著者
春日 章宏 三枝 優一 古井 陽之助 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.32, pp.61-66, 2007-03-22
被引用文献数
3

インターネット上でコミュニケーションを行う場の一つとして注目されている招待制の SNS には「現実の人間関係を再現し、人と人とのつながりを重視したコミュニケーションを支援する」という特徴がある。しかし既存の SNS では、そうしたつながりを通して「友達の友達」を知ることはできるが、それを足がかりに新たな人間関係を構築することへの支援には改善の余地がある。そこで本研究では、「自分」「友達(仲介者)」「友達の友達」までが参加できる仲介型のチャットを組み込んだ新しい SNS を設計・開発した。8人の被験者による評価実験を行ったところ、SNS と仲介型チャットの組み合わせが友達の輪を広げるのに有効である可能性が示唆された。Invitation-only SNS sites, which attract considerable attention for the communication on the Internet, allow participants to bring their relationship from the real world into the computer network. A participant can find his/her friend's friends through the relationship. However, the SNS should have more effective functions that help him/her make friends with the friend's friends smoothly. We integrated a chat function into our new SNS system; each participant has a chat room, and can invite his/her friends to act as an intermediary. We also conducted an experimental evaluation that involved eight participants. The result indicates the possibility that the combination of an SNS system and a chat function can support the relationship extension effectively.
著者
春日 章宏 三枝 優一 古井 陽之助 速水 治夫
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.32(2007-GN-063), pp.61-66, 2007-03-22

インターネット上でコミュニケーションを行う場の一つとして注目されている招待制の SNS には「現実の人間関係を再現し、人と人とのつながりを重視したコミュニケーションを支援する」という特徴がある。しかし既存の SNS では、そうしたつながりを通して「友達の友達」を知ることはできるが、それを足がかりに新たな人間関係を構築することへの支援には改善の余地がある。そこで本研究では、「自分」「友達(仲介者)」「友達の友達」までが参加できる仲介型のチャットを組み込んだ新しい SNS を設計・開発した。8人の被験者による評価実験を行ったところ、SNS と仲介型チャットの組み合わせが友達の輪を広げるのに有効である可能性が示唆された。
著者
三枝 優一 古井 陽之助 速水 治夫
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.6(2007-DBS-141), pp.77-82, 2007-01-26

辞書を用いる形態素解析においては,時代の流れと共に現われ変遷していく口語表現・省略表現・若者言葉等の新語を速やかに辞書に取り入れることで解析精度を高められると期待できる.そこで本研究では,Web上のblogを中心とした文書集合を字種別に切り分け新語候補とし,それらの出現頻度を既に辞書に登録されている語のそれと照合し評価することにより,新語を抽出する手法を提案する.実験では,カタカナのみ,あるいは漢字のみで構成される新語は,複合語を含め80%以上の精度で抽出することができた.また,出現頻度の低い新語についても一部抽出することができた.今後の課題としては,収集した新語の動的な品詞同定と,新語を辞書に取り入れることによる形態素解析精度向上の検証が挙げられる.
著者
三枝 優一 古井 陽之助 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.141, pp.77-82, 2007-01-25
参考文献数
7
被引用文献数
1

辞書を用いる形態素解析においては,時代の流れと共に現われ変遷していく口語表現・省略表現・若者言葉等の新語を速やかに辞書に取り入れることで解析精度を高められると期待できる.そこで本研究では,Web上のblogを中心とした文書集合を字種別に切り分け新語候補とし,それらの出現頻度を既に辞書に登録されている語のそれと照合し評価することにより,新語を抽出する手法を提案する.実験では,カタカナのみ,あるいは漢字のみで構成される新語は,複合語を含め80%以上の精度で抽出することができた.また,出現頻度の低い新語についても一部抽出することができた.今後の課題としては,収集した新語の動的な品詞同定と,新語を辞書に取り入れることによる形態素解析精度向上の検証が挙げられる.
著者
速水 治夫 五百蔵 重典 古井 陽之助
出版者
神奈川工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

