著者
松山 晋作 赤壁 毅彦 大場 宏明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.98, no.337, pp.1-6, 1998-10-16

電気車両のパンタグラフ集電では、硬銅トロリー線に対して銅系焼結合金、鉄系焼結合金、炭素あるいは炭素系複合材料がすり板として使用されている。これらのほかに、一般の圧延鋼材、近年開発が進んだ金属基複合材料や導電性セラミックスなど各種の材料が、集電すり板として適用可能かどうか、現用材と比較検討した。その結果、トロリー材と同種金属の銅系材料は摩耗が大きいこと、鉄系は潤滑剤を添加しないとトロリー表面を荒らすこと、アルミ基セラミックス繊維複合材は内部潤滑無しでも銅系材料よりは摩耗量が少ないこと、導電性セラミックスは熱衝撃に対する改善が必要なこと、などが明らかとなった。
著者
小林 篤人 窪野 隆能
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.97, no.329, pp.1-6, 1997-10-17
参考文献数
8
被引用文献数
1

小形の電磁継電器で発生する開離不能故障を防止することを目的として、試作したAu接点に接触力を印加した状態でしゅう動を与え粘着力の測定を行った。その際、接触面積を推定する目的でしゅう動前後および粘着力を測定するために接点を引き離していく途中で接触力がゼロになったときに接触抵抗の測定を行った。その結果から、しゅう動回数が増加しても接触面積がある値以上に増加しないことおよびこのときの接触面積を用いて計算した見かけの応力が結果的にミーゼスの降伏条件を満足することを示した。また、降伏応力、引張り強さおよび摩擦係数から粘着力を推定する方法を提案した。
著者
渡辺 幹男 中川 潤 鈴木 峰男 西村 允
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.94, no.99, pp.27-32, 1994-06-17
被引用文献数
2

人工衛星には、衛星本体と太陽電池パドルの間ですべり摩擦をしながら電気信号や電力を伝達するスリップリングが用いられている。宇宙用スリップリングには、超高真空中においてトライボロジ及び電気特性に高い信頼性が要求される。ホットプレス法で作製した4種類の銀系複合材の摩擦、摩耗、通電特性をピン, 円板摩擦試験機とスリップリングモデル機を用いて真空中で評価し、宇宙用スリッピングへの適用性を検討した。試作したAg-MoS_2-NbSe_2系複合ブラシ材と銀系リング材の組合せは、通電量1〜20A、通電密度4〜800A/cm^2の全領域にわたって、現在人工衛星で使用されているスリップリングよりも優れた摩擦、摩耗、通電特性を保持しており、電気信号伝達用、電力伝達用、さらには今後の大電力伝達用のいずれのスリップリングにも適用可能である。
著者
近藤 彰則 鎌田 紗由美 藤川 真樹 古澤 健治 西垣 正勝 吉沢 昌純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.37-40, 2009-02-27

近年,盗難や持ち出しなどにより公務員や企業の制服が流出している.このような流出した制服や,偽造された制服を利用して警察官や宅配業者などを装うなりすまし犯罪が増加している.そこで,不正に制服を用いた犯罪を防止することを目的として,制服にコンピュータを組み込むことにより制服自身が着用状態を識別し,周囲に着用者の正当性を示すシステムを開発している。今回は,同一の人間が継続して制服を着用していることを識別するために,人体通信を利用した脱衣検知システムについて述べる.
著者
高橋 雄造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.96, no.438, pp.1-6, 1996-12-20

静電気放電の諸特性を, 集中型電圧源による放電と比較しつつ, 説明する. 静電気放電の測定には, イメージインテンシファイヤ付ビデオレコーダと, リヒテンベルク粉図形が非常に役立つ : それは, これらによって, 放電の起きた場所が検出されるからである. 帯電したポリマーシートが接地金属円筒からはがれるとき放電がおき, 放電が開始する帯電電荷密度は, 34μC/m^2であって, 帯電極性やシートの暑さに依存しない. 放電進展の図形は, 負帯電では樹枝状, 正帯電では円形である.
著者
谷井 琢也 高松 邦義 国分 康行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.96, no.43, pp.7-12, 1996-05-17
参考文献数
4

