著者
繪内 利啓 宮前 義和 森 俊博 光村 拓也 出石 良美
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.71-85, 2003-09

我々は学習障害や注意欠陥/多動性障害をもつ児童への教育的支援を目的として,過去4年間研究プロジェクトに取り組んできた。本プロジェクトでは学部学生を需要のある教育現場に派遣し,我々が巡回相談という形で,後方支援するという体制をとっていたが,2年目の需要が拡大し過ぎたため,3-4年目には屋島小学校での放課後オープン教室に学部学生が参加協力し,必要に応じて我々が個別相談を行うという方式で研究プロジェクトを継続した。特にオープン教室への学生参加については,新しい試みであり,2年間にわたって保護者等にアンケート調査を行い,その結果を併せて報告した。
著者
山本 淳子 大久保 智生 藤井 浩史 辻 幸治 横山 新二 有馬 道久
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.41-47, 2007

本研究では,少人数学級や複数担任による少人数指導という物理的措置(学級規模)が,保護者の学校生活認知と子育て不安とに及ぼす影響について検討することを目的とした。研究1では,小学校1年生〜3年生の保護者339名を対象に質問紙調査を実施し,「保護者用学校生活認知尺度」および「子育て不安尺度」を作成した。研究2では,小学校1年生〜3年生の保護者556名を対象に,作成した尺度を用いて質問紙調査を実施した。結果から,少人数学級に在籍する子どもをもつ保護者の「対教師認知」の平均値が通常学級の保護者に比較して高いこと,逆に「子育て不安」の平均値は最も低いことが明らかとなった。少人数学級編制の導入は,保護者の教師に対するポジティブな認知と情緒の安定にプラスの影響を及ぼすのではないかと考察された。
著者
大久保 智生 山本 淳子 藤井 浩史 辻 幸治 横山 新二 有馬 道久
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.33-39, 2007

本研究では,少人数学級や複数担任による少人数指導という学級規模が児童の学級適応に及ぼす影響について検討することを目的とした。附属高松小学校の1年生112名,2年生99名,3年生119名と附属坂出小学校の1年生75名,2年生78名,3年生80名の計563名を対象に教師の指導行動に対する認知尺度と学級適応測定尺度を実施した。少人数学級,複数担任学級,通常学級における教師の指導行動および児童の学級適応の比較を行った結果,概して,30名の少人数学級と40名の複数担任学級の児童のほうが40名の通常学級の児童よりも教師の指導行動を肯定的に認知しており,学級へ適応していることが明らかになった。最後に学級規模とその教育効果についての今後の研究の方向性について示された。
著者
中尾 亜紀 戸田 有一 宮前 義和
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.169-179, 2008

本研究では,学校におけるピア・サポートを体系的に理解するための試みとして,調査を行った。調査結果を検討したところ,実施規模,実践の特徴,トレーニングと支援活動の有無という次元による分類が,体系的な理解に有用であろうと思われた。実践を分類したところ,「全校規模で,特定の子どもたちへのトレーニングと支援活動を行った」例と,「学年や学級の子どもたち全員へのトレーニングと支援活動を行った」例が多かった。
著者
表 三貴 繪内 利啓 宮前 義和
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.123-132, 2008

本研究では,「学校生活の質」という概念を提唱し,学校生活の質チェックリスト(小学生版)を作成することを目的とした。研究Iでは,学校生活の質チェックリストの項目を収集,選定して,信頼性の検討を行った。研究IIでは,臨床的妥当性を検討した結果,学校生活の質チェックリストの一部において,支援を必要とする子どもを弁別できることが示された。最後に学校生活の質チェックリストの活用について考察を行った。
著者
繪内 利啓 杉山 愛 馬場 恵子 丸峯 良子 水嶋 由紀 高原 香織 井上 寛子 田中 栄美子 馬場 広充
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.33-46, 2006-09

本研究では,学級全体にSSTを実施するというCSSTを,A小学校において200X年2月〜200X+1年1月まで計5回にわたり実践した。ここでは学級全体の社会的スキルの向上と,学級の仲間関係の改善を目的とし,岡田(2001)の「指導のための児童用ソーシャルスキル尺度」を用いて,「集団行動」,「協調行動」,「セルフ・コントロール・スキル」,「仲間関与スキル」,「言語的コミュニケーション・スキル」の5領域で,その効果を判定した。その結果,ある程度長期間継続することでCSSTの効果が得られることが示唆された。
著者
坂井 聡
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.51-59, 2005-09

高等部一年に在籍する重度の知的障害のある自閉症をもつ生徒に対し,視覚的な支援としてカードを用いて通学指導を実施した。指導は実際の通学場面を使って行った。本児はカードに書かれたことを手がかりとしながら適切な行動を身につけ,電車を使った通学ができるようになった。地域社会での集中的な指導と視覚的な手がかりの活用は,社会生活スキルの獲得を容易にすると同時に,獲得行動の長期維持,般化につながる可能性をもっている。
著者
毛利 猛
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.29-34, 2006-03
被引用文献数
1

多くの文科系の大学数員にとって,大学における代表的な授業形式と言えば,講義と演習(ゼミナール)を意味することは間違いなかろう。近年,大学の授業を見直そうという動きが強まり,高等教育研究もかなりの活況を呈しているが,しかし,上の二つの授業形式のうち,ゼミナールのあり方に関する研究はあまりなされていない。本研究では,教員養成学部で教えている私自身の経験の反省に基づいて,ゼミナールにおける教育活動について考察する。
著者
青木 昌三 宮崎 英一
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-24, 2004-09

本研究では,携帯電話を情報提供デバイスとした休講通知を中心とする掲示システムを,Windows XP上に構築した。システムはパーソナル・コンピュータとネットワーク環境さえ整っていれば,誰でもが簡単に構築でき,ユーザに村してデータ構造を隠蔽することで,プログラムの専門的な知識が無くても簡単に運用が可能である。更に,ユーザインターフェース部分とデータ構造の変更でユーザが要求するシステムへと簡単に変更ができる。また本研究で作成したプログラムはOSに依存しないため,Windows系OS以外でも実装可能であり,より幅広い分野への適応が考えられる。