図書館は図書を一定数冊購入し,その範囲内で利用者に貸し出すことによって人類の知識の共有など文化の発展を担っている.そして,図書館でデジタルコンテンツ(以下コンテンツ)を扱いたいという要求は強い.しかし,デジタルコンテンツは不正コピーが作られやすいため,図書館のような貸し出し業務には向いていない.本研究では,デジタルコンテンツに対しても図書館的共同利用を可能にすることで,本研究の意義である図書館本来の目的を達成させる.具体的には,利用者はネットワークを通じてコンテンツを借りられ,利用期間内であればネットワーク接続なしでコンテンツを閲覧できるシステムを提案する.利用期間内のみ閲覧可能であり,コンテンツの不正コピーも防いでいる.本研究の要となる携帯機器に求められる要件は,一般利用者が使用できない時計および記憶域を持ち,CPUを内蔵していることである.このような機器(以下,トークン)は存在しないため開発を行った.平成17年度では,トークンの実機を作る際に必要な要件をまとめるためにトークンエミューレータおよび図書館システムのプロトタイプを作成した,平成18年度では,トークンおよび図書館サーバ間の通信および同期が安全に行われるためのプロトコルについて研究開発を行った.また,トークンを使った応用例として,パスワードなどの秘密情報を送信する方法を提案した.平成19年度には,ICカード型としての量産も視野に入れたトークンの試作品を作成した.また,トークンを使った応用例として,オンライン試験システムなどを提案した.我々は、利用者側の利便性を確保しながら,権利保持者の権利を守ることが出来るシステムを提案した.本システムの要は、ネットワークでの貸し出しが可能で,ネットワーク非接続で利用期間を厳密に管理した閲覧が可能である点にある.本研究は,今後のコンテンツのデジタル化に向けて,非常に重要であると思われる.
著者
寺林 拓己 古井 陽之助 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.30, pp.93-98, 2005-03-18

パーソナルコンピュータ(PC)上で動作するアプリケーションは,ライセンスをPCに固定することが多い.インストールしたPC以外で利用が不可能になってしまうため正規ユーザにも利用に制限ができ不便が生じる.本論文ではライセンスをPCに固定せずにアプリケーションの運用を行う方式を提案する.「ライセンスを保有する」という情報をICチップに格納し,アプリケーションを実行する際に,定期的にデバイス内の情報を参照し,確認ができた場合のみアプリケーションを続行する.プロトタイプ及び実環境上における実験により,アプリケーションのコピーは可能であるが利用は不可能であることを確認した.また本方式の運用時におけるオーバーヘッド時間も許容範囲内であることを確認した.A PC application software is often used under a license fixed to a specific PC. This causes inconvenience that even the regular user cannot run the application on another PC. We propose a method for using the application under a portable license. In this method, an IC chip memorizes license information. While an application is executing, it regularly confirms the information stored in the IC chip to continue the execution. We conducted experiments with a prototype system and on a real environment. The experiments show that this method does not allow any copy of the application to execute without the license information stored in the IC chip, and that the overhead imposed by this method is acceptable.
著者
小宮山 美緒 古井 陽之助 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.9, pp.191-196, 2006-01-27

近年,学校教育とe-Learningの関わりが注目されつつある.著者らは,今後需要が高まると予測される小学校の児童を対象にしたe-Learningシステムの開発を試みてきた.本論文では,新しく開発した小学生向けデジタル絵本教材システムとその評価実験について述べる.評価実験は,閲覧システムを中心に使用すると想定した4~9歳の児童と,閲覧システム・作成システムの両方を使用すると想定した10~12歳の児童に着目して行った.その結果,英語経験の有無を問わず楽しく英語の絵本を読むことができることが確認できた.また,英語経験が無い児童が楽しく英語の絵本を作成できることが確認できた.Recently, the relation between school education and e-Learning is attracting attention. We have been developing e-Learning systems for elementary school students, because there is a prediction that the demand for such systems will increase in the near future. This paper introduces a digital picture-book system for elementary school student's linguistic study, and describes the experimental evaluation of the system. In this evaluation, we paid attention to two categories of children: the age of four or nine, and the age of ten or twelve. In our assumption, the former would use the browsing function mainly, while the latter would use both the browsing function and the authoring function. The result indicates that the children enjoyed reading English picture-books whether they had experienced English or not, and that even the children without such experiences enjoyed creating English picture-books.
著者
土方 嘉徳 青木 義則 古井 陽之助 中島 周
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.566-576, 2002-02-15
被引用文献数
10

