著者
島 和也
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.245-252, 2009 (Released:2011-09-28)
参考文献数
6

ステレオ写真の撮影法と観賞法について紹介する.
著者
間島 英之
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 = Journal of The Society of Photographic Science and Technology of Japan (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.499-500, 2005-12-25

カラーインクジェットプリンターとデジタルカメラの台頭によって, カメラ雑誌への投稿も大きく変化してきている. 家庭で手軽にプリントできることから, ディジタルカメラをソースとしたカラープリント部ものが増え, プリンターの苦手なモノクロプリントやカラースライドの部門が減少しているなどの変化が起きている. もし, インクジェットプリンターが白黒プリントを上手に打てるようになれば, 増えるかもしれない.
著者
梅本 眞
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.33-40, 2018 (Released:2019-03-01)
参考文献数
11

1990年代後半から写真のデジタル化が進み,プリント材料も銀塩の印画紙の他に様々な方式が用いられるようになった. 本稿では,カラー印画紙を中心に,銀塩プリント材料の歴史と画像形成原理,画像保存性及びその向上技術について解説する.
著者
高田 俊二
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.76-86, 2016 (Released:2017-03-22)
参考文献数
23

「写真のその場可視化」 はポラロイド社の第二の創業の課題であった.その課題は1972年発売されたモノシートカラー写真SX-70によって,カメラのサイズを除き完成の域に近づいた.しかし創設者Landの引退に伴い,ポラロイド社の方針は大衆化のための廉価版路線に変更され,インスタント写真の輝きは褪めていった.その競合だった一般写真は,小型の全自動カメラ・高感度カラーフィルム・ミニラボ短時間仕上げによって,その魅力を増していった.一方,電子カメラは1981年のマビカ発表以来足踏みを続けていたが,1995年発売されたカシオQV-10が民生品として普及の先駆けとなった.そしてランドの描いた夢は液晶ディスプレー付のデジタルカメラで実現されていく.
著者
小谷 朋子
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.210-214, 2011 (Released:2012-10-31)
参考文献数
6
被引用文献数
2

白色LEDは,発光効率の向上に伴い照明分野において省エネルギーへの貢献が期待され,住宅やオフィス,店舗,屋外照明などの一般照明用光源として広く利用されるようになりつつある.しかし,白色LEDは半導体であり,電気エネルギーを光に換える光源であることから,既存光源と発光原理が違うために分光分布が異なり,物を照明した場合の色の見えに影響を及ぼすと考えられる.ここでは,LED照明の一般的な特徴・構造などについて既存光源との違いを比較し,現行のCIE(国際照明委員会)およびJISの演色性評価方法の紹介とLED照明の演色性について述べる.
著者
豊田 堅二
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.41-45, 2017 (Released:2018-03-02)

カメラの主要な構成要素であるシャッターは,デジタルカメラの時代になってもその役割に変化はないが,技術的な側面はさまざまに変化してきている.本稿ではその解説の第1部としてシャッターの機能の基礎的な事項とシャッター効率について論じる.
著者
三浦 翔平 西村 麻美 小林 範久
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.38-39, 2006

We studied organic electrochromic materials, which showed vivid color change to cyan, magenta or yellow upon electrochemical stimulation, from a view point of a new class of color electronic paper. Coloring and bleaching could be repeated without any decay over 500 cycles. Further, flexible electrochromic cell with gel polymer electrolyte has also been demonstrated.
著者
平林 達也 杉本 秀樹
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.69, no.Suppliment, pp.24-25, 2006-06-02 (Released:2011-02-17)
参考文献数
2

Color images recorded on photographic films are inherently vulnerable to aging regardless of their highly cultural or historic values. Their colors inescapably fade away in storage. A totally analogue method utilizing the masking technique of tri-color separation is developed and proposed here in below to perfectly restore faded original color film images.
著者
小林 敏夫
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.18-23, 2018 (Released:2019-03-01)
参考文献数
10

2015年,「インターネットの父」の一人と言われるヴィントン・サーフ氏(Google副社長)は,「21世紀は将来の歴史家から忘れ去られるだろう」と述べ,今さまざまな記憶媒体に保存されている文書やデータは,消失する危機にさらされていると警鐘を鳴らした.本稿では,今後記憶媒体の主流になる可能性がある半導体不揮発性メモリの現状について紹介するとともに,超長期保管用メモリを作ることは技術的に可能であることとその必要性を訴えることの重要性について述べる.
著者
三浦 翔平 西村 麻美 小林 範久
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.134-135, 2005

