著者
鹿島 勇 熊坂 さつき 川股 亮太 香西 雄介
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.403-413, 2005 (Released:2005-10-01)
参考文献数
26

医用画像のデジタル化が進行し,コンピュータによる画像解析や診断支援(CADM)の手法の開発が盛んに行われている。我々は,デジタル画像の特性を生かした骨構造解析の手法を開発してきた。しかし,近年の画像の高精細化と多次元化の結果として,発生する情報量と処理,保管および伝送にかかる負担の急激な増加が見込まれ,情報の圧縮は必須(す)である。ところが,視覚的な画像診断に供する場合と比べ,コンピュータによる解析や診断支援の手法の開発をする場合,圧縮による画像の情報量低下の影響は大きい。本稿では,我々の行っている骨粗鬆(しょう)症のための骨構造解析,およびこれに適した圧縮法と考え研究を進めているウェーブレット変換による画像圧縮について報告した。
著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.881-891, 1992-01-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
3

Vol.33 No9,10,11の「シンクタンク」(1),(2),(3),の続編として,総合研究開発機構が実施したアンケート調査を分析·評価するとともに『シンクタンク年報1990』を用いて,我が国のシンクタンクの現状分析を行い,形態:公益法人,職員:68名,研究者:23名,全収入:約7億円,調査収入:約2億円,主たる研究分野:国土開発·利用および産業·経済,報告書数:25冊,自主研究の割合:15%,報告書の公開割合:12%とする平均的な姿を描いた。さらに研究員50人規模のシンクタンクを設立する場合の条件として,財政面では継続した資金調達が,人材面では優秀な人材の確保が重要であることを指摘した。
著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.983-994, 1992-02-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
1

今後の複雑な国際関係を考えると公的シンクタンクの役割が期待されるとし,特殊法人形態で研究実績を有する「総合研究開発機構」と「アジア経済研究所」をとりあげ事業内容を述べた。前者は行政レベルと政党レベルの要請から設立されたが,政治,経済,社会,国際関係といった広い分野について自主研究,委託研究,助成研究を行うとともに,海外シンクタンクとの国際交流も活発に行い,さらに我が国のシンクタンクを育成している。また後者は,世界の発展途上地域における経済分野の調査研究を行うとともに,海外機関との国際交流や共同研究,情報の収集活動力を注いでいる。また最近人材養成を目的として開発スクールを発足させた。
著者
村田 茂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.85-94, 1983 (Released:2012-09-28)
参考文献数
21

図書館業務のコンピュータ化が進むにつれて, 中国語で書かれた文献をどう扱うかが大きな問題となってきている。本稿では, 図書館員との対話を通じて, 字体問題, 文献検索方法問題, 中国文献取り扱いの基本思想問題, の3問題を論じた。また, それらの問題の根本に位置する, 中国語における情報とは何か, という問題を探った。最後に, 中国語情報の組織化の方途を論じ, 中国語機械辞書システム開発の必要性を展望した。それぞれの議論においては, 中国の動向についての分析を加えた。
著者
山岸 順一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.882-889, 2015-03-01 (Released:2015-03-01)
参考文献数
32
被引用文献数
3 4

本稿では,統計的音声合成技術および声質変換技術の医療・福祉応用に関し,最先端研究成果をわかりやすく紹介する。筋萎縮性側索硬化症(ALS)等により発声機能を失いつつある障がい者の声をコンピューターに模倣させ,障がい者本人の声で音声出力を行う音声合成技術や,電気式人工喉頭を利用した喉頭摘出者や構音障がい者の声を自然で聞き取りやすい音声へリアルタイムで変換する技術等,新たな研究が音声情報処理分野において近年積極的に行われ,音声の障がい者のQOL向上に貢献すると考えられる顕著な研究成果も存在する。喉頭摘出者およびALS患者によるケーススタディーを紹介した後,現在の研究課題についても概説する。
著者
長谷川 貞夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.33-41, 1978-04-01 (Released:2016-03-16)
参考文献数
15

視覚障害者の文字である点字と普通文字を,できるだけ人手を介さずに相互変換することは非常に重要なことである。そのためには3つの条件が必要である。第1は,点字と電子計算機を結ぶ各種の点字用入出力装置をつくることである。第2は,点字には漢字がないので点字の漢字をつくるか,または,普通文字の漢字とカナの点字を相互変換するかである。第3は,点字と普通文字または普通文字と点字とを変換する各種のンフトウェアを開発することである。これらの問題を手がけ,点字による漢字入力および自動代筆,自動点訳において実用の段階に達した。
著者
加藤 浩一郎 石井 和克 須川 成利
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.105-112, 2006 (Released:2006-06-01)
参考文献数
8

本研究は,特許出願を行うかどうかを判断するための発明評価とその項目について,調査・研究を行い,発明の内容(分野)や企業,特許戦略等にかかわらず各社共通となる評価項目とその重要性を明らかにする。また,本研究は,この結果に基づいて,発明評価をできるだけ共通的かつ客観的に行うためには具体的にどのようにすればよいかを検討する。
著者
箕輪 成男
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.869-881, 1985 (Released:2012-09-28)
参考文献数
20

異言語間のコミュニケーションは, 一方または双方がバイリンガルで, かつ当事者間に共通言語が存在する場合以外, 誰かバイリンガルな第三者の媒介を得なければ成立しない。そうした媒介に通訳と翻訳がある。実務的な通訳は二つの異なる民族が接触するとき, いつでも発生するのが, 高度な知的作業としての翻訳は, いつでも成立するわけではない。系統的翻訳事業が行われるのは, 民族が知的活性に富み, 外界から学ぶ姿勢を堅持する時代においてのみである。本稿では, 通訳から翻訳へという異言語間コミュニケーションの発展過程をたどった後, (1) 中世, (2) 近代への過渡期, (3) 現代, の三つの時代について, 翻訳出版の歴史的事実を分析する。最後に(1) 孤立国, (2) 国際化社会形成国, (3) 文化的従属国の三つのモデルを設定し, そこにおける国際コミュニケーションの態様と, その文化的含意を探る。
著者
飯塚 泰光
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.707-722, 1995-11-01 (Released:2008-05-30)

注目のインターネットの中で,商用分野の利用が特に伸びている。インターネットの歴史の中で,商用サービスを提供するプロバイダーが誕生してまだ日が浅い。そのプロバイダーの仕事内容について説明した。サービスの内容と仕組み,使用できる機器,利用事例,プロバイダーのこれからの役割について,また記述されている。実際の現場で,実際に動いている内容についても触れた。特にサービスの仕組みについては詳しく述べており,これからインターネットを始めるユーザにとって,各サービスの違いが理解できる。