著者
植野 妙実子
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

フランスでは、立法過程・政策決定過程において、憲法院とコンセイユ・デタが大きく関与する。とりわけ憲法院は、法律の違憲審査を通して、立法のあり方にも影響を及ぼしている。他方で国家の行政上の重要な役割を担っているのはコンセイユ・デタであるが、コンセイユ・デタと憲法院との連携は、機関として行われているばかりでなく、人的配置においても行われている。このような協力を通して、国家としての一貫性、安定性を図っている。こうした関係において、憲法院がいかに公正に合理性をもって人権保障を図るかが、市民にとっては重要になる。
著者
植野 義明
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.14-24, 2019-12-25

数学教育学会では、研究グループ「数式音読SG」が新たに発足し、第1回ワークショップが2018年8月6日に開催された。この研究グループでは、数式を声に出して読むことの教育的意義に関する教育心理学における先行研究に基づいて、学校現場で数式を読む方法の標準を構築するための基礎研究を目的としている。このような研究は、小学校から大学までの教育現場に直接影響を与えることが期待されており、多くの人々の知識と実証データを収集することにより促進されるべきである。本論考では、上記の研究グループが本格始動する前の準備として、小学校から大学までのカリキュラムに含まれるいくつかの数式について、日本語と英語での読み方を比較・検討したい。
著者
木地 孝之 水谷 昌紀 伊澤 岳 植野 利隆 江幡 光範
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.4-16, 2003-06-25 (Released:2015-03-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

プロ野球日本ハムファイターズが本拠地を東京から札幌に移転することになったが,移転成功の条件は何か,成功すればどの程度の経済効果が期待できるのかを,札幌市産業連関表を利用した生産波及分析を交えて検討する.本稿は,慶應大学の学部学生による分析であり,分析手法は基礎的・一般的なものであるが,福岡ダイエー・ホークスとの徹底比較を行うなど,学生らしい楽しい内容となっている.
著者
植野 貴志子
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.64-79, 2018-09-30 (Released:2018-12-26)
参考文献数
25

本研究では,日本語とアメリカ英語の初対面の教師・学生ペアの会話をデータとして,会話マネージントに関わる発話行動を分析し,そこに反映する教師と学生の関係を文化・社会的観点から考察した.同一のテーマを与えられた日英語会話において,教師と学生が(1)会話開始時,どのように第一話題提供者を決めるか,(2)自身による話題提供後,どのように相手を次の話題提供へと仕向けるか,(3)話題が尽きたとき,どのように次の話題を探索するかを分析した.その結果,英語会話では,教師,学生ともに,相手の話題選択の自由を確保しながら話題提供を促す等,対等な働きかけを介して,二者のステイタスの違いを平均化する傾向が認められた.一方,日本語会話では,教師が一方的に話題を提案しながら学生に話題提供を促す等,非対称の発話行動が見られ,そこには疑似親子的な一体感が醸されていることが指摘された.日本人に特徴的な発話行動の仕組みは,理性と感性の二領域のはたらきを含めた「自己の二領域性」のモデル(清水,2003)を導入することにより,より適切に説明されることを論じた.
著者
渡辺 祐子 早川 潔 植野 洋志
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.999-1004, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
18

The effect on the bitterness and taste of tea was studied of fermenting non-sterilized leaves with Aspergillus. A treatment with A. oryzae reduced the levels of both epigallocatechin gallate (EGCg) and epicatechin gallate (ECg), which tend to give a strongly bitter taste, and increased the levels of epigallocatechin (EGC) and epicatechin (EC) that can be easily ingested. The treatment also increased the levels of amino acids like Glu and Asp that are responsible for the umami taste. The results suggest that fermenting leaves with A. oryzae may provide a better taste and improve the ease of absorption of tea.
著者
吉田 純 高橋 三郎 高橋 由典 伊藤 公雄 新田 光子 島田 真杉 河野 仁 植野 真澄 田中 雅一 Fruhstuck Sabine Dandeker Christopher Kummel Gerhard Patalano Alessio
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

