著者
青木 直史 伊福部 達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

合成音声における自然性の再現を目的として、母音合成時に不規則信号を音源信号に付加する試みがなされてきている。いわゆるmixed excitation音声合成方式として知られる方法は、バズ音源と白色雑音源の併用によってLPCボコーダ等の線形分離音声合成システムによる合成音声の音質の向上を目的としている。ここで提案する音声合成方式も同様に音源信号を周期信号と非周期信号の和で表現する。周期信号には-12dB/octの声帯フィルタを通過したパルス列信号を用いる。非周期信号には1/fゆらぎのクラスに分類される不規則信号を用いる。本方式は音声知覚に重要なacoustic cueを再現することによる合成母音の自然性の向上を目的としている。