著者
大森 隆司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2I5OS17b2, 2015 (Released:2018-07-30)

人は相互作用の場面で感情を表現して他者に対象の評価を伝達し,受け手はそれに合わせて自身の行動を決めることで,円滑なコミュニケーションや意思決定を実現する.少なくとも対人インタラクションの場面では,人工知能に感情の機能は必要と考えられる.では感情とはどういう機能なのか,さらにそれはどういう人工知能にとって有用なのか,本発表は汎用人工知能の範囲と機能について,モデルの立場から検討する.
著者
西崎 誠 大森 隆司
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.106-116, 1999-06-05 (Released:2011-01-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Incremental learning of knowledge and context dependency of recognition are important characteristics for an intelligent machine in the real world environment. Unknown objects may appear among known objects in such environment and the context requires change of the recognition result even if the input is the same. The system has to learn which object is unknown, what knowledge is necessary and how the context acts on the recognition process. Associative memory model PATON (Pattern+ton) has been proposed to realize such context dependency of recognition on the basis of the attention vectors. External inputs and candidates for the recognition can both be selected by an attention vector. In this paper, we propose a method of incremental learning involving the attention vectors and the knowledge, based on a reward through conversational interactions between PATON and the environment.
著者
阿部 香澄 日永田 智絵 アッタミミ ムハンマド 長井 隆行 岩崎 安希子 下斗米 貴之 大森 隆司 岡 夏樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.2524-2536, 2014-12-15

核家族における育児負担軽減などを目的として,我々は家庭内で子どもと遊ぶロボットの実現を目指している.具体的には,子どもの遊び友達となり,親が家事などをする30分ほどの間,子どもの興味を引きつけ遊んでいてくれるロボットである.保育者が誰とでも遊べるように,このロボットがどんな子どもとも柔軟に遊べることが望ましいと我々は考えている.しかし実際は,子どもの内向的性格などが原因で一緒に遊べない場合がある.そこで本研究では,ロボットとの良好な関係構築が容易でない子どもへの対応方法を検討し,その方策として,子どもの性格に応じた行動選択の仕組みを考える.この仕組みを実現する第1歩として,本論文では“人見知りの子どもが親近感を持つために有効な遊び行動が存在する”という仮説を検証する.まず我々はロボットが子どもに対して親密な態度を示しやすい“親和的遊び行動”と,不安が強くても遊べる“不安緩和遊び行動”を定義し,遊び行動を分類した.そして保育者が遠隔操作するロボットと5~6歳児との遊び実験を行い,これらの遊び行動と親近感の関係を調べた.その結果,“親和的遊び行動”と“不安緩和遊び行動”の両方の要素を持つ遊び行動が,人見知りの子どもに有効であることが示唆される結果を得た.
著者
高橋 英之 大森 隆司
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.138-157, 2011 (Released:2011-09-07)
参考文献数
60
被引用文献数
4

Human being can be called “social animal”. There are no other animals that can communicate with other individuals in common with human. Many researchers are interested in cognitive and neural functions that exist behind advanced human sociality. Most of these researchers break down human sociality into individual cognitive components, such as mirror neuron system, and try to reveal the stand-alone function of these individual components. There are no doubts that these reductionist approaches are valuable for the realization of human sociality. However, we also feel the limitation of these reductionist approaches for the realization of human sociality. In this paper, we propose the new framework “social belief effect” for the realization of human sociality. We define social belief as a subjective belief on an interacting agent (e.g. the agent is a human individual or not). And “social belief effect” means the preparation of executive functions driven by a social belief. In our framework, various cognitive components are dynamically configured by a social belief and this top-down configuration enabled a dynamical social adaptation. To evaluate our framework, we review related previous studies and our behavioral and fMRI experiments for the direct measurement of “social belief effect”, and discuss its feasibility. And we try to model the neural mechanism of “social belief effect" from these previous experimental studies.
著者
高橋 英之 石川 悟 大森 隆司
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.202-215, 2008 (Released:2009-10-30)
参考文献数
25
被引用文献数
4

