著者
錦織 大介 溝田 武人 小西 弘明 下園 仁志 河村 良行
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.76-76, 2003

野球の投手が投げる球種は、直球,カーブ,フォークボール,ナックルボール,シンカー等、様々である.その球種の中に、現在、西武ライオンズの松坂大輔投手や、大リーグ・ダイヤモンドバックスのRandy Johnson投手が投げる事で有名な縦スライダーがある. 縦スライダーはフォークボールと同様に縦に落ちるのが特徴であるが、140[km/h]程度の高速で投球され、回転軸がボールの進行方向を向いている事から、ジャイロボールとも呼ばれている. 本研究では、縦スライダーの変化のメカニズムを探る.先ず、高精度風洞実験により回転ボールの空気力を測定する.その結果を元にして、ボールの飛翔軌道解析を行う.
著者
錦織 大介 溝田 武人 久羽 浩之
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.38-38, 2004

野球の投手が投げる球種の中に,大リーグ・ボストンレッドソックスのTim Wakefield投手が投球する事で有名なナックルボールがある.これまで,本研究室で行われてきたナックルボールの研究で,Wakefield投手が投球するナックルボールは1[rps]以下のゆっくりとしたサイドスピンをしている事が確認されている.しかし,近年のWakefield投手が投球するナックルボールは,ジャイロ回転をする新型のナックルボールである事が確認された.本研究では,先ず理論によるフラッタ方程式を導き,その後,フラッタ実験を行う事で,方程式が成立する事を証明する.その結果から,新型ナックルボールのメカニズムの解明を試みる.
著者
溝田 武人 山本 和幸 小倉 聡樹 大屋 裕二 岡島 厚
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.48-48, 2007

サッカーボールの無回転ボールがゆらゆら揺れる現象がある。この魔球は、流体力学的には未だ説明が付いていない。この論文では、サッカーボールの自由落下実験、TV画像解析、風洞実験により、ゆらゆら揺れる流体力学的なメカニズムを明らかにした。すなわち、抗力係数を測った浅井の研究によれば、サッカーボールは縫い目の影響などで滑面球の超臨界レイノルズ数領域に相当する流れで飛翔している。種子田の研究によれば、この領域では球背後に馬蹄形渦と二本の直線的な渦が形成されており、この発生位置が不規則に動く。これにともなって横力・揚力が発生する。風洞実験ではこれらの不規則な力が捕えられた。
著者
岡田 玲 丸田 榮藏
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.17-17, 2009

本学生産工学部大久保キャンパス(以下本キャンパス)内に構築した、局地性を考慮した風環境評価法の構築を目的とした実測システム概要および評価法における実測システムの位置づけを示す。最後に2006年から風向および風速の実測を開始している高さ19メートルにセンサを設置した実測点における風の特性を、約三年弱で得られた統計データの範囲から示すとともに新規に構築した点も含めてシステムの今後の展望について示す。
著者
曹 曙陽 小林 文明 吉田 昭仁 松井 正宏 菊池 浩利 佐々 浩司 田村 幸雄
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.33-33, 2007

平成18年11月7日午後1時過ぎ、国内最大級(藤田スケールF3)の強い竜巻が北海道佐呂間町若佐地区で発生し、死者9名、重傷者6名、軽傷者25名の人的被害及び全壊住家7棟、半壊住家7棟、一部損壊住家25棟、全半壊非住家40棟の被害をもたらした。当該竜巻被害の実態を正確に把握することを目的として、我々は被害発生翌日から、航空機からの上空視察と地上での被害状況調査を実施し、建物被害状況データベースを作成した。ここでは、建築物などの被害状況についてまとめた。
著者
田村 幸雄 須田 健一 吉田 昭仁 松井 正宏
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.40, 2007

2005年12月25日,JR羽越本線特急いなほ14号が寒冷前線の通過中の山形県酒田市付近において,突風に煽られて脱線し,死者5名,負傷者32名の痛ましい惨事が発生した。運転手や乗客の証言や当時の気象状況等から判断して,脱線に突風が大きく絡んでいたであろうことは明白である。しかし,事故から1年以上経過した現在(2007年2月)においても,突風が竜巻によるものかダウンバーストによるものか,あるいは他の原因によるものかを,気象庁は一切明らかにしていない。また,最近の一連の突風災害に対して社会が大きな関心を持つようになった最大の要因である当該脱線事故をもたらしたこの突風について,気象庁のHPに公開されている「災害をもたらした竜巻一覧(1971~2006)」にも「災害をもたらした気象事例(平成元~17年)」にも収録されておらず,まるで何事もなかったかの如き様子である。本報告は,脱線現場の直ぐ西側にあり,突風によって破壊した農機具小屋に作用する風力実験結果,および基礎,壁面,屋根面などの飛散状況の詳細な調査に基づいて,破壊と飛散のシナリオを検討し,当時の風況を推定したものである。
著者
丸山 敬 竹見 哲也 山田 広幸 山口 弘誠
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2021, 2021

