著者
小此木 慎哉 畑田 敏雄 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.574, pp.39-44, 2007-02-27

本研究では「安静」,「メタ認知」,「メタメタ認知」の3種類の思考状態に対する脳活動を定量的に計測・識別することを目的とする.脳波のフラクタル次元解析を行うことで,脳波信号の特徴量を抽出し,思考状態の計測・識別を行う.その結果,意図した思考状態に対応する出力の割合が大きいことから,どの思考状態にあるかを識別しうることを見出した.さらに,ストループ試験を実施し,思考状態が学習効果に与える影響についてフラクタル理論を用いて検討を行った.その結果,メタ認知が学習効果に影響を与えることを確認した.本研究の結果,メタ認知,あるいは,メタメタ認知の修得度を評価する"学習効果計測装置"としての応用の可能性が示唆された.
著者
北田 悟史 田中 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.50, pp.1-4, 2005-05-11

個々人の要求(デマンド)に応じて巡回ルートを柔軟に変更するデマンド方式のバスが各地で導入をされている。しかし、デマンド方式に切り替える際の設備の費用などのコストは高く、予定通りにいかずに採算をとれない場合のリスクがある。リスクを軽減させるためには、事前に現行のシステムとデマンド方式をシミュレーションし、比較、考察する事が求められる。そこで今回、GISを用いて米沢の道路を仮想的に再現させ、デマンド方式を適応させた場合の効果を従来の巡回バスと比較し、シミュレーションした。
著者
神野 健哉 田中 衛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題
巻号頁・発行日
vol.97, no.53, pp.89-96, 1997-05-23

全ての素子のパラメータが一様で相互に結合した簡素なヒステリシスネット(Simple Hysteresis Network 以下SHNと略す)が呈するハイパーカオスについて報告する。SHNは相互結合、自己結合、直流分の3個のみをパラメータとして有する。単体のヒステリシス素子はパラメータにより無安定、単安定、双安定の状態を有し安定平衡点アトラクタ、周期アトラクタが存在するが、単体ではカオス等の非周期アトラクタは存在しない。しかしながらこのような素子を複数個を一様に結合させた系において非周期アトラクタを呈することを我々はこれまでに発見し報告した。本報告では SHNがハイパーカオスを呈することを示し、同期現象との関係に関して考察を行う。
著者
呂 建軍 時永 祥三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.417, pp.65-70, 2005-11-12

本報告では, ネットワーク・コミュニティ形成などメンバーのグループ化(クラスタ形成)の過程を分析する方法として, 遺伝的プログラミング(Genetic Programming : GP)による学習を行うマルチエージェントからなるセル平面のクラスタ形成分析を提案し, その応用について述べる。エージェントはセル平面において周辺の情報を入力として意思決定を行うが, まず, 基本モデルとして, エージェントを記述する状態変数が連続的な値をとることができる場合を考察し, エージェントが自己の利得を最適化する行動においても, 状態変数に均衡点が存在することを不動点定理を用いて整理する。次に, エージェントを記述する状態変数が1かゼロかの2値をとる場合には, 状態が1つの場合には, 周辺のエージェントの状態の期待値とあるしきい値を比較して行動を決定することが, 漸近的な意味での均衡条件であることを述べる。しかし, 状態が複数の場合や, エージェントが相互に学習的に行動する場合を記述するのには適していないので, エージェントモデルを基本とするシミュレーション分析を行う。応用例として, 人工的なエージェントによる事例, 企業内部における社員のクラスタ形成の特性分析などを示す。