1 0 0 0 OA 樹木の寿命

著者
勝木 俊雄
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.239-247, 2019-10-31 (Released:2021-03-22)
参考文献数
58
著者
松田 陽介 伊藤 由佳 伊藤 進一郎
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.165-173, 2010-10-31 (Released:2020-11-04)
参考文献数
23

コナラの葉内に生息する内生菌の伝播・感染様式を明らかにするため,展葉段階と展葉期の異なる葉から内生菌の分離を行った.2007年4月の一次展葉期の展葉状態を5段階に大別し,段階別に内生菌相とその分離率を調べた.さらに,2008年4月の一次展葉期,6月と8月の二次,三次展葉期の葉から検出された内生菌相やその分離率も同様に調べた.その結果,一次展葉期では2007年に10タイプ,2008年に15タイプの内生菌タイプが得られ,2008年の二次,三次展葉期ではそれぞれ11,13タイプの内生菌タイプが得られた.得られた内生菌のうちDiscula sp.の分離率は最も高く,一次展葉期の葉身拡大時に増加したが,二次,三次展葉期の新葉では減少傾向を示した.二次,三次展葉期ではPhomopsis sp.が増加傾向を示した.これらの結果から,Discula sp.は胞子により一次展葉期に感染を行い,葉内で優占するものと考えられた.また,二次,三次展葉期の新葉では,Discula sp.の胞子飛散量が減少したためか,Phomopsis sp.の感染が増加する可能性が示された.
著者
楠 幹生 鐘江 保忠 藤田 究 井口 里香 北濱 郁雄 村口 浩 佐野 有季子 藤村 敬子 香西 俊哉
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.8-12, 2017-01-31 (Released:2018-01-31)
参考文献数
10

2016年に香川県高松市の盆栽産地において,Coleosporium phellodendriによるクロマツ葉さび病およびCronartium orientaleによるこぶ病の盆栽での発病リスクについて調査を行った.その結果,葉さび病については中間宿主となるキハダが輸出用盆栽園地の300m以内に存在しなかったため,本病害の盆栽での発生の可能性は極めて低いと考えられた.また,こぶ病については,輸出用盆栽園地の300m以内に中間宿主が存在した.しかし,樹齢約100年のクロマツにもこぶ症状が見られなかったことから,少なくとも100年間はこぶ病が発生していないか,あるいは発病していたとしても適切な管理により園地から完全に排除されていたと考えられる.この調査結果と両病原菌の生活環,盆栽の栽培管理方法,病害虫防除および気象条件を総合的に考えると,今後も両病害が発生する可能性は極めて低いと考察した.クロマツ盆栽については,欧州は葉さび病菌およびこぶ病菌について侵入を警戒しているが,すでに輸出されているゴヨウマツ盆栽と同様の検疫措置を実施することにより,欧州諸国への侵入リスクは極めて低いものと判断する.
著者
鳥居 正人 松下 知世 松田 陽介 伊藤 進一郎
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.119-122, 2012-07-31

ブナ科樹木の萎凋病菌Raffaelea quercivoraに対する外国産コナラ属樹種の感受性を明らかにするため,Quercus palustris, Q. robur, Q. rubra,日本産アラカシの各種苗木に対して,多点・1点接種を行った.その結果,多点接種における対照,無処理木では枯死が確認されなかったが,接種木ではQ. rubraのみで枯死が確認され,その枯死率は42%であった.また,枯死率は樹種間で有意に異なった.1点接種の接種木においてQ. rubraの接種部横断面における変色域の割合は,アラカシのものに比べ,有意に高かった.以上の結果から,R. quercivoraは外国産のQ. rubraに対して病原性を有することが明らかとなった.
著者
小林 正秀 吉井 優 竹内 道也
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.95-104, 2014

<p>カシノナガキクイムシの穿入に伴うナラ枯れ被害が1980年代以降に拡大している.被害拡大要因として気象条件も指摘されているが,統計解析に基づいた仮説はない.そこで,舞鶴市と京都市で実施された被害量調査の結果を基に,ナラ枯れ被害量の増減と気象条件との関係を単回帰分析で解析した.その結果,両地域ともで,厳冬期(1~2月)の最高気温が高いほど被害が助長される傾向が認められた.また,京都市では春期の降水量が多いほど被害が助長される傾向が認められた.さらに,舞鶴市では,6~7月の間の最低気温が20℃以上の日数が多いほど被害が助長される傾向が認められた.ただし,通説化している夏期の高温・少雨が被害を助長することを支持する明確な結果は得られなかった.</p>
著者
鳥居 正人 松下 知世 松田 陽介 伊藤 進一郎 Masato Torii Tomoyo Matsushita Yosuke Matsuda Shin-ichiro Ito 三重大学大学院生物資源学研究科 三重大学生物資源学部 三重大学大学院生物資源学研究科 三重大学大学院生物資源学研究科 Graduate School of Bioresources Mie University Faculty of Bioresources Mie University Graduate School of Bioresources Mie University Graduate School of Bioresources Mie University
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.119-122, 2012-07-31

ブナ科樹木の萎凋病菌Raffaelea quercivoraに対する外国産コナラ属樹種の感受性を明らかにするため,Quercus palustris, Q. robur, Q. rubra,日本産アラカシの各種苗木に対して,多点・1点接種を行った.その結果,多点接種における対照,無処理木では枯死が確認されなかったが,接種木ではQ. rubraのみで枯死が確認され,その枯死率は42%であった.また,枯死率は樹種間で有意に異なった.1点接種の接種木においてQ. rubraの接種部横断面における変色域の割合は,アラカシのものに比べ,有意に高かった.以上の結果から,R. quercivoraは外国産のQ. rubraに対して病原性を有することが明らかとなった.