著者
古池 進 浅見 直樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.884, pp.124-127, 2004-10-11

同じLSIを異なる機器で使い回し,ソフトウエア資産を共有する——この仕組みがうまく機能すれば,商品の開発効率は格段に高まろう。ただし開発現場からは「総論賛成,各論反対」の意見が噴出しかねない。自転車操業的な日常業務の中で,抜本的な改革は痛みを伴う。だからこそ会社を挙げての号令が必要だ。研究開発トップの古池進氏が覚悟のほどを語る。
著者
新井将之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.796, pp.155-159, 2001-05-21
被引用文献数
1

Horowitz氏のなかで,何かが変わりつつあった。なぜか,以前のように気持ちが盛り上がってこないのだ。大学教授としての安定した収入,周囲からの尊敬,何一つとして不自由のない生活。不満など,何もないと思っていたのに。 原因はわかっている。不満のない生活こそが,それだった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.983, pp.66-74, 2008-07-28

「航空機のソフトウエアは,いわば頭脳。日本は民間機の国際共同開発で守備範囲を広げてきたが,欧米企業は肝となるソフトウエア開発については,日本に任せようとしてこなかった。それだけ重要な技術分野ということ」─。ある航空宇宙業界の関係者は,航空機のソフトウエアの重要性についてこう語る。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.851, pp.187-191, 2003-07-07

1996年夏。ADSLモデムの商社「ソネット」の小林博昭は,東京都墨田区業平にある会社のビルの屋上に敷いたゴザに座り,東京下町の風物詩である隅田川の花火大会を,ぼんやりと眺めていた。 ソネットの事務所は,古くからの下町の一角にある。小林が生まれ育った家が近いことから,この地に事務所を構えた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.923, pp.110-115, 2006-04-10

日本から見て地球のほぼ裏側。ブラジルのサンパウロ空港に降り立つと,南半球では秋に差し掛かる3月というのに,じっとりと湿気のある盛夏の空気が待ち受けていた。街に出ると道路沿いには携帯電話事業者の広告看板が立ち並び,家電量販店には消費者があふれている(図27)。 この地で松下電器産業は,2006年夏にもPDPテレビの量産と販売に乗り出す。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.827, pp.187-191, 2002-07-29

春——ピンク色のトンネルが,鎌倉市大船の街中に突如出現する。そこかしこで桜のつぼみが,一斉にほころびる。大船の街が,1年で最も華やかになる時だ。構内に桜並木を有する三菱電機の研究所は,満開の時期に合わせて,地域の住民に構内を開放し,「さくらまつり」を催す。「山岸さん,早く豚汁回してくださいよ」「まぁ待て,まぁ待て。慌てるな,慌てるな」 1997年。
著者
田中 昭二
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.827, pp.144-150, 2002-07-29

今,日本のコンピュータ産業は崩壊の危機にひんしている。かつて1960年代に「日の丸コンピュータ」を旗印にして,懸命に米国の跡を追ったことが夢のようである。 1960年代後半,世界を席巻していた米IBM Corp.の「System/360」に対抗するために,通産省(現在の経済産業省)は「超高速コンピュータ開発プロジェクト」を発足させた。
著者
Baker Van
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.995, pp.31-34, 2009-01-12

Black Friday─。米国のホリデー・シーズンの幕開けである「感謝祭(Thanksgiving Day)」†の翌金曜日に当たるこの日は,全米各地の販売店が激安セールを仕掛ける日だ。多数の消費者が,安売り商品を購入しようと店舗に押しかけることから,「これまでの赤字を一掃して黒字にしてくれる日」という意味付けで,Black Fridayと呼ばれる。
著者
荒木 健次 村山 敏夫 鈴木 誠
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.892, pp.117-130, 2005-01-31
被引用文献数
4

プリント配線基板の電源電圧や接地電圧の変動対策に追われる機器設計者が急増する中,電源系のシミュレーション技術が脚光を浴びている。デジタル・カメラやPDAなど数多くの機器の開発現場でこうしたシミュレーション技術の導入を始めているソニーが,静岡大学,静岡県立大学と共同で開発した3次元電磁界解析シミュレータ「BLESS」の詳細を明らかにする。
著者
Grose Douglas
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1056, pp.98-102, 2011-05-16

