著者
小林 信重
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.90-94, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
20

本研究は「ドラゴンクエストシリーズ」「いただきストリートシリーズ」などのコンピュータゲームの制作者として知られる堀井雄二に注目し、彼が大学を卒業してから著名なゲームデザイナーになるまでのフリーライター時代(1978~1988 年)の社会的文脈(大学漫研出身者の互助関係、東京のマスメディア、消費社会化)が、彼の創作活動に果たした役割を、新聞・雑誌記事などの資料の収集と分析に基づいて明らかにする。
著者
坂内 蓮 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.99-104, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
10

本稿では,対戦型格闘ゲームにおける解釈可能なリアルタイム勝利予測モデルを提案する.e-Sports の勝利予測研究の多くは,MOBA に焦点を当て,ゲーム進行度を時間によって定義する手法を主に採用している.しかし,対戦型格闘ゲームは試合時間にばらつきがあるため,この手法は必ずしも最適ではない.そこで本稿では,ゲームの進行度を時間ではなく体力量に基づいて定義するモデルを提案し,有効性を示す.
著者
赤井 亮太 吉野 朱香 中村 晴信 沖田 善光
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.124-127, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
10

現在のゲームの入力インターフェース(IF)は健常者中心の設計で、障碍者のニーズは十分に対応されていない。そこで本研究では、誰もが自然に行っている動作である呼吸を用いた新しい入力 IF の開発を試みた。従来の呼吸の測定法は拘束感があり、長時間使用に適さないため、心電図から推定した呼吸信号を基にゲームへのコマンド入力を作成した。次に、心電図からの推定呼吸信号がゲームへの入力として利用できるかを検討した。
著者
福浦 友香
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2022 夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.36-41, 2022 (Released:2023-02-24)
参考文献数
55

ゲームの中で写真撮影を行う「インゲームフォトグラフィー」という活動がある。プレイヤーにとってのインゲームフォトグラフィーの役割を明らかにすることが本研究の目的である。本研究では、写真AI を具体的事例として、写真AI によるインゲームフォトグラフィーはゲームにおける観光写真として機能しているのかについて考察を行う。そのために写真AI によるインゲームフォトグラフィーがどのような特徴を持ち、観光写真の内容と類似する点があるのか、ということを整理していく。
著者
花崎 七海 本田 澄
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.75-77, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
7

本研究は FPS のプロ選手がスモークプレイヤーを利用する際にゲーム画面のどこを見て状況の判断や操作を行っているかを明らかとする.そこで我々はアイトラッカーを用いて,VALORANT のスモークプレイヤーを利用するプロ選手を対象として,試合中のゲーム画面に対する視線の注目箇所と操作の意思決定の関係を分析する.この結果を利用することで競技における新たな戦略の立案の支援となることが考えられる.
著者
中林 寿文
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.164-168, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
19

アミューズメントゲーム機は筐体のデザイン、コントローラー、ソフトウェアの総体として構成されている。これらを保管・展示する重要性は増しているが、動態保存し試遊展示する為の保守手法は必ずしも整理されてはいない。そこで、本稿では一定量量産される工業製品である点に着目して、次世代に引き継ぐために資料の劣化を防ぐ方法と保存修復について検討する。
著者
八木 聖太 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.131-135, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
4

本稿では,First Person Shooter(FPS)の試合観戦者を対象とした,実況解説の補足情報を検討する.スピード感のある戦闘が複数場所で展開される FPS において,典型的な実況解説では,相手を倒したシーンやキャラクタの位置を主な対象としている.本稿では,実際の実況解説の映像から,実況解説者の発話を抽出し,内容に基づく分類を行うほか,観戦者に対する聞き取り調査を行い,補足情報を検討する.
著者
張 佳
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.48-53, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
11

本研究では、中国の女性ゲーマーを対象にインタビュー調査を行い、デジタルゲーム文化におけるミソジニーの問題を明らかにした。結果として、ゲーム文化は、女性に対して排他的かつ男性支配的であるという実態が浮き彫りとなった。また、「女性」と「ゲーマー」という 2 つのアイデンティティの間には矛盾があることが明らかとなった。さらに、女性ゲーマーは、様々な対策を講じてゲーム文化におけるミソジニーに対抗しているものの、彼女らの対策では、この差別の構造を覆すことができないという限界がある。
著者
高 峰 阿部 雅樹 渡辺 大地
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.35-38, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
4