We studied electrochemical properties of electrochromic materials, which showed reversible color change by electronic stimuli, from a view point of paper-like electronic imaging device. Electrochemical materials showing color changes from clear to the three primary colors such as RGB or CMY should be required to realize full color paper-like electronic imaging decvice. In this paper, we studied electrochromic characteristics of phthalate derivatives from the view point of its color and the electrochromic mechanism for paper-like display.
著者
新井 英夫
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.8-10, 2013

東日本大震災(2011)後,津波被災写真に著しいカビ被害が発生していた.筆者は,文化財の保存に活用している水溶性・非蒸散性の防菌防黴剤 ホクサイドR-150(北興産業(株))の応用を考えた.ホクサイドR-150は,クロロメチルイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンの混合剤である.本実験は,被災写真をホクサイドR-150 1.0%を含有する保存環境除菌剤JE-120に浸漬処理するにあたって,写真材質への影響に留意して防カビ効果を検討した.<br>
著者
久下 謙一
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.377-389, 1989-10-28 (Released:2011-08-11)
参考文献数
54

A detailed review is made for the mechanism of reduction sensitization. Experimental results with regard to it are summarized, that is, it increases both surface and internal sensitivity, does not decrease photoconductivity, and depresses low intensity reciprocity failure, action of it does not compete sulfur sensitization or phenosafranine, and its specks are destroyed by exposure. They seem to suggest that reduction sensitization specks act as hole traps. It is also shown that opposite phenomena exist especially at high level of sensitization, that is, decrease of internal sensitivity and photoconductivity. Presence of two kinds of reduction sensitization specks, acting as electron traps and hole traps, is considered. Discussions about a difference between them are introduces. One hypothesis for the difference is the size and the other is the electric charge. At the former, small specks are hole traps and large specks are electron traps. At the latter, positively charged specks are electron traps and negatively charged or neutral specks are hole traps. It is suggested that at small specks difference of charge determines those properties but at large specks this difference does not become important and they mainly act as electron traps. It is also emphasized that hole trapping and halogen accepting are different action and the destruction of reduction sensitization specks by exposure is a phenomenon of solarization.
著者
渡辺 和男
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.72-76, 1998-04-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15

コラーゲンの構造と性質について, ゼラチンのそれらと対比させて記した。コラーゲンとゼラチンは同じアミノ酸組成を示すにもかかわらず, コラーゲンの性質 (たとえば, 粘度, 保湿性, タンパク質分解酵素抵抗性) は, ゼラチンのそれとはまったく違う。これは, コラーゲンとゼラチンの構造の違いによるのだろう。コラーゲンは3重ヘリックス構造であるのに対し, ゼラチンはランダムコイル構造である。コラーゲンの特異な性質は, そのユニークな分子構造に起因するのだろう。
著者
岡村 寿
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.211-217, 1992

Acyl-hydrazides nucleating agents promotes high contrast and high photographic speed in the black and white negative films. Such nucleating agents have been used in graphic arts films since 1984. Now, we are interested in these acyl-hycdrazides as a new class of imagewise releaser of a photographically useful group or a new redox compound.<BR>This article describes some kinetic studies concerning with the oxidation reaction followed by hydrolysis of acyl-hydrazide derivatives and also some properties of the key reaction intermediate. New application of acyl-hydrazide compounds to the developer inhibitor releaser (DIR) in the micro-area inhibition technology (MAI-Technology) of Fuji Super Grandex graphic arts materials, is also reviewed.
著者
安田 仲宏 久下 謙一 小林 孝治 青木 直和 長谷川 朗 熊谷 宏
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.87-91, 2001-04-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いることにより, イオン粒子線飛跡の3次元情報を得る新しい手法を開発した。市販のカラーフィルムに粒子線を照射した。飛跡の深さの違いがカラー像として現出し, 3次元情報をカラー情報から得ることができた。また, 最少電離粒子に対して感度を有する原子核乳剤に3種類のカプラーを混ぜて, 3層に塗布したカラー原子核乾板を作製し, 粒子線を照射してカラー現像を行った。飛跡の深さの違いによる, 3色の発色が確認された。この手法の優位性と限界について原子核乾板における飛跡と比較して考察した。
著者
前野 清太朗 西澤 尚平 小林 秀成
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.133-142, 2005-04-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
1

