なキャリア輸送を可能とし得る二次元的な電子構造を持つことが示された.
著者
石川 貞康
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.Suppliment1, pp.6-9, 2003-11-11 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

Silver halide crystals are the functional centers, in other words, the “engines”, of silver halide photographic materials. The process of manufacturing silver halide crystals comprises many technologies that control crystal size, shape, halide composition, and other essential aspects. With a focus on the manufacture of several silver halide crystals, development of recent technologies are reviewed and discussed.
著者
日本写真学会 [編]
出版者
日本写真学会
巻号頁・発行日
1964
著者
竹内 宏
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.273-276, 2013-06-25 (Released:2014-06-17)

ニコンのフラッグシップデジタル一眼レフカメラD4,および有効36.3 M ピクセル一眼レフデジタルカメラD800 に搭載した“アドバンストシーン認識システム”は,測光センサー“91K ピクセルRGB センサー”の情報を用いシーンを分析する事で,オートフォーカス,露出制御,オートホワイトバランスなどのカメラ機能の向上を図る新技術である.本稿では,アドバンストシーン認識システムの開発と特徴について紹介する.
著者
中野谷 一 安達 千波矢
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.296-300, 2014 (Released:2016-09-28)
参考文献数
15

近年,熱活性化遅延蛍光(TADF: Thermally Activated Delayed Fluorescence)過程を有機EL素子の発光材料として利用す ることで,内部量子効率100%に達する高効率有機EL素子が実現され,非常に大きな注目を集めている.本研究では,TADF過程を利用した新たな発光機構として,TADF分子をドナー,蛍光分子をアクセプターとすることで,電流励起によりTADF分子上で生成した全ての励起子を蛍光分子へとエネルギー移動させることを提案し,従来の蛍光材料を発光中心とする有機EL素子においても,リン光素子,TADF素子と同様に理論限界に達する内部量子効率が実現可能であること,さらに,その有機EL素子耐久性も大幅に改善することを明らかとした.
著者
村島 伸治
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.190-194, 2002

我々は, 低価格入門ファミリークラスSLRで, 高価格中級クラスSLRの機能・性能を今までにない超小型ボディに収めることができるプラットフォームを開発した. 我々はそこに, 超小型を実現する全体レイアウト, 高品位な高倍率ファインダー, 超ワイドな多点AF, 合焦箇所を投光表示する技術, 裏蓋開閉ミスを未然に防ぐ安全機構など, 多くの技術を融合させた.
著者
水口 淳
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.287-292, 2005

ディジタルカメラシステムの階調再現に関わる因子と, その影響について論じた. ディジタルカメラシステムの特徴として, 実シーンを再現するシステムであること, 再現画像がモニタディスプレイで鑑賞されることの二点を主にとりあげ, それぞれに起因する問題を論じた. より詳細には, 再生系のビューイングフレアの影響, 撮影時と画像鑑賞時の条件の違いによるカラーアピアランスの問題などが含まれる.
著者
金森 仁志 浅井 義行 若江 祐子 窪田 英明 尾崎 吉明 松本 政雄
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.96-97, 2003

Theoretical and experimental approaches for edge enhancement effect of vision on an X-ray radiographic image were carried out. Psychophysically enhanced portions in density unit at the both sides of a step edge image were derived from MTF's of vision and radiographic systems. Experimantal values were obtained using our new method. Experimental values distributed around theoretical values, and their qualitative behaviour was similar to that of theoretical values. Discrepancy between theoretical and experimental results dues to nonlinearity of human visual system.
著者
高橋 覚 青木 茂樹
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.228-234, 2015 (Released:2016-12-21)
参考文献数
10

我々は原子核乾板から成るガンマ線望遠鏡を開発し,気球フライトによる宇宙ガンマ線観測計画(GRAINE計画:Gamma-Ray Astro Imager with Nucler Emulsion)を推進している.これまでに達成した成果を概観し,将来展望について述べる.
著者
有村 秀孝 窪田 英明 松本 政雄 金森 仁志
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.228-235, 1998

本研究の目的は医療用増感紙-フィルム系に対する特性曲線の形の管電圧依存性を調べることである。管電圧50kVから100kVで5種類の系の特性曲線を測定した。それは両面増感紙/両面乳剤フィルム系 (dual system) を使って作成したX線写真の (1) 両面乳剤,(2) フロント乳剤と (3) バック乳剤の特性曲線とフロント増感紙またはバック増感紙からの光を遮断したdual system (single system) を使って作成したX線写真の (4) フロント乳剤と (5) バック乳剤の特性曲線である。ダブルクロスオーバー光を考慮して特性曲線の形の管電圧依存性を理論的に調べるために, SilbersteinとVybornyの特性曲線の式を変更した。その式を使うために, フロント増感紙が発する露光量に対するバック増感紙の発する露光量の比 (相対露光量) の管電圧依存性を求めた。相対露光量は特性曲線の形に最も影響を及ぼす要因である。結果として, 測定した5種類の特性曲線の形は管電圧にほとんど依存しなかった。本研究で用いた系に関して, 変更した式を使い, 次の2つのことを示した。(1) 管電圧50kVから100kVまでの相対露光量の0.538から0.667の範囲ではdualsystemの特性曲線の形はほとんど変化しない。(2) 相対露光量が0.4以下になる低い管電圧ではdualsystemの両面乳剤の特性曲線の形が明かに変化する。
著者
相原 聡
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.320-326, 2006-10-25 (Released:2011-02-17)
参考文献数
17

