著者
児玉 忠恭 有本 信雄
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.C67-C70, 1996

独自に恒星の進化計算を行ない、種族合成コードを構築した。このコードを用いて楕円銀河の周りの球状星団系の色、光度の分布をシュミレートした。ハローの化学進化と球状星団の力学的崩壊過程も考慮した。その結果を典型的な楕円銀河(NGC3923,NGC4472)の球状星団系の観測データと比較し、これらの星団系の形成期に制限を与えた。結果は、星団の形成開始期は12-18Gyrs前で最初の2-3Gyrsの間にほとんどの星団が形成されたとすると、色、光度の分布を同時に再現できることが分かった。平均重元素量は[M/H]〜-0.7程度である。すなわち、銀河系の球状星団系と年齢はほぼ同じで、重元素量は約一桁高い。また、乙女座銀河団の球状星団光度関数(GCLF)のピークは銀河系の球状星団のものに比べ、ΔM_B〜0.5等暗いが、これは重元素量の違いだけで説明できることが分かった。
著者
堀田 暁介
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.115, no.2, pp.52-129, 2007-06-20 (Released:2017-10-02)

一般相対論の範囲ではブラックホールのホライズンの表面積は熱力学的なエントロピーと見なせるという、Bekenstein-Hawking公式が以前から知られていた。そこで本論文では一般相対論を更に拡張させて、超弦理論の4次元での有効理論として導かれる、任意個のベクトル多重項とハイパー多重項が結合し、なおかっ高階の微分項を含んだN=2の超重力理論において、ブラックホールエントロピーがBekenstein-Hawking公式からどのようにずれるかを細かく分析した。またその際に、ホライズンでのスカラー場の値は、無限遠方での値に関係なくブラックホールの持つ電荷と磁荷によって完全に決定されるという「アトラクター機構」のはたらきが現れる。この性質について摂動計算などを含め、定性的、定量的に議論した。
著者
南部 陽一郎
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
no.4, pp.226-228, 1949

朝永-Schuringer理論によつて核子の磁気能率を扱うことは既にCase, Luttingerによつて行われ,その結果が報告されている。ここでは同じような計算をscalar及びpseudoscalar中間子の場合について行つた結果をとりあえず報告する。但しまだ検算が不十分であるからニ、三の誤りがあるかもしれない。計算方法は大体Schuringerをそのまゝ模倣した。