It is thought to be an important brain function for us to modulate our cognitive state depending on recognition of interactive agents. From our behavioral experiment, we have shown that when subjects believed their interactive agent as a human being in a competitive game, specific behavioral tendency could be observed in comparison with a case that they believed their opponent as a computer and this tendency of subjects with autism spectrum disorder (ASD; they are thought to have some problems in social interaction) was different from that of subjects without ASD. We consider that this tendency is a reflection of cognitive modulation depending on recognition of interactive agents. To explain computational theory of this tendency, we propose a computational model that consists of change detection and state space switching evoked by the change of environmental nature. From this model, we reproduce the result of behavioral experiment by a computer simulation and try to discuss our computational model is useful to understand about the brain function for frequent human social interaction.
著者
鮫島 和行 大森 隆司
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.144-154, 1999-09-05 (Released:2011-01-17)
参考文献数
21
被引用文献数
4 6

For the application of reinforcement learning to real-world problems, an internal state space has to be constructed from a high dimensional observation space. The algorithm presented here constructs the internal state space during the course of learning desirable actions, and assigns local basis functions adaptively depending on the task requirement. The internal state space initially has only one basis function over the entire observation space, and that basis is eventually divided into smaller ones due to the statistical property of locally weighted temporal difference error. The algorithm was applied to an autonomous robot collision avoidance problem, and the validity of the algorithm was evaluated to show, for instance, the need of a smaller number of basis functions in comparison to other method.
著者
野村 郁也 鮫島 和行 植田 一博 鷲田 祐一 岡田 浩之 大森 隆司
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第10回大会
巻号頁・発行日
pp.64, 2012 (Released:2012-07-20)

新商品が次々と発売される消費社会において,既知の商品と未知の商品との間の選択は日常的に行われており,いずれを選択するかは消費者行動の重要な一面となっているが,このような選択に関する実験的研究はまだ少ない.本研究では,ミネラルウォーターを用いて,実験参加者にとって既知の商品と未知の商品との間の選択を繰り返し行い,その選択に関わる個人特性について検討した.さらに,商品選択を行っているときの脳活動をfMRI計測によって調べた.その結果,情報探索的な実験参加者ほど未知の商品を選択する割合が高くなる傾向が見られ,また,未知の商品の選択時には右前頭極に活動が見られた.これらの結果はともに未知の商品を選択することが情報を得るための行動であることを示唆するとともに,損得勘定に基づく判断であるとする従来のマーケティング現場の通念を変えうるものである.
著者
宮田 真宏 大森 隆司
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.712-721, 2019-06-15 (Released:2019-06-15)
参考文献数
23

従来,人の推論には直観的推論と論理的推論の2種類があるとされる.これまでに直観的推論はベイズ推論に代表される確率的な手法により,論理的推論はTree探索に代表されるシンボル的な手法により,それぞれモデル化されてきた.一方で,推論と脳部位とを対応付けた研究はあるが,脳の神経回路を考慮した論理的推論のメカニズムについて言及したものは少ない.脳における論理的推論過程のモデルは未解決である.そこで本研究では人の推論過程は直観的推論と論理的推論に明確に分かれているのではなく,一つの分散ニューラルネットワークのモード切り替えで実現されると考え,そのモデルを提案する.そのモデルでは連想記憶を用い,現在状態より関連する記憶を連想的に探索し,その記憶に価値を紐づけることで行動選択をする直観的推論を実現し,直観的推論にて見出された価値状態に対し,その利得に繰り返しバイアスをかけることにより論理的推論に見える動作を実現した.迷路探索シミュレーションでは,直観的推論に相当する確率的な行動選択と,論理的推論に相当する枝刈りを含むTree探索のような振る舞いが同一モデルのパラメータ変更により表出されることを確認した.
著者
渡邊 紀文 木浦 豊治 有村 勇紀 糸田 孝太 大森 隆司
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.27-30, 2018 (Released:2019-01-09)

