著者
浅山 和宣 森山 甲一 福井 健一 沼尾 正行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.1F24, 2015 (Released:2018-07-30)

対戦型コンピューターゲームにおいてAIの操作するキャラクター(NPC)は熟練した人間のプレイヤーに及ばないことがほとんどであり、NPCの強化が課題となっている。本研究では格闘ゲームを題材に、認識の速さが強さに及ぼす影響を調べ、未来の状態を予測することで行動パターンを変えることなくNPCを強化することを図った。未来の状態の予測にはk近傍法を適用し、計算の単純化を可能にした。
著者
増田 圭祐 松井 孝典 福井 大 福井 健一 町村 尚
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.19-33, 2017 (Released:2017-07-11)
参考文献数
55

群馬県みなかみ町にて捕獲した3科7属11種のコウモリ類(アブラコウモリPipistrellus abramus,ユビナガコウモリMiniopterus fuliginosus,ヒメホオヒゲコウモリMyotis ikonnikovi,カグヤコウモリMyotis frater,モモジロコウモリMyotis macrodactylus,テングコウモリMurina hilgendorfi,コテングコウモリMurina ussuriensis,キクガシラコウモリRhinolophus ferrumequinum,コキクガシラコウモリRhinolophus cornutus,ヒナコウモリVespertilio sinensis,ニホンウサギコウモリPlecotus sacrimontis)のエコーロケーションコールから,コウモリ類専用の音声解析ソフトウェアSonoBat 3.1.6pを用いて,コールの開始・終了時の周波数や持続時間をはじめとする75種類の特徴量を自動抽出し,Random ForestおよびSupport Vector Machineの2種類の機械学習法を階層的に組合せた識別器を構築し,種判別を試みた.その結果,6,348のコールに対して10×10分割の入れ子交差検証で評価したところ,属レベルで96.3%(SD 0.06),種レベルで94.0%(SD 0.06)の正答率で判別ができた.また,大阪府吹田市北部の屋外で収録したエコーロケーションコールに対して,構築した識別器を適用してコウモリ類の種を推定し,活動の分布を地図化するプロセスを開発した.これらの結果をもとに,考察ではデータの追加に伴い識別器の精度が向上する可能性があることと種内変異が識別精度に大きな影響を与えることを議論した.フィールドへの適用では,識別器でコウモリ類の空間利用特性を把握し,地理情報と連携させることの有用性を議論した.最後に,エコーロケーションコールに対して機械学習法を用いた種判別と音声モニタリングをする際の今後の課題について述べた.
著者
上田 明頌 西川 敬之 福井 健一 森山 甲一 栗原 聡 沼尾 正行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

これまで我々は個人の感性を学習し、それを反映させた楽曲を自動生成するシステムを開発してきた。本論文では、音楽の重要な要素であるメロディのモチーフがどのように展開されるかを学習し、それを自動作曲システムに反映させることを提案する。これにより、メロディの質が向上し、より個人の感性に訴える曲が生み出された。
著者
松村 昂輝 大谷 紀子 木村 司 福井 健一 沼尾 正行
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-125, no.5, pp.1-4, 2019-11-12

本研究では,深層学習の手法を用いた新しい音楽生成方法を提案する.音楽理論の観点から,コードとメロディは互いに調和する必要がある.つまり,音楽を作る際には,コードを考慮した上でメロディを作る事が望ましい.本研究では,コードを考慮したメロディ生成を行う深層学習モデルを対象とする.既存研究において,音楽の重要な要素であるリズムが考慮されたモデルは存在しない.本研究では,リズム ・コード ・メロディを一括に考慮して音楽を生成する新しい手法を提案する.本手法では,以下の三段階の手順に従い,複数の深層学習モデルを用いて音楽を生成する.①RhythmGenerator,RhythmTransformer により,大量の音楽データから学習した,コード及びメロディのリズムを生成する.②生成されたリズムを入力とし,RhythmToChordGenerator がコードを生成する.③生成されたリズムとコードから,ChordToMelodyGenerator によりメロディを生成する.提案手法を用いた実験では,リズム ・コード ・メロディが調和した音楽を生成することができた.
著者
WU HONGLE 加藤 隆史 山田 朋美 沼尾 正行 福井 健一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

The quality of a good sleep is important for a healthy life. Recently, several sleep analysis products have emerged on the market; however, many of them require additional hardware or there is a lack of scientific evidence regarding their clinical efficacy. We proposed a novel method via clustering of sound events for discovering the sleep pattern. This method extended conventional self-organizing map algorithm by kernelized and sequence-based technologies, obtained a fine-grained map that depicts the distribution and changes of sleep-related events. We introduced widely applied features in sound processing and popular kernel functions to our method, evaluated their performance, and made a comparison. Our method requires few additional hardware, and by visualizing the transition of cluster dynamics, the correlation between sleep-related sound events and sleep stages was revealed.
著者
前原 宗太朗 福井 健一 冨田 智彦 小野 智司
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

降水量などの気象情報を観測する目的として,地域気象観測システム(アメダ ス)が全国約1,300か所に設けられている. しかし,観測地点の移転や周辺に 建造物の建立などの環境変化が生じることがあり,わずかに観測データの性質 の変化が起こる. 本研究では,系列データを扱う再帰型ニューラルネットワー クを用い,上記のような微小な環境変化による気象観測データの性質の変化の 検知を試みる
著者
北川 哲平 福井 健一 佐藤 一永 水崎 純一郎 沼尾 正行
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.25, pp.1-9, 2010-09-21

複雑系において,事象過程の急激な遷移は潜在的に重要な相互作用の表れであるが,そのような事象の発生頻度は低い.本研究では,事象系列において比較的稀であるが,状態が遷移するときに共起する事象を抽出する Essential Event Extractor(E3) 法を提案した.E3 法では,自己組織化マップ (SOM) を符号化のためにベクトル量子化 (VQ) として,また共起グラフを生成するためにキーグラフを用いる.そして,VQ のトポロジーマップにおける発生密度推定を参照することで,共起グラフ上で事象遷移を得る.本論文では,燃料電池の損傷試験で観測されるAE事象系列に対して E3 法を適用し,燃料電池の損傷メカニズムを解明するために,有用な損傷事象系列を得た.Although sudden changes of the event phase in complex system may indicate potential essential forces, such events are rare. In the present paper, we propose an essential event extractor (E3) scheme to extract relatively rare but co-occurring event sequences in event transitions. In E3, the self-organizing map (SOM) is used as vector quantization (VQ) and KeyGraph as a co-occurrence graph. Afterwards, event transitions on the KeyGraph can be obtained by using occurrence density estimation on the topology map of VQ. We demonstrate the E3 using an acoustic emission (AE) event sequence observed during a damage test of fuel cells and obtain essential co-occurring damage sequences.