著者
宮崎 泰典 岡田 規男 菅井 貴義 多田 仁史 宮原 利治 高木 和久 青柳 利隆 八田 竜夫 大村 悦司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.35, pp.29-34, 2003-04-18
参考文献数
10

光送信機用変調光源には,広変調帯域幅,高出力光強度,高消光比,良好な出力光波形,低伝送ペナルティの両立を要求される.電界吸収型光変調器(EAM)は超高速光送信機の小型化に有用な半導体デバイスであるが,従来は40Gbpsにおいてこれらを両立した報告はなかった.今回,EAMに,(1)キャパシタンス低減に有利な半絶縁性基板,(2)高光出力時低チャープ動作が可能な伸張歪非対称量子井戸吸収層,を用いて40Gbpsにおける低チャープ・高光出力動作を初めて実現した.更に(3)EA変調器モジュールにドライバICを内蔵し,同軸ケーブルやコネクタによる高周波特性悪化を抑えた.その結果,EA変調器モジュールとしてITU-TG693規格(出力光強度,アイマスク規定,消光比,伝送ペナルティ)を満たすことを確認した.
著者
安元 清俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.125, pp.1-5, 2002-06-12

第8回 International Symposium on Microwave and Optical Technology (ISMOT'01)の概要を報告する。本会議は、2001年6月19日〜23日にカナダのモントリオールで開催された。マイクロ波回路・システム、電磁波理論・応用、アンテナ、光技術などに関して25カ国から投稿された135件の論文が採択され、1 Plenary Session、24一般セッション、3特別セッション、及び1ポスターセッションにおいてTechnical presentationが行われた。当研究会でISMOTの会議報告をするのは初めてであるので、まず、ISMOTの沿革を述べ、次にISMOT'01の概要を報告する。最後に、2005年に福岡市で開催することが決まった第10回ISMOT(ISMOT'05)について簡単に紹介する。
著者
八木 英樹 佐野 琢哉 プルームウォンロート タノーム 三浦 幸治 大平 和哉 丸山 武男 ハク アニスル 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.161, pp.1-6, 2004-06-25
参考文献数
20

電子ビーム露光法とCH_4/H_2反応性イオンエッチング、及び有機金属気相成長法による埋め込み再成長を用いることにより、狭細線構造(細線幅:14nm、周期:80nm)を有するGaInAsP/InP歪補償5層量子細線レーザを実現した。自然放出光スペクトルの測定と理論解析との比較により、そのスペクトルが高エネルギー側において量子薄膜レーザよりも急峻に変化するのは、キャリヤの横方向量子閉じ込め効果に起因していることを明らかにした。さらに、量子細線レーザの低しきい値電流動作のために、反射鏡損失の低減に着目して、SiO_2/伴導体反射鏡を有する量子細線レーザを作製した。その結果、同一基板上に作製した量子薄膜レーザよりも低いしきい値電流密度、及び室温基底準位発振を達成した。
著者
青柳 利隆 高木 和久 白井 聡 大村 悦司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.524, pp.65-68, 2003-12-12

インターネットトラフィックに代表される通信需要の急増に答えるには,85℃を超える環境温度で10Gb/sアンクールド動作が可能なDFB-LDの提供が必須である.我々は,10Gb/s動作に必要な高い緩和振動周波数の得られる構造として,短共振器と高い結合係数を有するλ/4位相シフトDFB-LDを提案してきた.また,光結合損失が増大し易いパッシブアライメント実装に適した高スロープ効率のDFB-LD構造として非対称な結合係数を有する回折格子構造が適していることを実証した.更に,今回,高温動作に有利なAlGaInAs MQW DFB-LDを作製し,105℃でもOC-192のアイマスクをクリアでき,85℃での信頼性についても良好な結果が得られたので,上述のアクティビティと併せて報告する.
著者
落合 友四郎 レオンハード ウルフ ナチェル ホセ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.113, pp.25-27, 2008-06-20