石川県下の高校で最大量であった化学実験廃液を再処理し, 処理料金を節約することを考えて1999年から研究を開始, 2000年には銀廃液から金属銀を回収し硝酸銀を再生することに成功した. この方法を石川県下の化学研究発表会で発表し, 他校における実践を勧誘した. 2002年に金沢二水高校化学部から譲渡された, 主として塩化銀からなる銀固形廃棄物, 約2.6kgを濃アンモニア水に溶解し, 銅片を投入することで金属銀を回収した. 回収銀は, 銀固形廃棄物1.7kgに対して273gであった. この銀をさらに濃硝酸に溶解し, 30gの銀から硝酸銀33gを得て, 再生に要する試薬の価格よりも生成した硝酸銀の価格が上回ることを証明し, 資源回収が経済的に成り立つことを示した.この硝酸銀を使用して, コロジオン湿版写真法の再現を試みた. 金沢大学名誉教授の板垣英治氏から紹介された「写真鏡図説 (慶応3年, 柳河春三著)」を現代語訳し, コロジオン湿版の作成と現像を行った. 撮影に使用したカメラもこの図説を元にして設計・製作したもので,“世界に一つしかない” カメラとなった. この自作カメラと感材を使用して30回以上試写し, 写真を得ることができた.この一連の研究により, 写真術のような一見複雑そうなものも, 原理を学び理解すれば, 身近なものを用いて自作できることが体験でき, 研究の成果をしっかりとまとめておけば, 時代を超えて, その研究を蘇らせることができることを学ぶことができた.
著者
渡辺 泰宏 野宮 誠 佐藤 伸江 居野家 浩
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.311-315, 2004-06-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

2003年に弊社が発表した「Konica Color CENTURIA PRO 400」,「Konica Color CENTURIA PORTRAIT 400」はポートレート市場の動向に応えた高感度・高画質なプロ用カラーネガフィルムである.「ポートレート撮影に適したきめ細やかな肌の描写性」をコンセプトとして開発し, 高感度フィルムでありながら従来のフィルムから肌色再現性, 肌の調子再現性, シャドー部の粒状性を大幅に向上させており, 様々な撮影条件下で撮影されるロケーションフォトに最適な設計を行っている. 本報告では「Konica Color CENTURIA PRO 400」,「Konica Color CENTURIA PORTRAIT 400」の商品コンセプト, 設計の考え方, 及び達成技術に関して紹介する.
著者
清野 晶宏
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.22-27, 2012 (Released:2013-02-20)
参考文献数
2

デジタルデータを保存する記録メディアは数多く存在し,その用途に応じて最適な記録メディアが選択されている.本論文では長期保存のためのメディアとしてフィルムを取り上げたい.フィルムは歴史的に実証されている長期保存が可能な記録メディアである.フィルムにデジタルデータを記録する方法として,デジタルデータを画像化してフィルムレコーディングする手法があり,その技術検証の結果を報告する.
著者
丹生 潔
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.219-228, 2008-08-25 (Released:2011-01-04)
参考文献数
33

第4種の基本粒子チャームを単独で含む素粒子「裸のチャーム粒子」は1971年に日本で, 両面塗布原子核乾板を用いた宇宙線実験で発見された. 米国の加速器実験で1974年にチャーム・反チャームの一対からなる「隠されたチャーム粒子」J/Ψが発見される3年も前のことである. 日本のグループは1975年には, 加速器で生成された人工の「裸のチャーム粒子」も発見し, また, 宇宙線反応で生成された荷電・中性両成分のチャーム粒子の間に数倍の寿命差があることを指摘した. その約10年後に, 原子核乾板と電磁測定器とを組み合わせた複合実験装置を用いて米国の加速器領域で行った精密実験で, この寿命差を再確認した. 更に, ヨーロッパの加速器を用いた別の複合実験で, 1個の反応で2組のチャーム粒子対計4個が同時発生する珍しい現象2例を発見した. これらは全てチャーム粒子研究の歴史の中で特筆されるべき成果である.