かつて電電公社において障害を生じた通話路接点に硫酸アンモニウムが発見され, これは汚染された大気中のSO_2ガスと継電器のフェノール樹脂より発するNH_3ガスにより生ずるものと説明された. そこで擬似的に作り出した硫酸アンモニウムを含む汚染雰囲気中に様々な種類の金属材料を晒すことにより, 材料表面の経時変化及び材質による影響の違いを求めようと試みた.
著者
西澤 聡 船木 良輔 塚林 功 森田 登 上野 貴博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.61-64, 2009-02-27

現代の学習において,電気磁気学を苦手とする学生が多く目立ち,それぞれが理解できずに卒業していく状況である.しかし,電気磁気学は,電気を学ぶ学生にとって基礎科目として大きな役割を担っている.磁気学が苦手な理由として,「言っていることが頭に浮かばない」,「現像をイメージすることが出来ない」,「数式が難しい」などが主な理由として挙げられる.本実験では,地球の磁場を用いたモータを,FEMを用いた磁界解析及び実物を製作することによって,解析と実物の双方を利用し,教育の現場で使用するための教材開発を目的として研究を行った.
著者
佐藤 里江子 界 義久 関根 聡 東盛 裕一 井上 靖之 首藤 啓三 柳澤 雅弘 山田 泰文 鈴木 安弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.97, no.232, pp.31-36, 1997-08-22

波長変換回路は、将来の光波ネットワークにおける光クロスコネクトや光処理回路等への適用が期待されている。今回、我々はパッシブアライメント技術を用いて、スポットサイズ変換付き半導体アンプ(SS-SOA)アレイをプレーナ光波回路(PLC)プラットフォーム上に搭載し、ハイブリッド集積波長変換モジュールを実現した。パッシブアライメントにおいては、マーカの赤外反射像を多値画像認識処理し自動位置調整を行う。本方法では、赤外反射光を用いることによって観測するマーカのコントラストが向上し、搭載精度の向上が可能である。作製したモジュールでは、低損失(4.2dB)、低駆動電流(<15mA)の波長変換特性を実現した。また、622Mb/sへの信号入出力特性においても良好なアイパターンを確認した。
著者
信時 和弘 上田 京治 喜多 宏幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.94, no.413, pp.7-12, 1994-12-16
被引用文献数
2

世界のテレコミ機器をメイン市場として開発されるシグナルリレーに対する性能要求として、従来からの小型、高感度に付加してリレー入出力間の高絶縁性能の要求が強くなってきた。小型で高絶縁という相反する性能を、リレー入力部であるコイル部分の封止成形技術の確立により達成し、しかも部品点数3点のシンプル構成のシグナルリレーを開発した。
著者
佐藤 正春 中原 謙太郎 入山 次郎 岩佐 繁之 森岡 由紀子 須黒 雅博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.168, pp.13-18, 2003-06-27

安定ラジカルの酸化還元反応を動作原理とする有機ラジカル電池は充放電反応の速度が大きく、高効率で、可逆性も良好であるという特徴を有している。このため、有機ラジカル電池は短時間で充電でき、高出力で、充放電サイクル寿命も長いという、二次電池としては理想的なものとなりうる可能性を有している。ここでは有機ラジカル電池の特徴を活かした用途として、サーバーやルーターなどの情報関連機器に内蔵可能な小型で高出力の電池への応用を検討した。その結果、安定ラジカル化合物、ポリテトラメチルピペリジノキシメタクリレートを正極活物質として、電極面積50×72mm、厚さ5.7mmで容量130mAh、限界出力13.3Wという高出力電池の試作に成功した。一般的なリチウムイオン電池と比べると、試作した有機ラジカル電池の容量密度は1/10以下であるが、限界出力密度は639W/Lと、約2倍に達した。この電池(4個直列)は小容量ではあるがデスクトップパソコンを短時間動作することが可能であり、電源非常時におけるデータ退避用補助電源として利用できることが明らかとなった。
著者
相沢 友勝 岡川 啓悟 カシャニ メハダッド
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.457, pp.13-16, 2008-01-18
被引用文献数
2

板厚0.2〜0.3mmの金属薄板を穴あき絶縁シートを挟んで重ね,これを平板状ワンターンコイルの上または間に固定し,コンデンサ電源からコイルにインパルス大電流を急激に流す.金属薄板には,磁束が交差し,渦電流が流れ,磁気圧力が働く.この圧力と渦電流加熱により,重ねた金属薄板は穴のあいた部分で圧接される.板厚0.05mmの銅箔も加圧用金属薄板を用いて同様に圧接される.このような電磁圧接により絶縁導体間を穴を介して接続する各種方法および実験結果を述べる.