現代日本のミリタリー・カルチャーの2つの構成要素、すなわち、(a)メディア・大衆文化に表現される戦争・軍事組織のイメージ、(b)軍事組織(自衛隊)に固有の文化について、平成26年度には歴史社会学的観点から、平成27~28年度には比較社会学的観点から、それぞれ調査研究を実施した。研究方法としては、インターネット意識調査、文献調査、映像資料調査、博物館・資料館等の現地調査、および関連研究者・実務者へのインタビュー調査等の方法をとった。これらの調査研究で得られた知見を総合した研究成果を、平成29年度中に、研究代表者・分担者の共著として出版予定である。
著者
井町 充晶 植野 雅之 上月 景正 対馬 勝英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.320, pp.37-42, 2003-09-13
被引用文献数
1

楽器演奏の熟練においては、単調な反復練習を主体とする訓練を行って数年単位の時間を要する。音楽ゲームの模擬的な演奏の場合は、短期間の反復練習で、上達可能であり、その学習効果は、非常に興味深い。その学習効果を調べるために、ゲーム環境における入力デバイスとプレイヤーに呈示するフィードバックに注目し、ゲームシミュレータ上にて、リアルタイム計測をおこなった。ここでは、その実験結果より、入力デバイスの差、および習熟の効果について報告する。
著者
植野 弘子
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
no.41, pp.p377-411, 1992-03

本稿は、台湾漢民族における死霊と土地の超自然的存在との関連についての一試論である。漢民族においては、祖霊と死霊は明確に区別されている。死霊―「鬼」は、子孫をもたず、あるいはこの世に恨みを残して死んだものであり、冥界で不幸な境遇にあるとされる。こうした「鬼」はこの世にさまよい出で人々に不幸を振りまくことになる。しかし、「鬼」は可変的性格をもち、祖先にも神にも変化する存在である。これまでの研究においては、「鬼」は霊的世界のアウトサイダーであり、「鬼」を無体系なものとみなしてきた。しかし、「鬼」はけっして混沌たる世界を漂漾しているのではない。人と「鬼」との交信には「鬼」を統轄する神々が登場する。この神々は陰陽両界に関わるとともに「地」に関わる神であり、「鬼」が昇化して神になったものもいる。落成儀礼〈謝土〉において、人は建造物を建てた土地から邪悪なものを払い、その土地を「陰」の世界の土地の持ち主〈地基主〉から買い取らねばならない。〈地基主〉とは、かつての土地の持ち主で死後その霊がその土地に残ったものとされている。つまり「鬼」であり、「鬼」が土地の主となるのである。土地は「陰」から「陽」の世界のものとなって初めて人が住むのにふさわしいものとなる。土地は陰陽の両界をつなぐ場である。人と死霊は「地」に関わる超自然的存在によって媒介され、人はその住む地によって冥界と切り放せない現世を知るのである。漢民族は冥界をこの世と同様にリアルに描いている。そして、冥界と地とを結び付けることによって、また「鬼」という浮遊性をもつ超自然的存在に一定の秩序を与えることによって、人が他界を生活の中に感じ、また解釈を与えているのである。This paper is a hypothesis on the relationship between the ghosts and the supernaturals of the earth in Taiwan Chinese society.In Chinese society the spirits of ancestors and ghosts are clearly distinguished. Ghost-"Gui" ("kui") are considered to be spirits of those who died without descendants, or, those who died leaving a bitter grudge in this world. They are seen as being in an unhappy state in the otherworld. So such ghosts haunt this world spread disaster. However, the ghost has a changeable character, he can change into either an ancestor or a god. In preceding studies a ghost is regarded as an outsider of the spiritual world, those who has no systematic structure. But in this paper it is clear that the ghost is never wander in a chaotic world.Gods who control ghosts appear in communications between men and ghosts. These gods are not only concerned with the otherworld and this world (yin-yang worlds) but also with the earth world. Some ghosts have risen to become such gods, but the gods still have ghost's characters.In the completion ritual called "Xiedu" ("Siatho"), or thanks to the earth, the man who builds the construction has to clear off the evil from the site, and purchases the site from the site-owner spirit "Dijizhu" ("Tekico"), or foundation spirit. The Dijizhu is considered to be the former site-owner, whose spirit remained on the site after his death. In other words, Dijizhu is originally a ghost, and the ghost becomes the owner of the site in yin world. Dijizhu is an ambivalent category of spirit, he has two kinds characters of god and ghost.A site becomes fit for human habitation only after it shifted from yin world to yang world. The earth has the function which links yin and yang worlds. Men and ghosts are intermediated by the supernaturals of the earth. Through the earth on which they live men can understand that this world cannot cut away from the other world. In Chinese society yin world is recognized having same systems of this world. By connecting yin world and the earth, and by giving a certain structural order to the ghosts who have a drifting character, man can feel and interpretate the supernatural world in his everyday life.
著者
木下 涼 植野 真臣
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J103-D, no.4, pp.314-329, 2020-04-01

