著者
一場 順子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.6_14-6_17, 2022-06-01 (Released:2022-10-21)

子どもの権利条約を日本が批准してから28年となる今年の春、国会にこども家庭庁設置法案とあわせてこども基本法案が提出された。 子どもに関する施策や制度設定の指針となるのは、子どもを権利の主体として尊重する子どもの権利条約の理念である。条約の一般原則は子ども施策をすすめるために法律に明記されることが必要である。 日本弁護士連合会は、条約の一般原則を子どもの権利として規定し、子どもの権利を守る制度としての子どもの権利擁護委員会の制度を設置する法律案を提言した。 東京都こども基本条例は子どもを権利の主体として認め、子どもの権利条約の一般原則を明記した。すでに現在44の地方公共団体で子ども条例を制定し、条例に基づいて子どもの相談救済機関を設置し、又は設置が決められている。 子どもの相談救済機関は、子どもの相談を受け、調査し解決するほか提言もできる公正・中立で独立性と専門性のある第三者機関であり、子どもの権利を保障するための制度として国にも必要である。
著者
両角 達平
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.6_36-6_39, 2022-06-01 (Released:2022-10-21)
参考文献数
6

日本の国レベルでの子ども・若者の社会参画施策は、2010年に施行された子ども・若者育成支援推進法に基づいて定められた子供・若者大綱が担っており、その中で、子ども・若者の社会参画施策が講じられている。社会参画施策は主に①社会参画のための教育や啓発、②社会参画活動(ボランティアなど)の促進、③子ども・若者の意見の反映、の三つにより構成されているが、伸び悩む日本の若年世代の投票率や参加による社会変革の期待の低さから、有効な施策が打てているとは言い難い。本稿では、欧州の若者の社会参画施策を参照軸とし、日本の子ども・若者の社会参画施策の課題を指摘する。
著者
岸村 顕広
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.6_46-6_52, 2022-06-01 (Released:2022-10-21)

日本学術会議若手アカデミーの第24期の活動を振り返りつつ総括する。そこから未来へ向けて学術コミュニティに求められる態度について考えるとともに、第25期の活動への展望と期待を述べる。
著者
塚本 勝巳
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.11, no.9, pp.14-21, 2006-09-01 (Released:2009-12-21)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
髙倉 喜信
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.10, pp.10_72-10_77, 2021-10-01 (Released:2022-02-25)
参考文献数
5

日本薬学会は日本学術会議と連携してこれまで様々なテーマで公開シンポジウムを共同主催し、科学的な観点からの情報発信に努めてきた。現在、新型コロナウイルス感染症COVID-19が世界中で流行しているが、対応策の切り札の一つとして新たに開発されたmRNAワクチンの接種が進められている。COVID-19を終息させるためには日本がコミュニティーとして「集団免疫」を獲得する必要があるが、そのためにはワクチンに対する正しい理解を共有し、一人ひとりがワクチン接種についてきちんと選択できることが重要と考えられる。そこで、日本薬学会と日本学術会議は協働して新型コロナワクチンに関する基本的な科学的情報を国民に分かりやすく、タイムリーに発信し、我が国のワクチン接種を円滑に推進することを目的に2021年4月および7月に公開シンポジウムをWeb開催した。
著者
和田 昭允
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.22-32, 1998-06-01 (Released:2009-12-21)
参考文献数
14
被引用文献数
1
著者
坂元 茂樹
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.3_48-3_50, 2022-03-01 (Released:2022-07-25)

世界保健機関(WHO)は、2020年1月30日に新型コロナウイルス(COVID-19)を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言した。同年2月3日、厚生労働省が、横浜検疫所でクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客乗員全員に対するCOVID-19に関するPCR検査を行ったところ、712名の陽性者が判明した。 ダイヤモンド・プリンセス号の旗国は英国、運航国は米国、寄港国は日本であるが、クルーズ船内で発生した感染症について、旗国、運航国および寄港国のいずれの国が感染拡大防止の第一次的責任を負うのか、国連海洋法条約には直接的な規定はなく、国際法上明確な規則はない。さらに、COVID-19のパンデミックにより、交代のための船員の乗船または下船を阻止し、入港拒否を行う国が続出した。 WHOの特別総会は、2021年12月、パンデミックの防止、準備、および対応に関する歴史的合意(パンデミックに関する国際条約)に向けたプロセスを進めることにコンセンサスで合意した。
著者
山崎 真治
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.2_42-2_47, 2020-02-01 (Released:2020-06-26)
参考文献数
5
著者
前田 清司
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.11, no.10, pp.36-41, 2006-10-01 (Released:2009-12-21)
参考文献数
5
著者
鈴木 基史
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.6_60-6_66, 2011-06-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
12
著者
栗山 恭直
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.7_38-7_42, 2021-07-01 (Released:2021-11-26)
参考文献数
10

山形大学の理系女子進路選択支援事業の概略を説明する。事業のポイントは長年、県内での科学普及活動を継続してきたことにより県内の各機関とネットワークを構築することができたことである。例えば、県教育委員会(高校教育課・義務教育課)、県産業労働部工業戦略技術振興課、県しあわせ子育て応援部女性・若者活躍推進課、山形県男女共同参画センター、県立図書館等々と連携している。中学校には、エフエム山形の大学提供の番組「Be☆ラボ山大サイエンスカー」で女性研究者の訪問実験と研究者と女子生徒の座談会、高校へは課題探究活動の女性大学院生による指導が取り組みの特徴である。2020年度から山形大学では、県と山形新聞とSDGs宣言を行い、県民への普及活動を取り組んでいる。その中でもジェンダー平等など達成すべき目標として今後も大学を挙げて取り組んでいけるように進めていきたい。