情報検索におけるユーザ分析では,ユーザが閲覧したコンテンツのどの部分に興味を持ったのかを取得することが重要となる.既存の手法でこのようなユーザの興味に関する情報を取得しようとすると,ユーザにアンケートに答えてもらうという手間をかける問題や,Webページ中の一部分というような細かい単位では自動取得できないという問題があった.本稿では,ユーザのWebページ閲覧中のマウス操作を利用して,ユーザが興味を持ったと思われるテキスト部分を全体のテキストから自動抽出する手法を提案する.本研究では,まず事前調査としてユーザのWebページ閲覧中のマウス操作の観察とインタビューを行い,どのような種類の操作がユーザの興味と関連があるのかを明らかにする.次に,これらの操作の対象となるテキスト部分が実際にユーザが興味を持った部分であるのか否かを,「TextExtractor」と呼ぶ実験システムを実装し,被験者実験を行うことで検証する.実験の結果,テキスト中におけるユーザが興味を持ったキーワードの割合は,文書全体よりも,これら各々の種類の操作が対象とするテキスト部分の方が高いことが検証された.また,これらの操作すべてを使ってテキスト部分を抽出した場合,ユーザが興味を持ったキーワードを抽出する精度は,ランダムにキーワードを抽出する方法に比べて約4倍,tf・idfに比べて約1.4倍高いことが確認できた.In the area of information retrieval, it becomes important to acquire which portion of the content the user was interested in. The existing techniques for acquiring this information have the problem which forces the user to answer questionnaires or the problem which cannot carry out automatic acquisition in a fine unit like the portion in a Web page. This paper proposes a method for extracting the text parts which the user might be interested in from the whole text of the Web page based on the user's mouse operation.First, we conduct observations and interviews to discover what kind of operation is related to the user's interest.Second, we build a system called ``TextExtractor'' and conduct an experiment to see the effectiveness of the discovered operations. The result showed that the ratio of the keywords which the user was interested in was higher in the targeted text parts of any kind of the discovered operations than that in the whole document.When we extracted texts using all kinds of discovered operations, the precision to extract keywords of TextExtractor was about 4 times compared with that of random extraction and about 1.4 times compared with that of tf-idf.
著者
古井 陽之助 島崎 眞昭
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.49-50, 1992-09-28

アプリケーション内部の並列性を活用しマルチプロセッサで実行することによって処理効率向上を図る並列処理技術は、現在最も盛んに研究されているテーマの一つである。本研究では特に共有メモリ型マルチプロセッサ・マルチユーザ・マルチジョブ環境に議論の焦点を絞る。マルチユーザ・マルチジョブ環境でプロセッサ間の負荷分散を図るにはOSによるスケジューリングが必要であり、オーバーヘッドが非常に大きい。逆に、負荷分散を犠牲にして処理の粒度を相対的に大きくすることによってオーバーヘッド削減を図ると、システム全体の効率は上がるがジョブごとの処理効率は逐次処理のそれに近づいてしまう。このような状況をある程度解消する方法として、マルチプロセッサをクラスタ化し、OSはクラスタ単位のスケジューリングのみ行なうようにして、クラスタ中にあるプロセッサのスケジューリングはアプリケーション自身に任せることでオーバーヘッドを抑える、という方式が考えられる。本稿では、クラスタ化された共有メモリ型マルチプロセッサでdoall型ループの並列処理を行なった場合の実行効率をシミュレーションによって評価し、クラスタ化方式の可能性を論じる。