著者
馬場 英朗
出版者
關西大學商學會
雑誌
關西大學商學論集 (ISSN:04513401)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.43-56, 2019-12-25

休眠預金活用法が成立し,約30億円の資金を子どもや若者・生活困難者の支援,地域社会の活性化などに助成することが予定されている。このとき,広く国民の理解を得るためにロジック・モデル等に基づく社会的インパクト評価を実施すると定められているが,その内容についてはいまだ明確になっていない。インパクトとは,介入により個人や社会に生じた変化を抽出することで捕捉された,公益活動が直接的に生み出す社会的価値のことである。イギリスでも公共サービス分野において,インパクト評価が導入されているが,成果を科学的に証明するというよりも,様々な利害関係者がお互いに合意できる立証水準を確保することに主眼が置かれている。成果主義が過度に強調されると,失敗した事業が存在しないかのように取り繕って,十分な成果が出たと見せかける危険性もあるため,活動のプロセス (短期・中期) や政策及び予算 (長期) を適時に見直すことにより,成果指向の考え方を浸透させることが重要になる。
著者
英 邦広
出版者
關西大學商學會
雑誌
關西大學商學論集 (ISSN:04513401)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.75-93, 2018-03-10

本研究はJSPS科研費 『非伝統的金融政策実施による所得・消費格差に関する研究 』(16K17149),『金融政策正常化を規定する社会経済的要因を考慮したマクロ経済分析:理論・実証・歴史』(16H03618)の助成を受けている。

1 0 0 0 OA 『挑戦』

著者
井上 昭一
出版者
関西大学
雑誌
關西大學商學論集 (ISSN:04513401)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.113-121, 2005-04-25

アルフレッド・P・スローン・ジュニア(1875〜1966)に関しては,経歴や経営哲学を含めあらゆる側面・角度から追求され分析され尽くした感があり,今更,私が仰々しく紹介するまでもないだろう。ただ一言でいいあらわすとすれば,私は,単に卓越したプロフェッショナル・マネジャー以上の存在であったとの敬意を込めて,彼のことを「インダストリアル・ステーツマン」と称したい。本稿は,当時ジェネラル・モーターズ社(以下GM)の会長(1937〜56年まで会長に在位)であったスローンが第2次大戦中の1943年12月に,「アメリカ産業戦時評議会」(Second War Congress of American Industry)で『挑戦』(The Challenge)と題して行った講演の記録を抄訳したものである。講演はきわめて広範多岐にわたっており,終戦後に企業,政府,個人を含めアメリカ合衆国全体が国際社会の中で歩むべき道や,それに向って努力することの重要性が,適切かつ具体的に表明されている。彼の講演録を読んだとき,私は古来よりわが国日本において語り継がれてきた名言,すなわち「夢なき者に目標なし。目標なきものに努力なし。努力なきものに成果なし。」を想起した。それほど明快な,資料的価値にとんだ内容であり,紹介する所似である。