著者
福田 敦 フクダ アツシ Atsushi Fukuda
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.186-209,

98年以降に順次施行されたまちづくり三法の成果が全国的に芳しくないため,第164回通常国会で制度改革に向けて大幅に改正される法案が上程され,関係省庁から新政策の体系が示された。都市計画制度については,ゾーニング規制と広域調整による大型店の適正配置,広域的都市機能の拡散防止などが図られる。中心市街地活性化制度については,基本計画への国の関与強化,選択と集中による予算措置,活性化協議会の設置による新TMO の実効性の確保などが図られる。本稿では,これまでの三法の検証とともに,新政策の到達点と今後の展望について是々非々で考察する。
著者
渡邉 憲正
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.86-114, 2014-03

一般に,初期の自由民権論は,民権(天賦人権)を張り人民主権に基づく立憲政体を構想し,国家独立を求める国権論--小国主義--として,主に政治的脈絡で了解される。だが,およそ明治十四年の政変を境に--つまり自由民権運動の昂揚期(1881-84)に--,それは天皇主権論と国権拡張論に接近するという「転換」を遂げ,国力増進の経済的社会的文明化の傾向をますます強く顕現させるに至った。本稿は,この「転換」を植木枝盛の思想に即して論じ,自由民権論の思想構造を考察するものである。そして結論的には,「転換」の根拠を,1)啓蒙主義とスペンサー社会進化論を前提する天賦人権説の限界,2)対外関係論において近代思想が本来抱えるダブル・スタンダードの最終的受容,3)天皇制の受容という国権の自立化による人民主権論の喪失,4)「文明と野蛮」図式の拡張・変質,の4点に求め,ここに自由民権論の思想構造が現れることを指摘した。
著者
岡嶋 裕史
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.131-139, 2014-03

ゲーム業界におけるパッケージゲームからソーシャルゲームへの移行が進行し,ヒットタイトルの多くをソーシャルゲームが占める状況が出来している。このトレンドはPS4などのコンシューマ機の設計とエコシステムの構造にまで影響を及ぼしており,今後も同一傾向が続くことが予想される。一般的に,ソーシャルゲームへの移行は,ユーザがゲームを楽しむ際の短時間志向や無償志向,基本的なインフラとなったSNSとの親和性をひいて説明されるが,本当にソーシャルゲームは短時間かつ無償で楽しめるものなのだろうか。完全に無償であれば,ベンダは開発意欲や開発リソースを維持することはできず,短時間プレイに限局されるなら,広告費でそれをまかなうことすら困難になる。背反するベンダとユーザの要求は,何らかの要素によって調整や隠蔽がなされているはずである。本稿では課金によって短縮される時間の性質に着目し,この背理した状況への説明を試みた。
著者
渡邉 憲正
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.46-70, 2013-03

近代西洋は,各個人の自然権と各国家の主権を原理として定立する一方,他ネイション(民族)の「権利」を侵害する植民地化と侵略戦争を遂行した。このときに,それを正当化する思想/理論が要請されるのは,必然である。では,そのために,いかなる思想/理論が要請されるのか。「文明と野蛮」図式は,この二重の相反した課題を果たすための実践的理論装置である。本稿は,「文明と野蛮」図式の形成を,1)所有権と植民,2)進歩の歴史,3)文明化としての戦争,という脈絡で考察し,近代西洋が野蛮を,1)土地所有権の不在,2)法的統治と富裕の不在,3)権利侵害の脅威を与える存在,として把握することによって,植民と戦争を正当化したことを示した。同時に本稿は,近代日本がこの図式を受容してアジアの植民地化と侵略戦争を遂行したこと,現代もなおそれに囚われていることを指摘して,思想史の了解全体を見直す必要を提起した。
著者
橋本 健広
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.97-103, 2013-03

グローバル化が進み企業における英語の必要性が高まる中,中小企業を独自のコンテキストをもつ言語コミュニティととらえて研究することが望まれる。本研究では,広域京浜地域の中小製造業に関して,企業活動で使用される英語および他の言語についての調査を行った。中小企業は海外展開や外国語の使用が難しい状況にあるものの,多くの中小製造業が国際語としての英語および共通語としての日本語を使用して海外企業と企業活動を行なっていることがわかった。