シリコン・ファウンドリー業界において、最近台頭著しいのが米GLOBALFOUNDRIES社である。母体の米AMD社から受け継いだ高い製造技術力や、アブダビ首長国に拠点を持つ出資企業の資金力などを強みに、業界トップシェアを持つ台湾TSMCに真っ向勝負を挑む。その事業戦略を、経営トップのDouglas Grose氏が明らかにした。
著者
中島 哲 堀田 悦伸 村瀬 健太郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1109, pp.83-90, 2013-05-27

中島 哲富士通研究所 主任研究員松田 高弘富士通研究所 主任研究員堀田 悦伸富士通研究所 主任研究員松尾 直司富士通 部長付村瀬 健太郎富士通研究所 主任研究員富士通研究所は画像や音声の認識技術で把握したユーザーの状態に基づいてパソコンやタ…
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.777, pp.51-58, 2000-08-28

多チャネル放送のネットワークからブロードバンド・ネットワークへ——。ケーブル・テレビが大きく変容し始めた。 これを端的に示しているのが,インターネット接続サービスの加入者の急激な伸びである。同サービスは,電話回線やISDNの通信速度を大きく上回っていることを売りに,現状で最速の家庭向けインターネット接続サービスとして普及しつつある。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1086, pp.51-62, 2012-07-09

家庭内エンターテインメントの主役を担うべく、機能とサービスの拡充で攻勢をかけるゲーム機メーカー。それに対抗しようと、ゲーム配信サービスを取り込むテレビ・メーカー。2012年6月に開催されたゲーム業界の世界最大級の展示会「E3(Electronic Entertainment Expo)2012」は、こうした両者の戦いが、今後一層激しくなることを予感させるものだった(図1)。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1170, pp.67-71, 2016-08

台湾で最有力のブランド企業であるASUSTeK Computer(ASUS、華碩)社は、スマートフォンで市販価格帯アップを試みる(図2)。「ZenFone」シリーズを累計4000万台を販売し、消費者から品質に対する信頼を得られたと認識した。これまで販売してきた価格帯(250米ドル)…
著者
関谷 秀一
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1071, pp.138-142, 2011-12-12

NFCを活用したさまざまな取り組みが世界中で始まった。日本の「おサイフケータイ」対応、すなわちFeliCa搭載のスマートフォンは、日本の携帯電話事業者に特化した実装になっているが、NFC搭載スマートフォンで実現されるであろうすべての機能が既に実装されている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.869, pp.171-175, 2004-03-15

夕日に照らされたアスファルトの道路に男たちの長い影が伸びていた。ここは東京・品川から国電の京浜東北線で2駅目の大森。にぎやかに談笑しながら歩く彼らは,日立製作所のコンピュータの営業部門で席を並べる仲間である。石油ショックの余韻冷めやらない1975年のことだ。 男たちの向かう先は近くにあるゴルフ練習場。そこに行くのは定時退社日である水曜の恒例行事となっていた。
著者
木村雅秀
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1067, pp.65-72, 2011-10-17
被引用文献数
1

「この結果には、正直驚いた。期待していた以上の効果だった」─。新しい試験技術「HALT(highly accelerated life test)」の実力を評価した国内大手電機メーカーA社の技術者は驚きを隠さない。 A社はHALTの評価を2011年6月に実施した(図1)。試験対象には、大手ベンダーから購入した2種類のSSD「SSD-1」「SSD-2」を用いた。
著者
大塚 周一 田中 直樹 今井 拓司
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1132, pp.63-66, 2014-04-14

東芝、日立製作所、ソニーの中小型液晶事業を統合し、2012年4月に発足したジャパンディスプレイ。「ロケットスタートさせる」という大塚社長の号令のもと、初年度に黒字化し、設立からわずか2年弱で株式上場へこぎ着けた。「弱者連合」「うまくいくわけがない」…
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1070, pp.38-45, 2011-11-28

各社の製品を分解したところ、フリー・ポジショニング実現への工夫点の相違が浮き彫りになった。一方、競合技術の電界結合方式もタブレット端末への採用を決め、存在感を強めている。 さまざまなワイヤレス給電技術の開発が競うように進む中、ロケット・スタートを決めた電磁誘導方式のQi規格─。電磁誘導方式は、「枯れた技術」ともいわれるほど歴史は古い。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1031, pp.69-76, 2010-05-31

全国津々浦々まで張り巡らされた日本の携帯電話網。携帯電話機はこの網を利用して,数Mビット/秒の通信速度でインターネットに接続可能だ。