著者
糟谷 大河 有馬 裕介 百原 新
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Insitute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.12, pp.187-192, 2019-02-28

大阪府泉佐野市の大阪層群最下部の炭質層,および同枚方市の大阪層群上部,Ma8海成粘土層より産出した3点の子嚢菌類の化石について,形態的特徴を観察した.その結果,子座および子嚢殻の形態的特徴に基づき,これらは現生の分類群であるクロコブタケ属との類似性が示された.また,これら3点の化石の子嚢殻と子嚢胞子の形態にはそれぞれ違いが認められ,これらは異なる分類群である可能性が示唆された.
著者
今井 信行 鄭 昇姫
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Insitute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.13, pp.151-154, 2020-02-28

千葉科学大学薬学部薬学科では2008年に初めて韓国人留学生が入学した後、韓国人留学生の入学者が増加し、現在の在学人数は80人に達している。また、韓国で薬剤師になるためには、薬学系大学を卒業してから薬剤師国家試験に合格しなければならない。ただし、日本の薬剤師免許を持っている人は、卒業した大学のカリキュラム等の受験資格確認書類を韓国保健福祉部長官に申請して承認されれば、韓国の薬剤師国家試験を受験する資格が与えられる。
著者
戸塚 唯氏 伊勢﨑 翼
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Insitute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.12, pp.139-151, 2019-02-28

江戸時代、銚子は政治・流通・交通の要衝であり、人口も多かった。そのため、多くの寺子屋が設立された。寺子屋とは6歳から12歳頃までの庶民の児童を対象とした当時の教育施設である。本研究の目的は、江戸時代中期から明治初期にかけて銚子地域に存在した寺子屋師匠の数と名前を明らかにすることであった。様々な文献や筆子塚の記載を調査した結果、最終的に107名の寺子屋師匠の存在を明らかにした。また、寺子屋師匠の没年情報を用いて年代別の寺子屋師匠数を算出したところ、銚子では19世紀中旬に多くの寺子屋師匠が存在していたことが明らかとなった。
著者
鈴木 康宏 菅谷 しづ子 高橋 方子
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Insitute of Science (ISSN:24362565)
巻号頁・発行日
no.15, pp.15-22, 2022-03-28

【目的】看護観に対する看護理論の影響に関する看護師の認識とその理由について明らかにすることである。【方 法】病院で働く看護師を対象とし2019年2月~3月にMicrosoft formsを用いたWeb調査を実施したアールアンドディの病院年鑑2018年版の東日本版で一般病床数200床以上の施設から無作為に200施設選び依頼し承諾があり配布可能数が確認できた9施設計970名に配布した質問項目は年代,経験年数,性別,資格,看護師養成課程,学習した看護理論,看護観に対する看護理論の影響に関する看護師の認識(「看護理論はあなたの看護観に影響を与えたと思いますか?」)その回答理由(自由記述),看護理論以外に看護観に影響を与えたもの(自由記述), 看護 観(自由記述),単純集計およびχ2検定を行い自由記述の分析はKH Coderを用いて分析した倫理的配慮として研究者所属機関で倫理審査を受け回答により研究同意とみなすことを書面にて説明した。【結果】131名分のデータを用いて分析した「看護理論はあなたの看護観に影響を与えたと思いますか?」という設問に対して「思う」,「思わない」,「わからない」と答えた3群を背景によりχ 2検定した結果統計的な違いは認められなかった看護理論以外に影響している特徴語は〈患者〉,〈経験〉,〈先輩〉,〈関わり〉,〈体 験〉,〈臨床〉,〈家族〉,〈自分〉,〈実習〉であった。【考察】対象の背景により看護観に対する看護理論の影響に関する看護師の認識に統計的な違いは認められなかったが、理由について特徴的な語が明らかとなった それぞれの回答の理由より看護師本人の解釈が回答に影響していたと考えられる。【結論】看護観に対する看護理論の影響に対する看護師の回答の割合と対象の背景には統計的な違いは認められなかった。看護理論が看護観に影響を与えた理由についての特徴的な語が明らかとなった.
著者
奈良 侑画 戸田 和之
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The University Bulletin of Chiba Insitute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.13, pp.97-102, 2020-02-28

慢性腎不全の患者が透析を行うためには,バスキュラーアクセスという特殊な血管を前腕に構築する必要があり,バスキュラーアクセスの中でも内シャント法が第一選択となっている.しかし,内シャント法による副作用として狭窄の発生が問題になっており,血行力学的要因が関係していると言われてきた.吻合部角度を変化させることで狭窄の発生を抑える試みが,これまで様々な研究者により取り組まれてきたが,静脈の柔軟性は考慮されていない.そこで,内シャント法を模擬した柔軟壁Y字管の2次元拍動流れを,数値流体力学手法(Computational Fluid Dynamics, CFD)を用いて再現し,速度分布と壁面せん断応力の関係や圧力損失を調べた.その結果,吻合部角度を上流側に傾けることで,流れの局所的な不規則が弱まり,せん断応力や圧力損失が小さくなったことより,狭窄の発生を抑えられる可能性が示唆された.