<p>建物被害の原因となる強風特性に関して、これまで地表面摩擦に起因する「風の乱れ」だけを考慮することが多く行われてきた。しかし、観測技術の進歩に伴い、ダウンバーストや竜巻、ガストフロントなど局所的ではあるが激甚な建物被害を引き起こす極端気象現象が明らかになるにつれ、これら積雲対流下の上昇・下降気流に由来する風速の急変を伴う「突風」を考慮した強風ハザード評価が正確な被害予測に不可欠であると考えられる。そこで本研究では、積雲対流による「突風」の影響を明らかにするためドップラーライダーによって観測された前線通過時の記録を紹介し、積雲対流下における接地境界層内の気流性状について考察する。</p>
著者
義江 龍一郎 田中 英之 白澤 多一
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.12, 2007

狭い土地に人口が集中し、高層ビルが密集して建ち並ぶ香港では、風通しの悪さやエネルギー消費の急速な増大なども相まって、汚染質の滞留やヒートアイランド化が深刻な問題となっている。こうした問題を解決すべく、香港政府都市計画局では「都市通風換気アセスメントシステム:Air Ventilation Assessment System(AVAS)」の制定を目指している。本研究ではAVAS制定のための基礎情報を提供するために、(1)高層密集市街地での風通しの現状、(2)建蔽率と建物高さの変化が街区内の風通しと温度場に与える影響、以上を明らかにするために、高層密集市街地をモデル化した風洞実験を行った。その結果、高層密集市街地であっても、その風速比はグロス建蔽率で整理できることが確認された。また、建物高さの変化を利用することで、都市空間の風通しが改善され、建蔽率を小さくするよりも効率よく温度場が改善されることが明らかになった。
著者
吉田 昭仁 田村 幸雄 趙 康杓
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.27, 2004

台風Maemiは韓国において、人的被害130名(死者117名、行方不明者13名、10月20日現在)と未曾有の大被害をもたらした。また、物的被害額は10月20日現在で4兆7810億ウォンとなっており、最終的には5兆6000億ウォン(日本円で約6000億円)を超える史上最大規模となることが見込まれている。特に、釜山では11台のコンテナクレーンが倒壊もしくは脱線するなどの被害を受けた。また、この台風の影響により韓国国内での物価が上昇し、農作物などの価格が急騰するなど、非常に多くの影響をもたらした。
著者
友清 衣利子 前田 潤滋
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.9, 2005

2004年は10個の台風が日本に上陸し、全国で住家等の構造物に甚大な被害を及ぼした。本報告では、2004年に九州地区に上陸した台風16,18,21号と南海上を通過した台風23号による住家被害を示すとともに、台風0423号接近時に佐賀県で観測された強風と住宅被害に着目して報告した。台風16、18、21号では台風経路の南東側で被害が拡大していたが、台風23号では経路から離れた佐賀県で甚大な住家被害が見られた。台風接近当日の佐賀県内の風観測記録によれば、台風によって北東風が吹いた時に山裾の地域で強風が吹き、構造物への被害が起こっていることが分かった。山稜を越える「おろし風」のような局所風が吹いたと推定されるが,強風の継続時間が長く続いたことも被害拡大の要因と考えられる。
著者
吉田 昭仁 田村 幸雄
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.25-25, 2007

台風や竜巻などの突風による被害の調査を行う際に、飛散物の飛散方向や構造物の倒壊方向から当時の風向の推定を行い、転倒した自動車や倒壊した看板、墓石、道路標識などから当時の風速推定を行うことが非常に多く行われている。風速推定を行うためには、現地調査の際に形状・寸法などの必要な情報を書き留めておき、調査後に計算を行う必要がある。しかし、被害調査を行っている現地で簡便に風速を推定することが可能であれば、より効果的な現地調査を行うことができると思われる。本報告では、全国共通に設置されている道路標識を用いて、風速の推定を行った。
著者
中藤 誠二
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.169-170, 2013

パンチングメタルを対象に,風洞実験において風速を変化させて発生する空力音を測定し,音圧レベルや周波数特性を調べた.まず,対象とする空力音を発生させるために,模型支持装置の工夫を行ったのち,迎角80度の場合について,風速12.5m/sまでの範囲で空力音の測定を行った.対象とした3ケースでは,孔配列によるピークの基本周波数の違いは小さく,風速に比例した1kHz前後の比較的高い周波数のピークが見られ,発生周波数は孔径に依存しているものと考えられる.