近年アクションカムや加速度センサなど個人の行動を計測するデバイスを利用したスポーツ等の集団行動の研究が行われている.これらの計測では選手が出力する行動を主に分析しているが,集団行動においてはそれ以前に自己と他者が相互の行動を確認し,その意図の推定および目的を共有して,次の行動を判断している.本研究ではこのような集団における自己と他者の意図の共有について頭部の動きから分析し,その過程をシミュレーションするためのモデル化を行う.実験対象はサッカーパス行動とし,選手の頭部の動きを飛行ドローンで計測する.本実験でのドローンによる選手頭部の計測精度および,ボールホルダーと他の選手が視線を向け合って意図を共有しているタイミングおよびパスを出すタイミングの分析結果について述べる.
著者
上條 美和子 大森 隆司
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.45-48, 2014 (Released:2014-02-10)
参考文献数
5

This research aims to verify the influence of EOAE (essential oil aroma environment) through a behavioral and ERP(event related potential) study. By this we hope to undercover the brain activity which assists sense, learning and knowledge of aroma. EFL (English as a foreign language) class was performed with an EOAE blend of rosemary cineole 1,8 and lemon. As a result, the target group which learned under EOAE did not have significant difference in result. The survey followed with an ERP evaluation using an odd ball task to measure the degree of attention. As a result, a possible P3a and MMN (Mismatch negativity) amplitude was found to differ between the target and control group. P3a is a subcomponent of P300 which is an attention related component, and MMN is a component that detects auditory deviance in an even sequence of tones. Two other unknown EOAE components that assist only with EOAE were also found.
著者
高橋 英之 西村 望 大森 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.461, pp.437-442, 2010-03-02
被引用文献数
1

自分の心を言葉だけで正確に語れるとは限らない.特に芸術などに対する嗜好性は,言葉で正確に表現することが困難である.本研究では,絵画鑑賞者の嗜好が鑑賞中の視線の動き(絵画上のオブジェクトに対する注意配分)に反映されるという仮説を立て,絵画鑑賞者の嗜好を視線の動きだけから推定することを試みた.我々の実験の結果,まず絵画に対する嗜好性と絵画鑑賞時の視線の動きの間には定量的な関係性があること,そしてこれらの関係性を利用することで視線の動きから絵画鑑賞者の嗜好をある程度即時的に推定可能であることが示唆された.
著者
大山 英明 床井 浩平 城間 直司 中村 壮亮 米村 朋子 鈴木 夏夫 大森 隆司 岡田 浩之
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

現実に様々な経験を体験している人(実体験者)の感覚情報を記録・送信し,それを体験者が体験した状態(体勢)で,再生することによって,実体験者の経験を仮想的に追体験できる.これを我々は体験共有と呼んでいる.全ての感覚を伝えることが理想であるが,当面,視覚・聴覚による体験共有を目指し,実体験者用のヘッドマウンテッドカメラと姿勢センサ,追体験者用のヘッドマウンテッドディスプレイから構成される,体験共有システム試作機を開発中である.本発表では,体験共有技術について紹介し,追体験者の手と実体験者の手や追体験者の手のCG表示との間の投射・異投射について述べる.さらに,体験共有における投射・異投射について本格的実験を行うための,体験共有システム試作機を用いた準備的な評価実験の結果を報告する.
著者
本村 陽一 村田 知佐恵 大塚 裕子 大森 隆司 山田 徹志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4L2J1303, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究では、保育施設への人工知能(AI)導入プロジェクトについて、その構想の背景にある必然性や技術導入プロセスについての現状を総括する。また、保育士など保育従事者に対するヒアリングやインタビュー調査を行い、保育従事者の価値観や評価構造を明らかにし、それに基づき検討したAI技術活用の可能性、現場への導入のユースケースや期待される効果についても議論する。保育施設へのAI導入プロジェクトは、①保育の質向上のための保育技術の指標化、②既存のAI技術の活用、③新たなAIシステムの開発という3つの方向性で進めている。保育士目線での開発を重視した結果、アノテーションソフトなど、必要な技術開発が明確化された。また、保育とは何かを定義づけるための保育の質に着目した研究を行うことで、業務効率化に留まらないAI導入の社会実装化モデルとなり得ると考える。
著者
高橋 英之 速水 則行 内山 祐司 石川 悟 大森 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.480, pp.177-182, 2009-03-04
被引用文献数
2

