著者
千坂 英雄 草薙 得一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.185-190, 1978-12-25

水稲不耕起直播栽培における雑草の出芽の経過を耕起直播と比較した。(1)タイヌビエ・コナギ・キガシグサ等の一年生雑草は,種子が耕土表層に分布する不耕起直播で多発し,それぞれ耕起直播の3〜5倍,4倍,40倍であった。(2)タイヌビエは,耕起の有無にかかわらず,乾田の全期間にわたって不整一に出芽が継続した。(3)ミズガヤツリの場合,不耕起直播では耕起によるストローンの切断がないため,増殖源である塊茎群数は耕起直播の約1/2であり,これが主因となって塊茎由来の親株が少なかった。しかし出芽期が早いので,生育・分株形成が盛んで,結局耕起直播に比べ乾田期間の生育株数と繁茂量は著しく多くなった。(4)クログワイの出芽と増殖は,耕起の有無によってほとんど変らなかった。
著者
米倉 正直
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.64-68, 1979-08-25
被引用文献数
3

カブトエビの自然発生数と水田雑草の除草効果との関係を究明するため,1m^2のコンクリート枠で,前年に自然発生した土壌を添加して試験を行い,次の結果を得た。1)発生雑草はキガシグサ,ミゾハコベなどの広葉雑草が主体で,そのほかノビエ,カヤツリグサ科雑草などが混生し,合計発生本数4,000本/m^2以上の,きわめて雑草発生量の多い条件であった。2)カブトエビは雑草の出芽時期(代掻き4〜8日後)とほぼ同一時期に発生した。アシアカブトエビとアメリカカブトエビの二種が発生したが,アシアカブトエビが主体であった。3)代掻き後16日におけるカブトエビ発生数は,5〜266匹/m^2であった。カブトエビを背甲長によって分級し,中個体(背甲長10〜13mm)に換算して換算個体数を求めた。代掻き後16日におけるカブトエビの換算個体数(x)と残存雑草本数対無放飼区比率(y%)との間にはr=-0.793という,かなり高い負の相関が認められた。草種別にみると,カヤツリグサ科雑草,キカシグサなどとの間で相関が高かったのに対し,ノビエ,コナギでは相関が小さく,効果に変動がみられた。4)前述したxとyとの間には,y=1/1.046x1.0518^xの回帰式が適合した。この回帰曲線から推定して,雑草発生本数を無放飼区の10%以下の発生数(実用的除草効果)に抑制するには,代掻き後約2週間の時点でm^2当たり50匹程度(背甲長1cm程度の個体)のカブトエビの発生が必要と結論された。
著者
佃 和明 村上 充幸 森中 秀夫 続木 建治 一前 宣王 近内 誠登 竹松 哲夫
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.175-181, 1993-10-22
被引用文献数
2

新規水田用除草剤ピリブチガルブの主要水田雑草に対する殺草特性および稚苗イネに対する作用について検討した結果、以下のことが明らかになった。 1) ピリブチガルブは発芽期湛水土壌処理において、タイヌビエ、コナギ、タマガヤツリなどの水田一年生雑草に対して優れた殺草効果を示した。 2) タイヌビエに対しては、発芽期〜2葉期処理において高い殺草効果を示した。イヌホタルイに対しては、発芽直後においてのみ殺草効果を示した。 3)土壌表面から0〜2 cmの、いずれの発生深度のタイヌビエに対しても高い殺草効果を示した。イヌホタルイには土壌の表面から発芽する個体にのみ殺草効果を示した。 4)稚苗イネの植え付け深度を変えて薬害を検討した結果、置き苗の様な極端な状態では薬害を生じたが、深度1 cmの浅植え状態でも薬害を示さなかった。通常の移植条件の稚苗イネには、薬害を生じる可能性が低いと考えられた。 5) ピリブチガルブの土壌中の移動性は極めて小さく、土壌表層に吸着して強固な薬剤処理層を形成しているものと考えられた。
著者
徐 錫元
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究. 別号, 講演会講演要旨 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
no.42, pp.18-19, 2003-04-19

水田畦畔・農道で使用される除草剤は、主として非選択性茎葉処理除草剤であるが、草種によっては効果に薬剤間差がある。したがって、除草剤の選択に際しては、まず、当該地における水田畦畔・農道の出現雑草の植生が把握されていなければならない。このような見地から、筆者は各地の畦畔・農道の雑草植生調査を行なっている。本調査では愛知県一宮市および岐阜市長森での調査結果を報告する。
著者
伊藤 操子 敖 敏 伊藤 幹二
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.256-262, 2006-12-22 (Released:2007-10-19)
参考文献数
17
被引用文献数
5 3