項目反応理論では異なるテストを受検した受検者を同一尺度上で評価することができる.しかし,そのためには受検者の同一母集団からの独立ランダムサンプリングを仮定し,共通項目を含む複数のテストデータをもとにリンケージと呼ばれる処理が必要である.リンケージはテスト実施に膨大な作業を伴うだけでなく,前述の仮定により理論的に最適値を得る保証はない.この問題を解決するため,本研究では深層学習を用い,受検者の母集団と独立性を仮定しないテスト理論としてItem Deep Response Theoryを提案する.提案モデルはリンケージを必要とせず,受検者が単一母集団からのランダムサンプリングでない場合にも精度の低下が抑えられ,複数の母集団からサンプリングされている場合に頑健である.ここではシミュレーション・実データ実験より,提案モデルは未知の項目への反応予測精度が高く,特に受検者が同一の母集団からランダムにサンプリングできない場合に項目反応理論に対して大きく能力推定精度と反応予測精度を向上させることを示す.
著者
古川 康一 植野 研 尾崎 知伸 神里 志穂子 川本 竜史 渋谷 恒司 白鳥 成彦 諏訪 正樹 曽我 真人 瀧 寛和 藤波 努 堀 聡 本村 陽一 森田 想平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.117-128, 2005 (Released:2005-02-04)
参考文献数
52
被引用文献数
4 4

Physical skills and language skills are both fundamental intelligent abilities of human being. In this paper, we focus our attention to such sophisticated physical skills as playing sports and playing instruments and introduce research activities aiming at elucidating and verbalizing them. This research area has been launched recently. We introduce approaches from physical modeling, measurements and data analysis, cognitive science and human interface. We also discuss such issues as skill acquisition and its support systems. Furthermore, we consider a fundamental issue of individual differences occurring in every application of skill elucidation. Finally we introduce several attempts of skill elucidation in the fields of dancing, manufacturing, playing string instruments, sports science and medical care.
著者
竹村 静夫 竹村 厚司 植野 輝 菅森 義晃 古谷 裕
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.124, no.2, pp.117-125, 2018-02-15 (Released:2018-05-30)
参考文献数
38
被引用文献数
2

中~後期ペルム紀に形成されたと考えられる超丹波帯上月層は,その一部にデボン紀のチャート層を含むことが判明した.このチャート層は玄武岩類とともに産し,磁鉄鉱の濃集層を頻繁に挟在する.磁鉄鉱濃集層を含むチャートからは,放散虫化石Holoeciscus foremanaeなどが産出し,その年代は後期デボン紀Fammenian期である.これは中国地方から産する化石として最も古い年代であるとともに,日本列島の付加体中に含まれる異地性岩体としては,東北地方の根田茂帯のチャートとならんで最も古いことを示す.