不可視装置(透明マント)とは、光をうまく迂回させて、中にある物体を見えなくする技術であり、いわゆるハリーポッターの透明マントのことである。今回、左手系メタマテリアル(負の屈折率をもつマテリアル)を用いて、等方性媒質において完全な不可視装置(透明マント)を理論的に設計した。この設計においては、完全な不可視性を実現でき、時間遅れと反射の両方をゼロにすることができる。
著者
西本 昌彦 北島 光 仁科 有貴 緒方 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.173, pp.59-63, 2007-07-26

地中レーダを用いた地雷探知器はプラスチック製地雷でも探知可能である反面,地表面反射波や地中の小石や砲弾片からのクラッタの影響を受けるため,地雷と地雷以外の物体の識別が非常に難しい.このため,地雷探査用地中レーダには,地雷と地雷以外の物体を高い精度で識別するための識別能力が要求される.この問題に対して,筆者らはレーダ応答波形から識別すべき地雷の特徴を直接抽出し,パターン識別の手法を用いたターゲットの識別を行っている.本報告では,識別のための3次元特徴ベクトルを提案し,パターン識別の有力な手法であるサポートベクターマシン(SVM)を識別器として適用している.粗い地表面下の浅い位置に埋設された地雷,及びそれと似た物体の応答をFDTD法によって求め,モンテカルロシミュレーションを行うことにより,この特徴およびサポートベクターマシンの有効性について検討する.
著者
大岩 政基 南 俊輔 辻 健一郎 小野寺 紀明 猿渡 正俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.92, pp.31-36, 2009-06-12

時間軸Talbot効果(TTE)を用いた全光クロック抽出法は,OOK(On-off keying)変調された信号光に伝送速度で定まる特定の1次の波長分散を与えるだけで光クロックパルスが抽出できる.しかし,本方法は信号光に{0}符号連続が生じると,抽出光パルス列に長周期の振幅変動が生じる難点がある.一方,能動モード同期を利用した全光クロック抽出法として,SOAファイバリングレーザ(SOA-FRL)への光注入法が報告されている.この方法は,ファイバ共振器中に光遅延回路を挿入することにより任意のビットレートに適用可能となる利点があるが,SOAの変調速度制限のため,出力パルス列に短周期のパターン効果が生じる欠点がある.本報告では,上記の2つの方法を組み合わせることで互いの欠点を補償した新規の全光クロック抽出法を提案し,その動作特性を評価する.
著者
三次 仁 三根 学 土屋 良起
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.103, no.241, 2003-07-25

世界無線通信会議(World Radiocommunication Conference : WRC)は国際的な周波数帯の利用方法や無線局の運用に関する各種規則などを策定する会議であり、今回WRC-03として2003年6月9日から7月4日までジュネーブで開催された.本稿ではWRC-03における固定衛星通信業務(FSS)に関連する主要な議題について議題概要、審議の結果について紹介する。
著者
李 可人 井筒 雅之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.539, pp.55-60, 1998-02-12
参考文献数
11

本論文では、ミリ波帯で動作する新しい光検波器を提案した。新しい光検波器は、帯域動作の利点をフルに生かし、検波器の出力を最大になるように、進行波型の概念を用いながら、多段共振器と反射スタブを設けた。本論文では、共振器と反射スタブをそれぞれショットとオープンの四分の一波長の共平面導波路(CPW)スタブを用いた。光導波路を伝播する光波とフォットダイオードによって生じた共平面導波路を伝播するミリ波との間の速度整合はS字型蛇行ミリ波伝送線路によって実現した。
著者
クシュタ タラス 安元 清俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.544, pp.85-90, 2000-01-19

誘電体スラブの中に埋め込まれた柱状物体の周期的アレイによる電磁波の散乱問題を解析する新しい方法を提案している。この方法は、層状構造の散乱問題に対する漸化的T-マトリックス法と自由空間中に配置された周期的アレイに関する格子和を用いている。その結果、柱状物体の周期的アレイを内部に含んだ誘電体スラブの一般化された散乱パラメータが伝搬波及び消滅波となる空間高調波を考慮に入れて計算される。数値計算例として、誘電体スラブの中に埋め込まれた誘電体円柱アレイ及び磁化フェライト円柱アレイによる反射特性を示し、これらのアレイが自由空間中にある場合の結果と比較している。