著者
福田 昭
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1152, pp.71-75, 2015-02

不揮発性メモリーの用途として最近になって注目を集めているのが、大規模高性能プロセッサーICのオンチップキャッシュへの応用である(図6)。これまでプロセッサーのキャッシュにはSRAM技術が主に使われてきた。SRAM技術は極めて高速なメモリー技術であること…
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.759, pp.165-169, 1999-12-13
被引用文献数
1

1997年の冬から春にかけてPCG—505の開発は,一歩ずつ前へ進んでいった。筐体の加工を任された吉田達雄氏は,取引先の紹介で,信頼できる加工業者にようやく出会う。一方,ソフトウエア部隊は,社内募集の制度を利用して,手薄な人手を強化していた。そして4月末。手作りの試作機ができあがる。そこで,大問題が露呈した。動作中に,筐体の一部が熱くなってしまうのだ。
著者
碓井 有三
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.812, pp.107-113, 2002-01-07
被引用文献数
2 2

本誌2001年6月18日号(no.798)の特集「バスよりシリアル,GHz伝送への決断」において,1GHzを超える高速ボード設計を実現するために解決すべき課題に触れた。最大の課題は,誘電損失である。これまでは主に導体損失の影響を考慮していればよかったが,1GHzを境に誘電損失の影響が支配的になる。この内容に対して,意外であるとの印象を受けた読者が少なくなかったという。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.820, pp.163-167, 2002-04-22

会議室の空気は,険悪な雰囲気でみなぎっていた。部屋を埋め尽くした80人もの参加者は,ほとんど口を開かない。延々と議論を続けているのは,テーブルを挟んで向き合った2人だけ。いや,それは議論と呼べた代物ではなかった。何とか逃げ道を見つけ出そうと必死の1人を,いきり立ったもう1人が,情け容赦なく追求する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.786, pp.143-147, 2001-01-01
被引用文献数
1

無理もない。この段階で,「排気が少ない掃除機」を製品化できると考えていた技術者は一人もいなかったのだから。 確かに,排気を逃がすことが許されれば,掃除機本体を若干は冷せる。モータやコード・リール部が過熱する問題は解決できるかもしれない。だが,それはあくまで机上の話である。それを製品に作り込めるかどうかは,まったくの別問題だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.856, pp.211-215, 2003-09-15

「こういう仕事をしていると,何か盛り上がりというか,機運の高まりみたいなものを感じることがあるんですよ。『そろそろ何か発表しそうだなぁ』というような。それで,あのときの展示会は,すごくこう,何というのか…。そう,異常な雰囲気とでもいえばいいのでしょうか。ドラマチックなところがあった」 ゴールデンウイークも間近な2001年4月27日。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.774, pp.171-175, 2000-07-17
被引用文献数
1

ソニーのエンターテインメント・ロボット「AIBO」開発ストーリの5回目。ようやく始まった商用機の開発。しかし,どうもデザインがうまく決まらない。土井利忠氏は,ある人物にこの難事を託す。「何かちがうんだよなあ」「うーん」 これまで何度同じ会話を交わしたことだろう。そして今日も…。
著者
西 一樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.963, pp.131-139, 2007-10-22
被引用文献数
2

手ブレ補正機能は,デジタル・カメラやビデオ・カメラの標準機能の地位を獲得した。ただし,実際の補正効果は機種ごとに異なる上,露光条件による得手不得手もある。従来は,こうした違いを定量的に示すことが難しかった。電気通信大学の西氏が開発した測定技術は,この問題に一つの解を与える。この手法を使うと,補正がある場合やない場合の,手ブレの3次元的な挙動を測定できる。
著者
新井将之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.800, pp.195-199, 2001-07-16
被引用文献数
2

NECが米Silicon Graphics,Inc.(SGI)へ18MビットのRambus仕様DRAMのサンプル出荷を始めた矢先,工場に出張していた部下から石川透氏に急報が届いた。作っても半分以上は検査で不良になるというのだ。回路上の問題というのが工場側の見解だった。 「そんなことあるわけないじゃない。工場の評価ミスじゃないの?」 石川氏は全く取り合わなかった。
著者
大久保聡
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.867, pp.94-103, 2004-02-16
被引用文献数
1