人肌のリアルタイムな描画は、物体内部で生じる表面下散乱現象のシミュレーションに膨大な計算が必要となるため,困難であると言える.レンダリング効率を上げるために、多くのゲームでは肌の透過光効果を無視している. Pre-Integrated Skin Shading の方法に基づいて、より正確な人肌透過光表現を実現する手法を提案する.光と法線のなす角度と皮膚の厚さをパラメータとし、深度マップに基づく事前計算による透過光効果を LUT で保存してルックアップテーブルの色値を読み取り、そのまま照明計算の透過輝度として使用できるため、計算速度を向上することができる.
著者
耿 義
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.60-63, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
11

近年、中国のスマホゲームは日本において影響力がますます大きくなり、多くのプレイヤーを引きつけている。しかし、これらのゲームには日本要素が取り入れられているという共通点がある。これは、中国が文化大国として自負している国にとっては驚くべきことであろう。本研究では、日本市場で最も人気のあるいくつかの中国のスマホゲーム(「陰陽師」、「原神」、「IdentityV」、「崩壞:スターレイル」など)を基に、その中に含まれる日本要素を探求し、中国のスマホゲームがなぜそうするのか、そしてその影響について分析する。
著者
髙橋 秀太朗 服部 峻 高原 まどか
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2022 夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.45-48, 2022 (Released:2023-02-24)
参考文献数
2

人間のデバッガーの代わりにバグを判別可能なデバッグAI を構築するためには、プレイ動画からのバグ発見や、効率的なバグ発見のためのプレイ操作系列の自動生成など課題は多いが、ルールベースや機械学習が応用できるのではないかと考えた。そこで本稿では、テトリスゲームを題材に、人間プレイヤー操作によるバグ発生を含むプレイ動画を画像認識して、ルールベースでバグ発見するデバッグAI を試作し、その性能を検証する。
著者
立場 貴文
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2021 夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.15-18, 2021 (Released:2023-03-08)
参考文献数
9

本稿の目的は、ビデオゲーム におけるチート行為の不正さについて、どのような場合にそれが不正になるか、またチート行為が不正である場合には、なぜそれが不正であるかについて考察することである。近年とりわけ問題となっているオンラインゲームにおけるチート行為の事例を日本で争われた裁判も参照しつつ検討し、経済的損失や通常業務の妨害などの法理では、かならずしもそうした行為の不正さを取り扱うことができないことを示す(第2 節)。最後に、広くゲームに関して議論してきたスポーツの哲学の立場を手掛かりに、オンラインゲームにおけるチート行為の不正さはどこにあるのかということに関する考察を行う(第3 節)。
著者
玉宮 義之 青木 春佳
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2021 夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.70-72, 2021 (Released:2023-03-08)
参考文献数
5

これまでに、小説などを題材として物事の顛末を明らかにすること(ネタバレ)が作品の面白さに与える影響について検討されてきた。しかし、インタラクティブなメディアであるデジタルゲームの面白さに、ネタバレがどのような影響を与えるのかについては未だ検討されていない。近年はゲーム実況などの配信が人気となっており、ネタバレの影響について検討することの妥当性は高まりつつある。そこで本研究では、ゲームの内容をネタバレすることで面白さが変化するのかを検討した。参加者はネタバレを独立変数とするいくつかの条件に分けられた。そしてゲームで遊んだ後に、そのゲームについての評定を行った。分析の結果、ネタバレの効果は見られず、インタラクティブなメディアであるデジタルゲームの特異性が示唆された。
著者
福井 昌則 大立 博昭 黒田 昌克
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2022 夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.55-59, 2022 (Released:2023-02-24)
参考文献数
9

本研究の目的は,ゲームの利用方法,および幸福感の関連性が,ゲームプレイ時間によってどのように異なるかについて構造的に把握することである.1 日のゲームプレイ時間(1 週間平均),「ゲームの利用と満足」尺度,「日本版主観的幸福感」尺度を準備し,私立大学情報系学部の2 年生256 名対象に調査を実施した.「ゲームの利用と満足」の各因子と幸福感の関連性について,プレイヤ別に多母集団同時分析を行ったところ,ライトゲーマとヘビーゲーマでは,幸福度に関与しているゲームの利用と満足の因子に違いがあることが認められた.