自動車運転において,人間は様々な危険を知覚しながら運転行動を行う.運転中の危険知覚は,運転場面に存在する不確実性だがありうる危険の知覚と,確実に生じる危険の知覚,という二つの脳過程が関わっていると考えられる.今回の研究ではこれらの脳過程に関わる脳部位特定の為に,自動車運転場面のシミュレータにおいて被験者が感じる衝突に対する不確実性を被験者の衝突判断から定量化し,不確実性が大きい場面における衝突判断時の脳活動と,確実に危険が生じると判断可能な場面における脳活動をそれぞれfMRIにより計測することを試みた.その結果,不確実性が大きい場面における衝突判断には前頭葉内側部が関わっていることが示唆された.また統計的には弱い結果であるが,確実に危険が生じると判断可能な場面においては島皮質に賦活傾向がみられる.この結果は,先行して行われてきた神経経済学の研究の知見と矛盾しないものであり,今後,自動車運転のような複雑な認知タスクの理解においても神経経済学的知見を応用することが可能であるという示唆を得た.
著者
岩崎 安希子 下斗米 貴之 阿部 香澄 中村 友昭 長井 隆行 大森 隆司
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.219-227, 2013
被引用文献数
2

Various robots had been developed lately, not only for industrial use but for home use too. In our previous study, we had developed a playmate robot system that is designed to play with children. Child personality observation is important during play situations for smooth interaction, in order to sustain the child's interest. Therefore, we considered that the robot system should be able to distinguish children's personality types or tendencies. As a result, the relationship between the child's personality test score and head movement observed during the robot play interaction was found to be significant. This suggests the possibility of an adaptive robot system that plays with children in accordance to each child personality.
著者
下斗米 貴之 大森 隆司
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.319-332, 2004 (Released:2007-04-13)
参考文献数
20
被引用文献数
2

Recently, many researchers have reported about how children acquire a word meaning. Especially some of them reported that the verb meaning development is delayed to that of noun. In these reports, they used the ANOVA (the ANalysis Of VAriance) for the detection of a difference in the behavioral data. But ANOVA is not a sufficient way of analysis in the sense that we can't know the detailed mechanism of the meaning acquisition in children. So, in this paper, we developed a model based analysis of behavioral data that enable more detailed structure estimation, and analyzed the children's word acquisition data with the method. From the analysis, we found a hierarchical mixture of binomial distribution with three sub-modules is a suitable model for the data. The parameter change in the model indicated that what is changing between three to five years infant is a choice of proper learning action from the recognition of verb/noun situation.
著者
塚田 稔 小島 比呂志 大森 隆司 岡田 浩之 酒井 裕 奥田 次郎 小島 比呂志 岡田 浩之 酒井 裕 奥田 次郎
出版者
玉川大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

脳の記憶は外界(環境)からの感覚情報(ボトムアップ)と注意や予測など(トップダウン)の情報の相互作用によって創られている。高次の記憶に関連したニューロンにおいて、感覚からのボトムアップの記憶情報の書き込みでは時空間学習則(nonHEBB)が、注意などのトップダウン情報の書き込みではHEBB則が有効に働くことを理論と実験によって明らかにした。この実験結果に基づいて工学モデルによって実効性が確かめられた。