「共同研究の依頼が100件近くも寄せられたんですよ。プリンターで文字を打ち出すように,電気回路を描きたいと考えるメーカーがいかに多いのかに驚きました」(セイコーエプソン 生産技術開発本部 本部長の森昭雄氏)。太陽電池やディスプレイ,センサに無線タグなど,多種多様な電子デバイスを製造する全く新しい方法が登場する注1)。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.796, pp.67-74, 2001-05-21

「実は『今回からうちもあっちに出展しよう』という話があったんですよ」(ソニーの関係者)。 「あっち」というのは,NAB2001(National Association of Broadcasters 2001)の本会場となった「Las Vegas Convention Center」(LVCC)ではなく,そこから数km離れた別会場「Sands Expo Convention Center」(Sands)のことである。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.861, pp.179-183, 2003-11-24

「あぁ,川合さんのところだよ。こないだから,何か変なことをやってるみたいよ。どうにかならないのかね,あの音」 同僚が眉をひそめる大音量を鳴らしていたのは川合澄夫である。レンズ部を取り外せるデジタル一眼レフ・カメラでは,撮像素子に付着するゴミの除去が大きな課題となる。写真を撮影したときにゴミが写り込み,画像データの品質を著しく劣化させる可能性があるからだ。
著者
中村 修二
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.805, pp.75-80, 2001-09-24

中村氏 皆,エールを送ってくれています。どこのメーカーとか名前は言えませんが,大企業の第一線の技術者たちが「頑張ってください,陰ながら応援してますから」と声を掛けてくれました。多くの技術者は会社に対して不満を持っているんです。でも,それを口には出せない。自論ですが,日本は共産主義ですから。私が渡米するとき,親しい他社の技術者たちが宴会を開いてくれました。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1090, pp.75-78, 2012-09-03

富士フイルムでデジタル・カメラ事業を統括する樋口武(現・同社 取締役 常務執行役員 電子映像事業部長 兼 光学デバイス事業部長)はスポットライトを浴びながら高らかに宣言した。この日、開催した新製品発表会での一コマだ。そこで披露したのが、高級コンパクト型デジタル・カメラ「FinePix X100」だった。想定実売価格は何と12万8000円前後。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.974, pp.48-58, 2008-03-24

デジタル・カメラは未熟である。誰もが使う民生機器として,完成度はテレビやHDDレコーダーに遠く及ばない。デジタル・カメラ評論の第一人者である山田久美夫氏はいう。「なぜ,ごく一般的なユーザーがピンぼけ,手ブレといった用語を日常的に使っているのか。失敗するのが当たり前。そんな商品しか,まだ存在しない」。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.947, pp.90-99, 2007-03-12

放送が始まって以来の大きな変革点が,テレビに訪れている。国内では2006年9月末時点でブロードバンド契約数が2500万に達するとともに,家庭内ではDLNA(digital living network alliance)†などのネットワーク技術の普及によって,テレビやHDDレコーダー,パソコンなどが簡単につながる時代がすぐにやって来る。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.783, pp.155-159, 2000-11-20

「おはよう。いろいろ心配かけたけどまたよろしく。早速なんだけど,新製品の売り上げデータ見せてもらえる?」 森川祐介氏は,洗濯機の販売促進の担当者である(図1)。イオン洗浄洗濯機のカタログや新聞広告,店頭ポップ注)などの企画,制作活動に従事していたが,発売数カ月前に体調を崩し,しばらく休暇を取っていた。「こんなもんかぁ」「まずまずといったところでしょう。
著者
狩集浩志
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.902, pp.61-68, 2005-06-20
被引用文献数
3

2010年6月20日,日曜日。ついに新車が我が家に届いた。パワー・トレーンは,排気量1.5lの直列4気筒エンジンに出力40kWのモータを組み合わせた最新のハイブリッド・システム。燃費は40km/lを誇る。もちろん,ヘッドランプは今や高級車の象徴となった白色発光ダイオード(LED)だ。安全面の装備もバッチリ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.844, pp.203-207, 2003-03-31

「このままじゃ,とてもじゃないけど使えない。新しい地図フォーマットを作るしかないね。中野君たちで作って」 インクリメントPの中野年章と岡村淳一が作った,携帯電話機を介してサーバからノート・パソコンに地図をダウンロードするシミュレーション。これを見た畑野一良は,こう言い置くと部屋を出ていった。