著者
村上 哲生 矢口 愛
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要. 家政・自然編 = Journal of Nagoya Women's University. Home economics・natural science (ISSN:09153098)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.79-84, 2009-03

Stenopsyche marmorata Navas(Trichoptera, caddis fly)larvae boiled down in soy sauce are commonly eaten in the Ina District, Nagano Prefecture, Central Japan. The origin and habit transition of eating aquatic insects("Zazamushi")are introduced in this paper. The term "Zazamushi" originally referred to larvae of the stone fly Plecoptera). Eutrophication of Lake Suwa, the water head of the Tenryu River that flows through Ina Valley, has caused shifts in dominant riverine insect species from stone flies to net spinning caddis flies since the 1930s. The benthic community of riffles in the Tenryu is now dominated by net spinning caddis flies such as S. marmorata and Hydropsyche sp., the biomass of which reaches 4 gm-2 in dry weight. The large biomass, supported by the supply of particulate organic matter from Lake Suwa, has made it possible to commercialize canned "Zazamushi". The products available now are mostly composed of S. marmorata larvae(98%)and a small atio of other aquatic insects.
著者
酒井 映子 末田 香里 内島 幸江 サカイ エイコ スエダ カオリ ウチジマ ユキエ Eiko SAKAI Kaori SUEDA Yukie UCHIJIMA
雑誌
名古屋女子大学紀要. 家政・自然編 = Journal of Nagoya Women's University. Home economics・natural science
巻号頁・発行日
vol.40, pp.145-153, 1994-03-05

"中国貴州省吾南部の苗族と布依族の食文化の特徴の一端を栄養的側面から明らかにすることを目的として,日常の食事状況について調査研究を行った.中国における栽培作物の事情は,1980年の「包産到戸」,すなわち農家の個人販売許可によって,食料作物から経済作物へと変化している.このような状況の中で,少数民族である苗族や布依族においても食料事情には変化が生じているものと考えられる.そこで,主として日常の食物摂取状況から両民族間の比較検討を行い,さらに,現状の栄養的問題についても若干の検討を行ったので報告する."
著者
八木 明彦 宮地 成子 下平 勇 ヤギ アキヒコ" ミヤチ シゲコ シモダイラ イサム Akihiko YAGI Shigeko MIYACHI Isamu SHIMODAIRA
雑誌
名古屋女子大学紀要. 家政・自然編 = Journal of Nagoya Women's University. Home economics・natural science
巻号頁・発行日
vol.39, pp.77-82, 1993-03-05

"富栄養湖である深見池は小さな湖水で,周囲を山に囲まれているために風の影響が非常に少なく,水は3月下旬から11月までよく成層している.このため深水層は無酸素となり,還元状態が発速している.酸化還元境界層には光合成細菌がよく生育し,またこの境界層の上部では黒い沈澱物が発見された.この沈澱物はMnO_2からなることが化学分析の結果判明し,さらに深水層には溶存態マンガンの集積も認められた.このような特色ある湖水の調査の過程で,最深部の深度が1952年の上野の報告では9.3mであったものが,著者らが調査を開始した1978年には8.5m程度しかなかった.この原因を究明するために1978年~1979年にかけ湖内での新生堆積物の収集と深度の測定を行った.これをもとに,堆積物が量的質的にどのように季節変化を示すか検討し,湖底泥を分析して堆積速度を算出した.また1992年に再度測深を実施したところ,最深部は8.1mであることが観測されたので, 1979年と1992年の結果から深度の低下した原因についても検討した."