単板式の超小型・高精細カラーカメラを目指して, 光の3原色それぞれにのみ感度を持つ有機光電変換膜を積層した単板カラー撮像デバイスの研究に取り組んでいる. セルを用いた実験では有機材料を選択することで光の3原色にほぼ対応した感度を持つ有機光電変換膜が作製できることを確認し, 有機光電変換膜を適用した撮像管による動作実験ではハイビジョンにも対応可能な高い解像度が得られることがわかった. さらに, 有機膜を1枚積層したCMOSイメージセンサを試作し特性評価を行ったところ, 有機膜で生成された電荷による明瞭な信号出力電圧が観測され, 有機材料を光電変換部に適用した積層型単板カラー撮像デバイスの開発に見通しを得ることができた.
著者
船生 望 小川 誠 内藤 明 田中 益男 大野 信
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.152-159, 2005-04-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3

著者らは, デジタル写真システムの階調特性を直接, 電子的に評価する研究を行っている.本報では, 明るい被写体をデジタルカメラ (DSC) で撮影し, PCディスプレイ画面やプリンタで再現した画像における階調特性に対するカメラの影響をD-CTS (Digital Camera-through Sensitometry) で検討した結果を記す.石膏の円錐体を明るく照明してカメラ撮影して得た所謂ハイキー調なデジタル写真画像の階調性にもDSC機種の階調に対する依存性が現れた. そこで, その状況をD-CTSにて検討するために, 前報において用いた明度リニアステップチャートを, 明るい領域のみに限定した明度域の分割チャートを制作した. そのチャートを用いたD-CTSにおいてPC画面上で測色するSoftcopy Evaluationによると, 明るい階調においてのDSC機種の階調に対する依存性がはっきりと現れた. 一方, 従来からの等濃度ステップのGray Scaleチャートを用いたCTSによるDensitometryでは, DSC機種の階調に対する依存性は顕著ではなかった. 検討の結果, 明度の領域を明るい領域に限定した等明度ステップチャートは, 明るい被写体に対するDSC毎の階調再現性を評価するのに適するD-CTSのターゲットとなることがわかった.
著者
丹羽 公雄
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.561-568, 2004-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14

写真乾板を放射線の飛跡検出器に特化した原子核乾板は素粒子・原子核・宇宙線などの放射線を3次元的な飛跡としで記録する検出器である.最近になっで, 光学顕微鏡による観察時間の障害が自動飛跡読み取り技術によっで克服された.ミクロンの空間分解能で放射線の飛跡を捉える能力を活用した素粒子・原子核・宇宙線などの実験を紹介し, 今後の原子核乳剤自身の改良すべき課題についでも議論する.
著者
荒木 昭生
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.135-153, 1971-09-30 (Released:2011-08-11)

Exposure mechanisms of a camera have been rapidly developped after the war.The original type of this exposure adjustment mechanisms of the camera was Semi Automatic Type (manual adjustment mechanisms by means of linking mechanisms in accordance with the indication of exposuremeter).And Automatic Type of exposure adjustment mechanisms called E.E.(Electric Eye) appeared.Now Electric Shutter Camera is the most popular.Further more the electric shutter camera with a flash photographic apparatous is popular as Full Automatic Camera.This paper reports technical tendency of exposure adjustment of camera in Japanese patent and/or utility model publications with their statistical graphs and examples.
著者
山形 由史
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.148-151, 2004

自然科学系の学会誌や理科教育の雑誌と日本写真学会誌との共通点に関しては明確ではないが, 化石は, 何百・何千万年単位の文化財保存という観点で共通性があるかもしれないということで, 寄稿することにしました.<BR>文化財の中にも, 今まで一般に知れることなくどこかに埋もれていたものが, 何かの機会に発見・発掘され, その意義が見直されたりすることがよくあるようです.古生物学における貴重な化石の発見・発掘も, そうした文化遺産の発見・発掘の経緯によく似ていることもあるのではないかということで, この学会誌のページを埋める意義をそのあたりに求めて, 気楽に読んで頂けることを期待しております.<BR>原稿には, 先頃科学教育研究協議会編集の理科教育雑誌「理科教室」に投稿したものを, 少し手直しして転載します.
著者
浜野 裕司 田部 洋
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.225-231, 1976-07-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
21
著者
松田 義弘 高橋 則英 原 正人
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.22-23, 2006

The latest digital ink-jet prints have achieved excellent image quality, not only of color photographs, but also monochrome images, of which many photographers still think as important media for fine art and creative photography. In this presentation, discussed is the image stability of those digital ink-jet B & W prints. To evaluate the stabilities, used for accelerated aging are xenon and fluorescent light test, thermal chamber test and ozone exposure test. Through those aging test, the latest ink-jet prints are evaluated as having exceedingly improved image stability.
著者
佐藤 徹哉 山本 紀和 中村 誠
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.191-196, 2006-06-25 (Released:2011-02-17)

世界初の有効840万画素16: 9CCD, 広角28mm相当からの光学4倍の光学式手プレ補正 (O.I.S.: Optical Image Stabilizer) 搭載Leica DC Vario-Elmaritレンズを搭載したDMC-LX1により, 撮影アスペクト比を操る楽しみをはじめとする新たな楽しさの提案を行った.新開発のレンズとCCDをはじめとする要素技術とデザインが一体となって商品開発を行って, コンパクトサイズを犠牲にすることなくクリエイティブコンパクトモデルと称するにふさわしい表現力を備えたカメラを実現した. ユーザアンケートの結果では, 購入者の多くが新たな16: 9での撮影に満足されている一方で, 4: 3での撮影と併せて, 撮影アスペクト比を一つの表現手段として使う様子が伺われた.

1 0 0 0 OA 21世紀の科学

著者
神前 熈
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.566-572, 1995-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13

20世紀の初頭における物理学の革命的な発展を教訓として, 科学の今世紀における進歩のあとを反省し, 21世紀における自然科学の未来像を予測する。科学の発展は, 異なる学問分野間の「結合と統一」を指向していることが結論される。